社会(政治・経済等)

GDPがプラス成長でも

内閣府が15日発表した2009年10~12月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.1%増、年率換算では4.6%増となりました(日本経済新聞 2010年2月15日)。
プラス成長は3四半期連続となります。
米国を中心に輸出が伸び、設備投資が7期ぶりに増加に転じたことが要因で、国内経済の持ち直し傾向を裏付けた形となります。
項目別では、輸出が前期比5.0%増と3期連続で増加しました。
企業の設備投資は自動車やパソコンなどが好調だったため、1.0%増と7期ぶりにプラスに転じ、下げ止まりの兆しを見せました。
GDPの6割を占める個人消費は0.7%増と、エコカー減税やエコポイント制度などの政策効果で自動車や薄型テレビの需要が増え、3期連続で増加しました。
一方、国や地方による公共投資は1.6%減と、2009年度1次補正予算の執行停止の影響もあり2期連続で減少しています。
住宅投資は3.4%減と、過去の住宅着工減の影響が残り、4期連続で減少しました。
内外需の実質GDPへの寄与度は、内需が0.6%と7期ぶりにプラスとなり、外需の0.5%を上回りました。
生活実感に近い名目GDPは前期比0.2%増、年率換算では0.9%増となり、7四半期ぶりのプラス成長に戻りました。
しかしながら、名目成長率がプラスに転じても、物価の下落が続く「デフレ」を脱却できていないことが浮き彫りになっています。
総合的な物価の動向を示すGDPデフレーターは前年同期比マイナス3.0%で、一期前の7―9月期(マイナス0.6%)から下落率を5倍に拡大させました。
マイナス3.0%というGDPデフレーターの下落幅は過去最大です。
物価下落のすそ野も国内需要から、海外との貿易取引を通じた需要全体に広がりました。
2009年7―9月期までは、2008年央の原油高の反動安が統計的にはGDPデフレーターを押し上げる方向に働いていました。
しかし、2009年10―12月期以降は反動安の効果が薄らいで、つっかい棒を失ったGDPデフレーターは一気に下落幅を拡大したと考えられます。
以上のことから、私たちの経済は依然として楽観視できない状況にあると判断されます。
景気の「二番底」懸念は後退しているとの認識もありますが、エコカー減税やエコポイント等の経済対策の息切れなどで今年前半の成長率が低下するとの見方も出ています。
一刻も早くデフレを脱却し、名目と実質の逆転を解消しない限り、中長期の安定成長は望ません。
大丈夫でいきましょう!

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