人と会社・企業

70歳を超える経営者が6割以上を占める時代が目前に

後継者難による中小企業の廃業が増えている

ふた月ほど前の日本経済新聞ですが、中小企業の廃業が増えているという気になるNEWSがありました。

廃業の要因は後継者難からです。

しかも、それらのうちの5割は経常黒字の企業です。

経済産業省の分析では、現在127万社の中小企業が後継者不在の状態にあるそうです。

2025年には6割以上の経営者が70代を超えます。

そのまま後継者が決まらずに廃業してしまうことがあったとしたら、我が国経済にとってはとてつもなく大きな損失です。

わずか7~8年後に現実的にその時代がやってきます。

あまり猶予はありません。

あらゆる手段でこれらの企業の永続を実現すべく、手をさしのべる必要があると考えます。

以下、引用いたします。

中小企業の廃業が増えている。後継者難から会社をたたむケースが多く、廃業する会社のおよそ5割が経常黒字という異様な状況だ。2025年に6割以上の経営者が70歳を超えるが、経済産業省の分析では現状で中小127万社で後継者不在の状態にある。優良技術の伝承へ事業承継を急がないと、日本の産業基盤は劣化する。「大廃業時代」を防ぐ手立てはあるか。
「あと2年くらいで会社をたたもうと思ってるんだ」。極細の「痛くない注射針」で世界的にも有名な金属加工業、岡野工業(東京・墨田)の岡野雅行会長(84)の表情は何かを悟ったように穏やかだ。金型づくりやプレス加工は自動車などの技術改良に貢献し、会社は黒字だ(日本経済新聞 2017年10月)。


日本経済新聞より引用

そもそも企業は永続こそが社会的責任

いろんな考え方や価値観があるかと思いますが、私はそもそも論として企業は生まれた以上は何があっても永続するべきであると考えます。

なぜなら、会社が廃業すると働いていた社員さんの雇用が失われ、家族も路頭に迷うからです。

「人を大切にするいい会社」の経営者もみなさん同じ思いです。

現在127万社の中小企業が後継者不在ですが、もしすべての会社が後継者難により廃業を決めたとします。

極めてシンプルに1企業あたりの社員さんの数が5人だとすると、635万人が雇用を失うことになります。

また、それ以上の数のお客様も路頭に迷います。

とても気に入っている商品・サービスが購入できなくなるのです。

また、その会社のことを誇りに思っていたのは社員さんやお客様だけではありません。

地域の人たちもとても残念な思いをするのです。

何とかして事業の継続を実現して欲しいと願っております。

まずはこのことを経営者のみなさんに持って欲しいと思います。

手を変え品を変え、会社を永続させる方策を

我が国の企業の約3/4が赤字と言われている中で、黒字で経営しているのにも関わらず廃業の道を選ぶのならば、勿体ないのひと言に尽きます。

経営者の方々には、実際に整理しなければならない複雑な問題はあることでしょう。

損益計算書に現れない負の資産を引き継がせたくないという想いもあるかもしれません。

でもここで自分の気持ちと社会的に求められることと比べて欲しいのです。

きっとこれまで支えてくれた社員さんへの気持ちが強いと思います。

会社がなくなってしまったら社員さん達は路頭に迷います。

そして、お客様の立場に立てば、会社がなくなってしまったら二度とその会社の商品・サービスは買えないのです。

経営者のみなさんにはぜひともそのための場を積極的につくって欲しいと思います。

なお、事業継承の相談は増えているようです。

東京商工会議所の「東京都事業引継ぎ支援センター」は2017年度上半期(4~9月)に中小企業から受けた事業承継・譲渡に関する相談の実績をまとめた。新規相談は439社と前年同期比27%増。実際に承継・譲渡に至った案件も30件と3%増えた。ともに上半期としては最も多い(日本経済新聞 2017年11月29日)。

さらに、社長業を「やってみたい」とする方々を増やし、そのための新たな融資制度や補助金制度の充実も求められます。

なおかつ、それらを知ってもらう機会をつくることも大切です。

M&Aは加速しています

どうしても後継者が見つからない場合は、積極的にM&Aを展開するべきでしょう。

実際に、M&Aの成約実績は増加しているようです。

中小企業のM&A(合併・買収)などを仲介する「事業引継ぎ支援センター」の成約実績が2012年度から17年度上期までの累計で、1千件を突破した。中小企業では経営者の高齢化が進み、後継者不足が深刻になっている。望まぬ廃業を防ごうと、事業の引き継ぎ先を外部に求める経営者が増えている。所管する経済産業省は支援体制の拡充を急ぐ(日本経済新聞 2017年10月29日)。

経営者のみなさんは複雑な思いもあるかもしれませんが、何よりも社員さんの雇用を守ることがいちばん大切です。

来たれ、若き経営者

若い世代にも積極的に事業継承に参加して欲しいと思います。

学生でもいいと思います。

もちろん、大きなリスクはありますが、チャレンジする尊さを体験して欲しいと思います。

日本を代表するような経営者もその中から出てくる可能性はあります。

きっかけを与えてあげることはとても大切なのです。

目的を明確にして全力でチャレンジした結果、もし仮に失敗したとしても私はとても尊いと思います。

誰もやろうとしなかったことをした訳ですからね。

また、自分の父親が経営者だけど、今自分は違う道で生きているという若い息子さんはぜひ一度考えて欲しいと思います。

これからは経営者になるための教育も充実させるべきではないでしょうか

上記と合わせて後継者難による中小企業の廃業を食い止めるためには、学校教育もカギを握ると思います。

今の学校教育は、リスクをなるべく負わない教育をしているような気がしてなりません。

つまり、横一線で、安定志向重視の教育が、結局は子供たちを苦しめることになるのではと思っています。

これは、私が毎年新入社員研修をやらせていただいている中で感じているところです。

若者たちがリスクを負わないと感じるのは、失敗してもいいからやってみようという気持ちの若者に出会うことが少なくなったからです。

代わりに、失敗するくらいならばやらない方がいいという思考の若者が目立ってきているのです。

それゆえに、現実の社会で大きなストレスを感じると若者はどんどん萎縮し、しまいには引きこもってしまうのです。

そもそも新入社員に失敗がないことはありません。

自己実現をするための教育、リスクの先にはやりがいがあるといった教育の強化が必要なのではないでしょうか。

その究極の職業のひとつが社長業だと思います。

「社長になりたい」と思う子供たちがもっと増えてもいいと思うのです。

会社を永続させ、誰からも「いい会社だね」と言われる会社をつくっていきましょう

ぜひ、後継者難といわれている会社を永続させて、これまでがんばってきてくれた社員さんとそのご家族の幸せを実現していきましょう。

そのために求められることは、「人を大切にするいい会社」を実現することです。

会社に関わるすべての人が「あなたの会社はとてもいい会社だね。」と言われるような会社を目指すべきです。

人を大切にする経営を愚直に貫けば、働いている社員さんもその家族も、協力会社の社員さんも、お客様も、地域の人も、株主も、みんな幸せになれるのです。

いい世の中を実現するためにも、事業の永続は何としてもお願いしたいと思います。

大丈夫でいきましょう!

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