人と会社・企業

冬ボーナス、街角景気、有効求人倍率を企業支援目線で見る(静岡)

私が住む静岡県の2017年冬ボーナスの状況をご紹介します。

先日は大阪の中小企業の冬ボーナスの状況をご紹介しました。

気になる2017年冬のボーナスは

今日は、先日静岡県内企業の冬のボーナス予想が日本経済新聞から出てきましたので紹介いたします。

調査結果は静岡経済研究所さんによるものです。

静岡経済研究所がまとめた静岡県内企業の冬のボーナス予想は前年同期比0.4%増の36万8000円となった。企業業績の回復が後押しするとみる。一方、従業員29人以下の中小企業は0.1%減の26万6000円になると推計する。
ボーナス額と相関性の高い有効求人倍率や名目賃金指数など統計指標を基に、機械的に算出した。ボーナス支給額の増加は2年連続で、16年は0.2%増だった。17年のボーナスの支給総額は1.6%増の4585億円になる見通し。
静岡経済研は要因として国内外の景気回復を背景にした企業業績の改善、高止まりする有効求人倍率と前年同期比プラスで推移する名目賃金指数をあげている。
中小企業は春季の賃上げ額が前年を下回ったことから、微減になると見積もった。従業員30人以上の企業に絞った場合は0.6%増の42万7300円と予想している(日本経済新聞 2017年11月30日)。

静岡県内企業の2017年冬のボーナスは、2年連続で支給額の増加が認められました。

なおかつ増加率は0.4%と2016年の0.2%よりも増えている点も明るい材料です。

これだけをみると、企業業績の回復が後押しするという分析もうなずけます。

しかし、まだ注意が必要です。

それは、従業員29名以下の中小企業では支給額が減っている点です。

また、ボーナスが「支給されない」企業の割合も明らかになっておりません。

先日ご紹介した大阪シティ信用金庫さんの調査結果では、ボーナスが支給できる会社では支給額自体もあがる一方で、支給できない企業も増えているという大変気になる結果を示しました。

つまり、ボーナスを「支給しない」企業も4割超で、かつ、前年よりも増えていたのです。

2017年冬のボーナスは支給しない中小企業が4割を超す(大阪)

いわゆる二極化がより一層進んでいることが明らかになりました。

今回の静岡経済研究所さんの調査では「支給されない」企業の状況が今のところ明らかになっておりませんので、今後明らかになりましたらご紹介いたします。

おそらく、全国的に大阪の傾向と大きな差はないと思われます。

つまり、静岡も2017年冬のボーナスが支給される企業は支給額自体が上がる一方で、「支給されない」企業も4割前後あるかもしれません。

その確認をしたいため今後も気をつけてキャッチしていきます。

静岡の景気は6期連続で上昇だが8期連続で良否判断の50を下回る

次に静岡の景気ウォッチャー調査の結果をご紹介します。

こちらも静岡経済研究所さんによるものです。

静岡経済研究所がまとめた10月の景気ウォッチャー調査によると、静岡県内景気の現状判断指数は前回7月調査に比べて0.7ポイント改善の49.3だった。6期連続の上昇となったが、8期連続で良否判断の分かれ目となる50を下回った。台風が続いて来客数が減少し、消費関連が低調に推移した。雇用関連は人手不足を受けて好調だった。
調査は10月下旬に、小売りや人材派遣、ホテル、広告など景気の動向を迅速に把握できる業種の担当者106人を対象に実施し、102人から回答を得た。
分野別では家計消費関連が前回比1.7ポイント低下の47.6だった。「キャンセルが多く、客数が減少」(観光ホテル)など、台風の影響を指摘する声が目立った。事業所向けビジネス関連は7.5ポイント改善の48.8、雇用関連は6.4ポイント上昇の63.9だった。
2~3カ月先の景況感を示す先行き判断指数は5.9ポイント上昇の55.4。2年ぶりに50を上回り、期待が高まっている(日本経済新聞 2017年11月30日)。

静岡の景気は6期連続で上昇ですが、8期連続で良否判断の50を下回るということで、こちらも反対から見れば、まだ景気回復の途中であり、完全に回復したとは言えません。

6期連続で良くなっていることは何より明るい材料です。

このまま回復を続けていくことが期待されます。

続いて有効求人倍率をみましょう

静岡県内の10月の有効求人倍率について、日本経済新聞に調査結果が紹介されていました。

静岡労働局が1日発表した静岡県内10月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.58倍だった。全国平均は0.03ポイント上昇の1.55倍で、8カ月連続で県内が上回った。正社員有効求人倍率(実数値)は前年同月比0.19ポイント上昇の1.10倍と、3カ月連続で過去最高を更新した。正規・非正規ともに求人需要の増加が続いている。
有効求人数(季節調整値)が前月比2%増加した一方、同求職者数は微増にとどまった。新規求人倍率は0.19ポイント上昇の2.50倍。3カ月連続で全国平均(2.36倍)を上回った。
産業別の新規求人数(実数値)は製造業で前年同月比6%増、建設業で14%増とけん引。運輸・郵便と卸売・小売業がそれぞれ9%増えるなど、幅広い業種で求人が伸びている。減少したのは8%減った教育・学習支援業など。従業員の規模別では29人以下が16%増と全体の求人増をけん引し、中小企業が求人増をけん引する構図が鮮明になった。
地域別の有効求人倍率(実数値)は東部が前年同月比0.2ポイント上昇の1.58倍、中部が0.27ポイント上昇の1.76倍だった。西部は0.17ポイント上昇の1.48倍となった(日本経済新聞 2017年12月1日)。

有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合であり、雇用動向を示す重要な指標のひとつです。

景気とほぼ一致して動くため、景気動向指数の一致指数となっています。

静岡は全国以上に有効求人倍率が高いと言うことは素晴らしいかもしれません。

幅広い業種で増えているということも素晴らしいと言えるかもしれません。

このような有効求人倍率の結果だけを見ると景気が良くなったと言えそうですが、やはり注意が必要です。

反対から見ると、静岡は全国的にも人手不足で、なおかつそれだけ多くの業種で人材不足が深刻化していると言えるからです。

ふと、若者の人口流出が静岡県はワーストに近い状況を思い出しました。

静岡市の推計人口(4月1日現在)が69万9421人となったことが7日、分かった。若者の流出が主な要因で、20の政令指定都市で70万人を割るのは初めてとみられる。静岡市が政令市に移行した当時の人口要件は70万人だったが、総務省によると、人口減少で指定を取り消す規定はないという。
静岡市によると、18~22歳の人口減が目立ち、進学や就職で首都圏に転出したのが原因とみられる。静岡市に次いで人口が少ないのは岡山、相模原両市で3月1日現在の推計人口は約72万人(日本経済新聞 2017年4月7日)。

人が足りない事態は極めて深刻です

静岡の中小企業で働く人が不足している事態は極めて深刻です。

実際に私のクライアントでも人が不足し、現場に大きな負担がかかっています。

ハローワークに求人を出しても人の応募自体がなかなかないのです。

有効求人倍率が増加したこと自体は素晴らしいことですが、反対に、募集をかけても人自体が集まらないという中小企業にとって極めて大きな問題点のカイゼンを私たちは実施して行くべきだと思います。

特に、社名が知られていない会社は苦戦しています。

会社の良し悪しを「社名を知っているかいないか」で判断することも未だ根強く残っています。

CM等で一般的に知られている会社に人が集まりやすいのは仕方のないことかもしれませんが、それらの企業がすべていい会社であるかというと必ずしもそうではありません。

反対に人を大切にし正しくがんばっている会社の中にも、一般の人に名前が知られていないだけで人が集まらない企業も少なくありません。

集まらないからずっと募集をしています。

求職している側にしてみれば、「この会社は常に募集を出しているから人がすぐやめるブラック企業なのでは?」と判断してしまうのです。

中には人を大切にし、正しくがんばっていても人が集まらない会社もあることを知ってほしいのです。

それを知らせる手段は残念ながら現状のハローワークにはありません。

どうか正しくがんばっている企業に人が集まるような仕組み作りをして欲しいと願っております。

ハローワークには会社のパンフすら置くことが許されない

なお、ハローワークには会社のパンフレットすら置くことが許されません。

すべて平等にという配慮ですが、それはむしろ不公平を生むことになりはしないでしょうか?

あるべき姿は、正しい経営をしている企業に人が集まり、正しくない経営をしている企業(もちろんブラック企業も)には人が集まらないようにすることだと思います。

正しくない企業がそれによって正しい経営にしようと刺激を受けて変われば、それこそいい世の中づくりになると思うのです。

正しい経営とは「人を大切にする経営」です。

どうか行政のみなさんも、政治家のみなさんも、考えていただきたいと願っております。

まとめると

静岡県内は、冬ボーナスも景気ウォッチャー調査も有効求人倍率も共に景気回復傾向を示しているように見えます。

しかし、注意が必要です。

それらの反対側にある見えていない情報をしっかりと見ないと正しい状況は把握できません。

つまり、大阪の状況からボーナスが「支給されない」企業の割合が高くなっている可能性も考えられるからです。

また、有効求人倍率の向上の裏には、人手不足が深刻になっている中小企業が確実に増えているということだからです。

私たちは、景気が完全に良くなったとは言えない状況とこれらの問題点をしっかりと認識しなくてはなりません。

問題点を認識した上で、カイゼンのために前に前に進んでいきましょう。

さあ、12月も2日過ぎました。

忘年会のシーズンにいよいよ突入しました。

誠に勝手なことを申し上げてしまい大変恐縮ですが、ボーナスが出た方々は「社会的責任消費」を地元の街中にぜひお願いしたいと思います。

それが地元の個店を救うことに直結するからです。

12月は正念場です。

脱デフレが実現できていない現在、中小個店にとってはみなさんの消費だけが命綱です。

身近に正しくがんばる中小個店があったらぜひ応援して救ってあげてください。

2017年の締めくくりの月をみなさんの気持ちと行動でより素晴らしいものとなっていくことを心より願っております。

大丈夫でいきましょう!

ルビンの壺で物事を判断しましょう

ピックアップ記事

  1. 『人を大切にするいい会社~』が6位にランクイン!
  2. いい会社にしていくために・・・『人を大切に~』が第2位にランクイン
  3. 人を大切にするいい会社を増やしていきましょう
  4. 『人を大切にする~』が谷島屋書店さんの総合ランキングで第2位に
  5. 『静岡発 人を大切にするいい会社見つけました』が江崎書店さんのサイトで第1位に

関連記事

  1. 社会(政治・経済等)

    2010年4~6月期の産業天気図

    日本経済新聞社は2010年4~6月期の産業天気図を28日に発表しました…

  2. 人と会社・企業

    神奈川県の新しい資金繰り支援策

    中小企業の資金繰りが今後さらに悪化する可能性があります。これは、リ…

  3. 社会(政治・経済等)

    中小企業への就職を志望する学生がじわりと増加

    2013年春卒業予定の大学生らの就職活動が始まりました。リクルート…

  4. 社会(政治・経済等)

    静岡県が災害クラウドを導入

    静岡県では地震や台風の発生時に被害情報などを集約し、災害復旧や被災者救…

  5. 人と会社・企業

    中小企業の目線で支援を!

    鳩山由紀夫首相は中小企業支援を専門とする担当大臣の設置について、前向き…

  6. 人と会社・企業

    中小企業の景況感が5四半期ぶりに悪化(2012年7~9月期)

    2012年7~9月期の景況調査は、5四半期ぶりに悪化東京商工会…

2017年12月
« 11月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

アーカイブ

ピックアップ記事

  1. 人と会社・企業

    人を大切にするいい会社を増やしていきましょう
  2. 人と会社・企業

    江崎書店さん、戸田書店さんでは第1位、谷島屋さんでは第4位に
  3. 人と会社・企業

    未来工業 山田雅裕社長をお招きして3
  4. 人と会社・企業

    『静岡発 人を大切にするいい会社見つけました』が江崎書店さんのサイトで第1位に
  5. 人と会社・企業

    ローランドベルガー長島聡社長のAI現場力と和ノベーション
PAGE TOP