人と会社・企業

「平成29年度冬季ボーナス支給予測調査結果」(栃木県、群馬県)

栃木県、群馬県の2017年冬期ボーナスの状況が見えてきました

栃木県、群馬県の2017年の冬のボーナスの情報が日本経済新聞で掲載されていました。

調査結果をとりまとめたのは、あしぎん総合研究所さんです。

まとめると、正社員1人当たりの平均支給額が前年度よりも3.2%上がり、ボーナスが支給を予定している企業も上がる見通し(945社のうち80.5%)ということでした。

以下、引用いたします。

あしぎん総合研究所(宇都宮市)が発表した「平成29年度冬季ボーナス支給予測調査結果」によると、2017年度冬のボーナスは正社員1人当たりの平均支給額が34万8734円と、前年度比3.2%増となる見通しだ。
製造業、非製造業ともに増える見込み。
平均支給額はリーマン・ショックの影響を受けた09年夏以降で最高となった。
栃木県や群馬県など、足利銀の営業地域の1723社を調査し、945社から回答を得た。
80.5%の企業がボーナスの支給を予定している。
平均支給額を業種別にみると、製造業が前年度比4.0%増の37万8174円、非製造業が同2.6%増の32万6206円となった。

この調査結果自体は大変素晴らしく、中小企業支援の現場で生きるものとしてとても役立つデータをいただきました。

関係者のみなさまにはお礼を申し上げたいと思います。

未回答の企業(1723社-945社=778社)の動向を知りたい

回答企業の内訳は大企業が24%、中小企業が76%です。

大手企業が含まれ、かつ割合も高めな点は留意すべきです。
(我が国は99.7%の企業が中小企業のため)

グラフを見ると、リーマンショックの影響があった平成21年夏と、東日本大震災の影響があった平成23年度夏を除けば、ボーナスの支給を予定している会社の比率は徐々に高まっていることがうかがわれます。


出典:平成29年度冬季ボーナス支給予測調査結果 あしぎん総合研究所

これで景気回復が実感できると思いたいですが、素直に真実を追究しようとするといくつかの問題点が浮上します。

まずは、回答を得ていない778社の動向です。

これらの企業の回答によって、上記の調査結果は大きく変わると言うことです。

また、回答率が54.8%(945÷1723)であり、半数近くの企業から回答を得ておりません。

そこも気になりますが、一体どんな問題が考えられるのか中小企業目線で見てみましょう。

19.4%の企業がボーナスを「支給無し」「未定」ですが実際は?

今回の調査でボーナスの支給を予定している企業の割合は、945社のうちの80.5%で昨年よりも高まりました。

反対から見ると、つまり19.4%の企業がボーナスを「支給無し(6.0%)」「未定(13.4%)」ということになります。

その数は183社です(945社のうち)。

先日の大阪シティ信用金庫さんのデータでは4割を超す中小企業がボーナスを支給しない見込みであるという記事を紹介しました。

2017年冬のボーナスは支給しない中小企業が4割を超す(大阪)

それと比較すると栃木県と群馬県の結果はとても良好に見えますが、みなさんもお気づきだと思います。

そう、回答を得ていない778社(1723社-945社)の動向です。

その割合が46.2%というのも気になります。

ちなみに、年俸制の会社ではボーナスがそもそも存在しないケースもありますが、それはボーナスが出ない明確な理由として統計結果に特記されることでしょう。

人の心理、中小企業の心理。中小企業支援の現場の経験からあれこれ推察する。

もしかすると、回答を得ていない778社の多くは、ボーナスの支給が完全にできないか、ためらっているか、或いは、したくてもできない状態なのかもしれません。

人の心理を考えると、いい状況の時はアンケートに答えやすいです。

反対に、いい状況では無いときは、できれば答えたくないという心理が働きます。

私自身、こうした調査への協力をするべきか否かといった相談がこれまでもクライアントからよくありました。

そうした経験上の話で大変恐縮ですが、業績が良くて問題なくボーナスが出せる会社は、「銀行の心証も良くなるでしょうからぜひ回答しましょう」とアドバイスします。

一方、ボーナスが出ないという決断をしそうな会社は、このような調査に対して「できれば答えたくないです」という心理が働きます。

金融機関直轄の団体が調査していれば、その傾向はより強くなります。

これは仕方の無いことです。

ボーナスを支給しないことが自社の評価や格付けに繋がってしまうかもしれないと考えたら悩んでしまうのです。

私はギリギリまで悩まれている企業に対して「未定で出しましょう」とアドバイスしたこともありますが、それでもためらう企業はあるのです。

それゆえ、回答を得ていない778社の中には、ボーナスが出せないか、支給することをためらっているか、ぎりぎりまで検討をしているといった企業が何割か存在すると推察されるのです。

そこから導き出される仮説。もしかすると3~4割の企業でボーナスが出ていない?

まず、未回答企業778社全部の会社がボーナスを「支給する」ことにはならないでしょう。

むしろ、上記の通り、多くの会社で回答することに抵抗が生じるようなケースが発生しているのかもしれません。

ここでいくつか数字を出してみましょう。

仮に778社の7割の545社がボーナスを「支給無し」「未定」とします。

そうなると企業数は、545社+183社=728社となります。

その割合は、41.8%となります。

今後、「未定」の企業がボーナスを「支給無し」と決断をしたとします(もちろん、逆もあるでしょう)。

その場合は、約42%の企業が「ボーナスの支給無し」となります。

これは、大阪シティ信用金庫さんの調査結果と似ています。

次の推察ですが、778社のうち半数がボーナスを「支給無し」「未定」だとすると、同様の条件で32.8%(778÷2+183÷1743)が「支給無し」となります。

3割以上の企業でボーナスが出ないことが考えられます。

もちろん、これらはあくまでもこれは推測であるため注意すべきです。

ですが、現実的に近い数字になっていることも否定できません。

真相を明確にするために、今後の調査結果に期待したいと思います。

私たちは常に物事の反対側からも見ないと真相がわからない

中小企業のボーナスについての調査結果は大手企業と比べるととても少ないため大変貴重であり、価値があります。
(注:今回のあしぎん総合研究所さんの調査結果は大手企業も含まれております)

中小企業の大部分でボーナスが支給され、かつ、支給額自体も上がっていることが「あるべき姿」です。

景気回復が実感できることが理想です。

そうなるためにみなさん日夜がんばっていますが、実感が得られないという声がとても多いのはどうしたことでしょうか。

目に見えている結果だけで判断を繰り返すと、私たちの生活の実体とはかけ離れていくような気がしてなりません。

景気回復の実感が私たちに得られないのは、そうしたことの積み重ねではないかと思っています。

いい情報だけで国の政策等を決められたら、その違和感はますます増していくことでしょう。

ここまで、大阪府、静岡県、栃木県・群馬県の2017年冬のボーナスについて紹介してきました。

簡単に傾向をまとめます。

2017年冬のボーナスの傾向
1.ボーナスを支給された企業の支給額自体は増えている。
2.ボーナスを支給されない企業の実体は見えていない場合が多い。

今後は、二極化というキーワードがより鮮明になってくるかもしれません。

より精度を高めるためには、見えていないものの見える化がとても大切だと思います。

今後の調査結果もあわせて着目していきたいと思います。

大丈夫でいきましょう!

物事は両面の視点で

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