人と会社・企業

2017年「飲食業」の倒産は前年より約2割増

景気が良くなっていないことを裏付けるデータ

先日、静岡の街中の景気は良くなっていないというお話をしました。

2017年12月は、「昨年と比べて良くない」と答えた個店の店主やタクシーの運転士さんが圧倒的に多かったのです。

仮に週末が良くても平日が目に見えて良くなかったのです。

これは、現地・現物・現認を日々実施している私なりの調査結果でありますが、今日、東京商工リサーチからそれを裏付けるような調査結果が出てきました。

以下、引用いたします。

2017年(1-12月)の「飲食業」の倒産は速報値で762件(前年639件)に達した。前年より約2割増で推移し、3年ぶりに750件を上回った。
負債総額は、負債1億円以上5億円未満の企業倒産が4割増と負債を押し上げ、前年を上回った。
ただし、全体では負債1億円未満の小・零細規模が88.8%を占めた。
仕入価格高騰や人手不足による人件費増加などのコストアップが影響し、さらに、景気実感の乏しさを背景とした個人消費の鈍さが、倒産増加に拍車をかけているとみられる。
~中略~
原因別では、最多が販売不振の618件(前年比17.7%増、前年525件)で、全体の8割(構成比81.1%)を占めた。次いで、事業上の失敗が41件(前年比46.4%増、前年28件)、既往のシワ寄せ(赤字累積)が34件(同17.0%減、同41件)の順。
~中略~
2017年(1-12月)の飲食業の倒産は、前年より約2割増で推移して厳しい経営環境を反映したが、東京商工リサーチ調べの飲食業の休廃業・解散企業数でも、2013年の574件以降は、2014年617件、2015年622件、2016年724件と3年連続で増加している。これは、仕入価格高騰や人手不足による人件費の増加などのコストアップが影響しているとみられる。
飲食業は「参入は容易だが、生き残ることが難しい業界」と言われる。
さらに、顧客の飽きが早く、次々にブームは起きても冷めやすく、一つのメニューやビジネスモデルが持続する期間が長続きしにくいとの指摘もある。
さらに、各種経済指標が改善をみせても、消費者が景気上昇の実感に乏しいことも、外食や飲酒など飲食関連に向ける個人消費の伸び悩みの背景として考えられる。このため、飲食業の倒産は今後も増勢が懸念される(東京商工リサーチ 2018年1月5日)。

倒産増加の背景には、『景気実感の乏しさを背景とした個人消費の鈍さ』とありますが、全く同感です。

個人消費が多ければ景気が良くなったと言えますし、少なければ良くなっていないとなります。

先日は「ボーナスの半分以上を貯金する人が6割を超える」という気になるデータも紹介しました。

この貯金については、積極的にお金を貯めようとするよりも、いざという時やボーナス月以外の生活費に回すためだと考えられます。

つまり、お金に余裕があって貯金をするのでは無く、余裕がないからこそ貯金をすると考えられるのです。

こうした状態が続けば、消費は鈍いままですし、景気は回復しません。

また、デフレ経済に拍車がかかる可能性があります。

原因が販売不振だからこそ

原因別では、最多が「販売不振」で全体の8割を占めます。

これらの中には、「いいものを安く」をやっている会社も多いことでしょう。

「おいしくて安い料理」はもはや当たり前であり、巷にあふれています。

だから、消費者にいつも指名して買ってもらえるようになるのは相当難しいということです。

また、「おいしくて安い料理」の場合、圧倒的な回転数で勝負しない限り利益は出ません。

中途半端な回転数では利益が出ないのです。

だから、大手安売りブランドは、他店舗展開をし、深夜営業をし、いわゆる薄利多売であっても回転数を上げようとするのです。

しかし、これからますます人口が減少していく我が国において、こうしたビジネスモデルがいかに理にかなっていないかわかります。

地方では特に顕著です。

静岡でも少し郊外に出れば、深夜営業をしていても人が入らない大手飲食店が見受けられるようになりました。

これからどんどん淘汰されていくことでしょう。

仕入価格高騰や人手不足による人件費増加などのコストアップが影響するならば

倒産の原因として、『仕入価格高騰や人手不足による人件費増加などのコストアップが影響している』ならば、やるべきことはシンプルです。

それは、「いいものを安く」からの脱却、つまり、販売価格を高めるということです。

短絡的に「いいものを安く」をしなければ販売不振になると考えている人も多いことでしょう。

それが加速すればモノの価値はさらに下がり、デフレ経済がさらに深刻化するでしょう。

今こそ、これまでの思考の癖・習慣・常識と思っていることを一度捨て去る必要があります。

これらを反対から捕らえるべきです。

そもそも「いいものを安く」の料理には、付加価値が付いていないのです。

人財が付加価値を付けるべきです。

付加価値が付いた分、高く売るべきなのです。

料理がおいしいのは当然です。

高くても、店の雰囲気が良くて、会話が楽しい飲食店です。

客数ではなく、客単価で勝負する経営です。

お客さんが楽しかった、元気になった、癒やされた等と言ってくれる経営です。

そうすれば、お客様はまた来てくれます。

賃上げをするならば、非正規社員や協力会社も

現在、3%の賃上げが叫ばれています。

経済3団体の首脳は5日、新年の合同記者会見を都内で開いた。安倍晋三首相が経済界に要請した3%の賃上げにはいずれも前向きな姿勢を示した。労使交渉の土台となる日本経済の先行きにも強気な見方が目立った(日本経済新聞 2018年1月5日)。

賃上げをするならば、販売価格のアップも必須です(消費税を除く)。

同時に、非正規社員や協力会社に対しての支払額もアップすべきです(理不尽なコストカット要請は問題外です。)。

国民の多数が中小企業で働いています(働く人の7割)。

大手企業の協力会社の多くが中小企業です。

中小企業で働く人の賃上げこそが脱デフレには不可欠だからです。

デフレ脱却のチャンスと捉えて「人を大切にする経営」を

今こそ、デフレ経済からの脱却のチャンスと捉えましょう。

会社側は「いいものを安く」のビジネスモデルから脱却し、人財が差別化を図る経営にシフトしましょう。

賃上げをするならば、非正規社員さんや協力会社さんへの賃上げも実現するべきです(取引する金額をアップする)

消費者側も「いいものを安く」のビジネスモデルを支持することを控えましょう。

「安かろう、悪かろう」が本来あるべき正しい姿です。

「いいものを安く」では、必ず誰かが犠牲になってしまうのです。

社員さんだけでなく、非正規社員さんや協力会社の社員さんが犠牲になってしまうのです。

誰かの犠牲の上に成り立つ経済・経営は間違っているのです。

人を大切にする経営を実践しましょう。

大切にする人とは、社員さんとその家族、協力会社さん、お客様、地域の人々、そして株主です。

飲食店も、製造業も、「いいものを安く(高品質・低価格)」を当たり前のように追究してきた我が国経済の歪みが出てきています。

今こそ変わるべきです。

大丈夫でいきましょう!

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