人と会社・企業

テレビの視聴率とデフレ経済

テレビは余程の目的がない限り見なくなった

いつしか私はテレビを余程のことがない限り見ることがなくなってしまいました。

「目的買い」ならぬ「目的見」しかしないようになりました。

テレビの電源をつけることすら少なくなってしまいました。

しかし、こうした傾向は私だけではありません。

若い方も男女問わず「テレビを見ません」という方が多いのに驚かされます。

これでは視聴率が稼げないのは無理もありません。

私はその原因とデフレ経済が繋がっているように感じられます。

日本テレビが首位に

少し前の記事ですが、日本テレビが2017年の年間視聴率で首位になったそうです。

日本テレビは2日、2017年の年間視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)が、全日(午前6時~翌日午前0時)、プライム(午後7~11時)、ゴールデン(同7~10時)の各時間帯で首位となり、4年連続で「3冠」を達成したと発表した。
日テレによると、全日8.2%、プライム12.0%、ゴールデン12.4%だった(日本経済新聞 2018年1月3日)。

視聴率の数字が全体的に低いことに驚かされました。

特に、ゴールデンタイムで12.4%という数字の低さに愕然としました。

昔はゴールデンタイム(19時から22時)の番組の視聴率は、20%以上ありました。

それゆえ、現在は、1番組あたりの価値がとても低くなっているように感じます。

番組も商品のひとつと考えれば、視聴率の低下は、モノの価値が下がるデフレ経済を象徴しているとは言えないでしょうか?
(もちろん視聴率がすべてではないと思いますが)

視聴率の低下は紅白歌合戦にもみられます。

2017年の大みそかに放送された第68回NHK紅白歌合戦で、トリを含むヤマ場の第2部(午後9時から2時間45分)の関東地区平均視聴率(総合テレビ)は39.4%だった。ビデオリサーチが2日、発表した。前年と比べ0.8ポイント減で、2部制となった1989年以降では3番目に低い。
関西地区の第2部の平均視聴率は39.6%(前年比0.1ポイント増)で、89年以降では6番目に低かった。
前半部分となる第1部(午後7時15分から1時間40分)は、関東が35.8%(同0.7ポイント増)、関西は33.2%(同0.8ポイント減)だった。
ビデオリサーチは89年以降、2部に分けて平均視聴率を発表しており、第2部が実質的な評価とされてきた(日本経済新聞 2018年1月2日)。

かつては50%以上は当然と言われた紅白歌合戦も40%がやっとです。

多チャンネル化がもたらしたこと

かつてテレビは、一家に一台の時代がありました。

カラーテレビの普及率は1979年頃に100%近くになります。

機動戦士ガンダムの放送が1979年ですから、その頃にようやくカラーテレビの普及率が100%になったのです。

私も改めてそのような時代があったことを思い出すと、現在との違いに驚かされます。

今の若い方からは想像できないかもしれませんが、当時はテレビが一家に一台の時代だったのです。

家族でチャンネルを争ったものです。

今では、録画が当たり前になり、パソコンとスマートフォンというインターネットを使用する代替品が現れ、動画を見る環境が劇的に変わりました。

チャンネル争いも死語になり、1人が数台のテレビに代わるハード(パソコンやスマートフォン)を持つことができるようになりました。

これまで受け身だった動画(番組)が、こちらから好きな番組(動画)を選べるようになりました。

評判のいい番組は後追いで見ることが当たり前になりました。

したがって、リアルタイムのテレビの視聴率が下がるのは当然のことでしょう。

私はテレビの視聴率の低下がどうしても薄利多売の今の経済と重なって見えてしまいます。

絶対に覆すことができないものは

それは誰しも1日24時間であると言うことです。

動画を見られる時間に限りがあるという点です。

それなのに、多くのチャンネルで動画を見ることができます。

視聴者側からみると、一つ一つの番組の価値も下がっているような気がしてなりません。

作り手さんに対しては、大変申し訳ない表現になってしまいますが、同じような番組が多すぎだと思います。
(予算も限られ仕方がないとは思いますが)

これらも、「いいものを安く」の経済、つまり、モノの価値が下がるというデフレ経済の象徴ではないかと思います。

しかし、そんな概念を吹き飛ばすような番組が現れました。

そんな中で半沢直樹が出てきた

2013年7月に半沢直樹が放送されました。

初回19.4%から最終回まで一度も視聴率を落とすことなく最終回では42.2%を記録しました。

半沢直樹はマーケティングの概念を吹っ飛ばした作品だと思います。

福澤克雄監督は「視聴率のことは忘れよう」としたそうです。

「女性には見てもらわなくて結構」と考えたそうです。

ここに逆転の発想があり、古くて新しいイノベーションが生まれたのだと思います。

その手法は極めてシンプルで、何のしがらみもなく「ただただいいものを作ろう」という意識と行動がクオリティに繋がったと思います。

俳優には演技力のある人たちをズラリと揃えました。

多くが舞台で活躍している俳優さんです。

原作の面白さと脚本の素晴らしさ、役者の演技力等が相まってあのような評価に繋がったと思います。

私が見たのは2014年でしたが、日頃はドラマを見ない私が評判を聞きつけて試聴した結果、演技力のある俳優さんとドラマの面白さに引き込まれたのです。

それだけのイノベーションが半沢直樹にはあったのです。

そして、当時はほとんど無名の俳優さんが半沢直樹をきっかけとして売れていく様子が見てとれました。

これも大きなイノベーションだったと思います。

本当にいいものは、しっかりと視聴者の心を打つのだと実感しました。

ただひたすら正しい目的のために、既成概念を一度壊してみること

「視聴率がとれない」ということを経営にあてはめると、「モノ・サービスが売れない」ということになります。

「安くていいもの」があふれている現在、私たちは最も大切なことを忘れているような気がしてなりません。

いろんなことが思い浮かびます。

私たちは本当に商品・サービスを購入するお客様(ファン)の立場になって、喜ばれることを考えているのでしょうか。

モノ・サービスが売れないのを景気のせいにしたり、人のせいにしたりするだけで、思考を停止させていないでしょうか。

自分をより良く変えようとすることに真剣になっていないのではないでしょうか。

そもそも「安くて高性能でないと売れない」と思い込んでいないでしょうか。

いくら周りの環境のせいにして自分を正当化しようと懸命になっても、何も変わらないのです。

明るい将来に向かって、「自分たちが」より良く変わっていかなければならないのです。

デフレ経済の中でも、お客様をしっかり見ている会社があります。

しかも、価格競争をしなくても(価格が高くても)お客様に支持されているのです。

お客さまから追いかけられているのです。

そうした会社は、社員さんが常に危機感を持って、より良く変わっていくことを実践し、社風として定着させています。

社員さんがお客様に喜んでもらえるよう、自分の能力・魅力を最大限に発揮しようと常にカイゼンされているのです。

それが結果的にファンを大切にすることになり、ファンであるお客様から支持され、必要とされ続けることに繋がっているのです。

本当にいいものは価格が高かろうと売れるのです。

それを創り出すのは会社にとってかけがえのない『人財』です。

そして、どんな人でも1日は24時間しかありません。

働ける時間に限りがあることを改めて認識し、既成概念を変えていくことが求められています。

大丈夫でいきましょう!

追伸:

早く半沢直樹のドラマの続編を見てみたいですね。

続編に該当する原作の「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」は2冊ともとても面白いです。

ドラマ化によってヒットは間違いなしだと思いますが、未だ続編が制作されるかは不透明なままです。

いろいろ大変なことが起きているのだろうと推察されますが、待っているファンは大勢いると思います。

どうかファンのためにも進めて欲しいと思います。

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