人と会社・企業

時間外労働の上限規制と同一労働同一賃金の実施時期について

中小企業は予定から1年延期する方針

時間外労働の上限規制と同一労働同一賃金の実施時期について、中小企業は予定から1年延期する方針となったようです。

以下引用いたします。

厚生労働省は働き方改革関連法案の柱である時間外労働の上限規制と同一労働同一賃金の実施時期について、中小企業は現行の予定からいずれも1年延期する方針を決めた。
残業規制は2020年度、同一賃金は21年度とする。大企業も同一賃金の適用時期を1年遅らせて20年度とする。
労働者の賃金表を見直すなど企業の準備に時間がかかることに配慮する。
働き方改革法案は残業時間に年720時間までの罰則付き上限規制を設けることや、正規と非正規で不合理な待遇差をなくす同一労働同一賃金の実施、働いた時間でなく成果で評価する「脱時間給制度」の創設が柱だ。
脱時間給制度と大企業の残業規制は予定通り19年4月からとする(日本経済新聞 2018年1月24日)。

みなさんは、これらについてどのように考えますか?

同一労働同一賃金については、改めて説明する必要はないかもしれませんが、念のために以下引用します。

同じ仕事をしていれば正規か非正規かの雇用に関係なく、同じ待遇で報いる制度。
政府の働き方改革の目玉施策の一つだ。
労働者の約4割を占める非正規社員の賃金を増やして成長力を底上げする狙いがある。
2016年末に正規と非正規で基本給や賞与、福利厚生などの扱いについて、許容できる差と是正すべき差を具体例で示したガイドライン案も作った。
政府は給料や福利厚生で不合理な差を設けてはならないとする「均等待遇」と、待遇差についての「説明義務」の2つに重きを置く。
政府は均等待遇を原則として法律に明記するとともに、合理的な理由がある場合の差は容認する。
一方で待遇差についての説明義務を企業に課すことで、従業員に説明がつかない不合理な賃金制度の見直しにもつなげたい考えだ。
同一賃金は欧州で普及している。欧州では仕事の中身に即して賃金を払う職務給制度が定着している。
正社員と非正社員との間の賃金格差も小さい。一方、日本の賃金は企業ごとにばらばらで年功序列型。同一賃金がなじまないとの議論もあった(日本経済新聞 2018年1月24日)。

みなさんは、どのように感じられましたか?

まず、労働者の4割が非正規社員という部分で驚かれる人もいると思います。

これが果たしていいのか、問題なのか、考えていく必要があるでしょう。

そのためにも、そもそも何のための非正規社員なのか、改めて存在意義を考える必要があると思います。

多くの企業にとって「人件費」負担を軽くすることは大切な選択肢でしょう。
(これは、人を大切にする経営からは離れてしまいますが。)

そうした会社にとっては、非正規社員さんを活用することで保たれていた人件費負担の優位性が今後薄れていく可能性があります。

すでに、パートさんも社会保険に加入するようになりました。

パートさんの社会保険について

2016年の10月から、パートで働く人の社会保険加入条件が新たに設けられました。
(それ以前は週30時間以上働く方が加入対象でした。)

以下の5つの条件を全て満たした場合、社会保険に加入することとなります。

1.週の労働時間が20時間以上であること
2.賃金月額月8.8万円以上(年106万円以上)であること
3.1年以上の継続勤務であること
4.従業員501名以上の企業であること
5.学生は除外とすること

さらに2017年4月からは、従業員が500人以下の会社であっても、労使で合意することで社会保険に加入できるようになりました。

「非正規社員」の意義について、これらを踏まえて考えなければなりません。

私は4つの考えがあります。

同一労働同一賃金について賛否両論あると思いますが、私は「人を大切にする経営」を実践するためには大切なことだと思っています。

大切にする「人」とは、非正規社員さんを含めた社員さん(とその家族)、協力会社さん、お客様、地域の人、株主です。

お客様の視点からするとわかりやすいですが、パートさんだろうとその会社の社員さんとして商品・サービスの提供を受けているのです。

非正規社員さんの賃金アップは大切な取り組みです。

ふたつめ・・・人を大切にする会社では、協力会社の社員さんも大切にします

ふたつめですが、人を大切にする会社では、協力会社の社員さんも大切にします。

なぜなら、制服の色が違うだけの社外社員さんであり、かけがえのない存在だからです。

今後「同一労働同一賃金」の対象が非正規社員さんだけでなく、協力会社さんまで広げられないでしょうか。
(もちろん現状は難しいとは思います。)

お客様の視点から見れば、例えその商品・サービスが社外社員さんや協力会社さんが提供したとしても、同じ企業のものとして捉えるからです。

つまり、「同一企業同一責任」なのです。

そこまで広がって欲しいと思います(つまり人を大切にする会社が増えて欲しいと思います)。

3つめ・・・非正規社員という存在の意味がなくなるのではないか

3つめは、これから非正規社員という存在の意味がなくなるのではないかということです。

これも人を大切にする経営の視点からすると「あるべき姿」だと思っています。

現実的には、結婚でやむを得ず会社を退職する人も多いかもしれませんが、「あるべき姿」のひとつの像は、会社を辞めずに子育てに専念することができる会社が多くなることだと思っています(介護も同様です)。

次第に正社員と非正規社員の境目がなくなるようならば、いっそのこと非正規社員というものを見直すいい機会ではないかと思います。

なお、人を大切にする会社では、パートさんが正社員になるケースがとても多いです。

それは、パートさんが子育て中でも起こりえます。
(本人の意思を尊重することはもちろんですが)

4つめ・・・非正規社員さんのモチベーションや生産性アップに繋げていかなければ

最後に、上記の制度が運用されたとして、非正規社員さんのモチベーションや生産性アップに繋げていかなければならないということです。

それを実現していくために大切なのは、最終的には企業の利益です。

我が国の人口は減っていきます。客数も減ることでしょう。

客数≒人口が減っても利益が出る経営を実践するべきなのです。

その意味においても、デフレ経済からの脱却は命題であり、モノの価値を高めていく必要があります。

つまり、「いいものを安く」の経営からの脱却です。

仮に「いいものを安く」の経営を実践している会社でも、社員さん、非正規社員さん、協力会社の社員さんの給料が高ければ問題ありませんが、もし、それらが実現されていなければビジネスモデル自体を考え直すべきでしょう。

人を大切にしてきていない会社は、社会的責任を果たしていないのですから。

そして、いいものをそれなりの価格で販売できるのは「人財」です。

大丈夫でいきましょう!

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