人と会社・企業

報連相は常識だを非常識にすると生産性が3倍になる

「報連相」が機能していますか

報告、連絡、相談は多くの会社で重要だとされています。

みなさんの会社でも徹底されていることでしょう。

企業支援の現場でリーダーにヒアリングすると、「報連相は常識です。できないようでは困ります。」「報連相はビジネスマナーです」と力説される方も少なくありません。

しかしながら、多くの会社で「報連相」は機能しておりません。

実際に報連相が機能していますか?という質問をする「いいえ」と答える会社は少なくないのです。

それは、私の会社で実施している組織風土診断結果でも明確になっています。

これは一体なぜなのでしょうか。

そもそも報連相の目的は何でしょうか?

そもそも、報告・連絡・相談の目的は何でしょうか。

その目的を明確に答えられる人は実はあまり多くありません。

まず、報告、連絡、相談の定義を確かめましょう。

デジタル大辞泉によると以下のように書いてあります。

報告とは・・・告げ知らせること。特に、ある任務を与えられた者が、その経過や結果などを述べること。また、その内容。
連絡とは・・・気持ちや考えなどを知らせること。情報などを互いに知らせること。また、その通知。
相談とは・・・問題の解決のために話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること。また、その話し合い。

つまり、報連相とは「お互いの相互理解」であり、いいことも問題点も含めて、質の高いコミュニケーションを図り、さらにそこから「より良くすること」が本来の目的なのです。

これらのことを踏まえた上で報連相を考えなければなりません。

「報連相」を「強制」しても若手社員にとっては逆効果です。

これまでの弊社はあらゆる企業で組織風土診断を繰り返してきました。

報連相と組織風土について、興味深い傾向をお話しします。

経営者とベテランスタッフさんは、「報連相が徹底している会社ほど社風がいい」と考えています。

報連相は重要であることが「常識」となっている経営者、ベテランスタッフさんですから、当然の結果であると言えます。

しかし、若手スタッフさん(入社3年以内)の結果は明らかに違うのです。

それは、報連相の徹底度と社風の良し悪しに関連性が見られないのです。

報連相が徹底している会社の社風がいいと感じず、むしろ、報連相が徹底されていない会社の方がいい風土だと感じている若手スタッフさんが実に多いのです。

こうした風土の会社では「報連相は重要だ」という「常識」を強制的に押しつけても現場から本当の情報は上がってこないことでしょう。

カイゼンのために・・・報連相が機能するとは、「BAD NEWS FIRST!」が自主的に行われていること

人は誰でも問題点を「見て見ぬふり」をしたくなるものです。

現場の問題点、クレームや失敗したことは言いにくいことです。

その言いにくいことを言ってくれた部下に対して頭ごなしに叱るリーダーをこれまでたくさん見てきました。

リーダーは否定しているつもりはなくても部下は全否定されたように思ってしまうのです。

部下・後輩は報連相の後にこのように思うのです。

「正直に言うんじゃなかった」と。

問題点もあがらず、カイゼンもできませんから、PDCAサイクルが回るわけがないのです。

これが積み重なってしまった組織がどうなったか、みなさんもご存じでしょう(昨今の品質問題を思い出してください)。

真の意味での報告連絡相談が機能するためには、リーダーの傾聴力(傾聴のスキル)が極めて重要です。

本来、言いにくいことほど言わなければならないことです。

いかに言いにくいことを吸い上げることができるかが、優れたリーダーの力量だと言っても過言ではありません。

聞く側(リーダー)が傾聴力(傾聴のスキル)を持っていないと本来の報連相は機能しないのです。

そして、傾聴力は人間力そのものです。

だから、リーダーは人間力を高めることが求められるのです。

そもそも傾聴力とは以下の通りです。

傾聴とは、耳を傾けて、熱心に聞くこと

途中で遮ってしまったり、自分の意見を押しつけることは傾聴の反対の状態なのです。

叱りつけることは絶対にあってはなりません。

部下も人間ですから頭ごなしに怒られたくありませんし、そうならないようにごまかします。

ごまかした報告には現場の本当の情報ではありませんから、カイゼンに繋がりません。

PDCAサイクルは回らないのです。

しかし多くの場合、そのような状態でも上司が気付いていません。

実際にそのようなシーンをこれまでたくさんみてきました。

それをどうやってカイゼンするかですが、そもそも報連相は何のためにあるのかということを改めて考える事が大切なのです。

これが「常識を疑う」ということです。

報連相は常識だを非常識にすると3倍の生産性になる

未来工業さんでは強制的な報連相は一切禁止です。

その代わりに提案制度があります。

一般的な会社の報連相は、リーダーがつい感情的になってしまい、部下や後輩の意見に耳を傾けることができず、自分の思い通りにカイゼンをさせようとする意識に支配されます。

自分の思い通りに部下が動かないといけないという思い込みがリーダーにあります。

部下や後輩が報告しづらい内容については、リーダー(聞く側)に傾聴のスキルが足りないため、なかなか部下からあがってきません。

部下・後輩は、むやみやたらに怒られたくありませんから、見て見ぬふりをし、心を押し殺し、やらされ感、指示待ちになることで自分を守ろうとするからです。

このような状態では本当の情報も上がってきませんし、いつまでもカイゼンに繋がらないことになります。

社員さんは常に受け身ですから組織全体の生産性も低いままです。

こうした状況では、自主性と責任感がある部下が育つことも難しいのです。

報連相のそもそもの目的は質の高いコミュニケーションです。

それは強制的に実施するものではなく、自主的に行われることが原理・原則なのです。

一方、提案制度は自主的に問題点を見つけて改善まで考えるものです。

だから、当事者意識そのものです。

さらに、自分の提案が会社や仲間、お客さまの役に立ったことでやりがいを感じられるものなのです。

この部分に気がついている会社が生産性の高い「人を大切にするいい会社」をつくっていきます。

なお、我が国企業の経常利益率の平均は、小規模企業1.19%、中堅企業2.42%、大手企業4.51%です(中小企業白書より)。

「人を大切にするいい会社」では、これらの3倍以上の経常利益をたたき出すのが「普通」です。

報連相は常識だを非常識にすると3倍以上の生産性を発揮するのです。

これまでの「常識」を疑うこと、これまでの思考の癖・習慣を捨て去ることがいい社風づくりには不可欠です。

人を大切にするいい会社の代表とも言える未来工業さんでは強制的な報連相は一切禁止です。

部下からの自主的な報告、連絡、相談に関しては日常行われています。

そのために、上司が部下に対して積極的にコミュニケーションを取り、現場の情報を吸い上げています。

ここに逆転の発想が活かされています。

トヨタ自動車では「BAD NEWS FIRST!」が原則です。問題点を言ってくれた、或いは苦言を呈してくれた部下に対して上司は叱りません。

逆に「良く見つけてくれた」と褒めるのです。

カイゼン(より良く)は問題点を見つけることからスタートします。

多くの人が誤解されていますが、いい会社ほど問題点がたくさん出てきます。

なぜなら、問題点に気付き、見て見ぬふりをしない人財が多いからです。

かつ、自主的な報告や連絡、相談が機能する組織風土になっています。

「BAD NEWS FIRST!」が徹底できている会社ならば、昨今の品質問題も防げたことでしょう。

組織で「BAD NEWS FIRST!」機能させるためには、リーダーに傾聴力が求められます。

みなさんの会社がより良くなるために、少しでも参考になれば幸いです。

大丈夫でいきましょう!

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