人と会社・企業

リーダーは裸の王様になっていないか

事件の本質はみな同じ・・・力のあるリーダーは常に裸の王様になる危険がある

森友問題、品質偽装問題、女子レスリング伊調馨選手へのパワハラ問題、いじめの問題・・・がっかりしてしまうような事件ばかり起きています。

これらについて今日は組織論の観点から考えてみたいと思います。

私は問題の本質がみな全く同じだと思っています。

それをズバリ申し上げます。

敢えてこのような例えをすることをお許し願いたいのですが、組織のリーダーが「裸の王様」になってしまっていることです。

リーダーに現場や当事者の正しい情報(ダイレクトな情報)が伝わっていないことが大問題なのです。

現場や当事者の情報は問題点(BADNEWS)も多い訳ですが、どういうわけか何らかの手が入って加工されたり、削除されたりした後に、リーダーに伝えられているように見えるのです。

リーダーはいつの間にか裸の王様になってしまうことで、組織が正しく機能しなくなっているのです。

裸の王様とは大辞林によりますと以下のようになります。

裸の王様とは[アンデルセン童話の題名から〕
直言(ちょくげん)する人がいないために、自分に都合のいいことだけを信じ、真実を見誤っている高位の人を揶揄する表現。 「理事長は今や-だ」

組織論の話が続きます。

公式の組織というものは、組織の共通の目的と組織を構成するスタッフの貢献意欲とコミュニケーション(双方向であることがポイント)が機能していることが必須です。

しかし、リーダーに都合の良い情報ばかり伝わることで、これらが機能しなくなってしまうのです。

特に、コミュニケーションが図れなくなっていきます。

コミュニケーションの源となる情報には、良い内容のものも聞きたくないような内容のものもあります。

それらが当事者同士でやり取りができてはじめてコミュニケーションが成立するのですが、特に問題点のやり取りができていないように見受けられるのです。

問題点は見て見ぬふりをされ、良い情報ばかりではカイゼンする必要性も薄れますので、組織はいつまで経っても良くなりません。

森友問題も、品質偽装問題も、女子レスリング伊調馨選手へのパワハラ問題も、いじめの問題も、組織のリーダーに「BAD NEWS」が集まりにくいという点で共通しているのです。

「良いことだけの忖度(そんたく)」がリーダーを裸の王様にさせる

実力のあるリーダーは権力が自分に集中するようになります。

すると、どんどん力を付けていくリーダーに対して、周りは苦言を呈することができなくなるケースが多いです。

「BAD NEWS」は排除され、良い情報ばかりがリーダーに集中してしまうこともあるでしょう。

リーダーは自分の思い通りに事が進むことが当然だと思ってしまうでしょう。

この状態がとても危険なのです。

リーダーは思わず、部下・後輩の提案に対して、否定をしてしまうことがあります。

苦言を呈する部下や後輩は排除までされてしまうこともあるのです。

なお、会社の組織は軍隊ではありませんが、上司の命令がすべてだという軍隊型の組織をイメージしている方も少なくありません。

そういった組織において、部下・後輩は自分の心を押し殺して忠実に勤務するわけですが、そのような組織に発展も明るい将来もありません。

人は誰しもそうなってしまう可能性があることを踏まえて欲しいと思います。

致命的なのはリーダー自身が気がついていないことが実に多いこと

人と人が集まる組織である以上、こう言った問題は常に起こりうると考えるべきだと思います。

会社組織の場合、社員さんは風通しの良い組織風土を求めています。

ところが、リーダーが求めているのはその反対であることが少なくないのです。

自分の思った通り、言ったとおりに動く社員=モチベーションが高いと勘違いをしている方もいます。

それは決定的に違うのです。

モチベーションの高さはむしろ反対です。

リーダーの言ったとおりに忠実に行っていたら、部下・後輩の自主性は崩壊します。

だから、リーダーにはやるべきことがあるのです。

それは、組織が正しくあるために、問題点や苦言を呈する部下を大切にすることです。

それができるのが真のリーダーです。

苦言を呈する側近がいた

昨年4月、(株)カイゼン・マイスター小森治社長のインタビューが週刊東洋経済に掲載されました。

記事の内容を紹介します。

トヨタ自動車の歴代社長は、苦言を呈する側近が必ずおりました。

「BAD NEWS FIRST!」をいかにトヨタが大切にしているかがわかります。

公式組織は、リーダー自身の感情よりも、組織としての判断が重視されます。

つい、自分のやりたいように進めてしまい、それができなくなってしまうのが人間なのです。

気心知れる間柄の人間が組織にいるのは大いに結構ですが、苦言を呈することができなければ組織として機能しないのです。

近頃起きている問題も、苦言を呈する側近がいたかどうかが大きなチェックポイントです。

もし、そういった存在の方がいれば、ほとんどのことが未然に防げたはずなのです。

今後、こういったことを防止する組織をつくるためにも、苦言を呈する側近をおいて欲しいと思います。

ぜひともいい組織作りの参考として欲しいと思います。

問題点を自ら見つけてカイゼンすること

多くの方が誤解されていることがあります。

それは、いい会社組織は問題点など出ないと思われていることです。

いろいろな会社を現地・現物・現認で見てきたからこそ断言いたしますが、むしろ反対です。

いい会社ほど問題点がたくさん出てきます。

そして、見せかけのいい会社(つまり悪い会社)ほど問題点が出てこないのです。

それは、いい会社には、自ら積極的に問題点を見つけ、カイゼンできる人財が圧倒的に多いからです。

問題点を速やかに見つける社風ができているからです。

例えば、日本一社員さんが幸せと言われている未来工業さんでは、「提案制度」が機能しています。

この提案制度は、問題点を自主的に見つけることからスタートします。

つまり、問題点がたくさん出てくるわけです。

そして、提案はどんな内容を書いても構いません。

質より量が徹底されているのです。

しかし、ほとんどの会社および組織は「質」を求めようとします。

それもかなり高い質です。

質が満たされていなければ、上司から否定されます。

それでは部下・後輩が萎縮しますし、自主性も育たないのです。

言わなければならないことを放置しない組織作り

自分の言いたいことを言いあえる組織は確かに理想であり、目指すべきです。

しかし、むしろ目指さなければならないことは「(部下・後輩が)言わなければならないこと」を言える組織をつくることです。

それができない組織に明るい将来はありませんが、多くの会社や組織でそれらは「見て見ぬふり」をされています。

だからこそリーダーは、問題点を提起したり、苦言を呈したりする側近や部下を大切にするべきなのです。

そして、自分の思い通りに行かないときに感情をコントロールすることを身につけるべきです。

それが素晴らしい組織のリーダーになるために不可欠な取り組みなのです。

リーダーは決して裸の王様になってはいけません。

働く誰もが明るい将来を目指せるよう、いい組織をつくっていきましょう。

大丈夫でいきましょう!

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