人と会社・企業

ワーク・ライフ・バランスを進めるための多能工化

生産性を高め社員さんを幸せにするワーク・ライフ・バランスとそのための多能工化

ワーク・ライフ・バランスは、もはやどんな業種でも、どんな会社でも進めていかなければならないものです。

なぜなら、無駄がなくなり、生産性が向上するからです。

もちろん、休みも取りやすくなりますし、待遇面で向上すれば社員さんのモチベーションアップに繋がります。

働き方改革にも直結するワーク・ライフ・バランスを実現するためには、仕事のムラを無くさなければなりません。

そのためにも、多能工化を進めていきましょう。

多能工化についてはこれまでも述べてきましたので参考にしていただければ幸いです。

トヨタでは「仕事のムラ」を少なくするため、昔から「多能工」という働き方が推奨されてきました。

「多能工」とは特定の業務を特定の人が担当するのではなく、特定の業務を様々な担当者で行うことです。

そうすることで、誰が担当しても仕事が進みますし、多様な視点が入っていきますので改善提案も活発になっていくのです。

その総和によって、ワーク・ライフ・バランスは進んで行きます。

今日はそこに到達する前段階の大切な部分について述べたいと思います。

目的を明確にし、かつ、先入観をなくすこと

そもそも、何のためにワーク・ライフ・バランスを進めるのか、目的を明確にすることがとても重要です。

かつ、その目的を組織全体で共有することが第一歩です。

また、目的を達成するための具体的な目標を明確にして、共有することも重要です。

このように、ワーク・ライフ・バランスは、共通の目的を持ち、貢献意欲あふれた社員さんがコミュニケーションを図りながら進めていくものです。

つまり、共通目的、貢献意欲、コミュニケーションが高いレベルで機能する組織風土を作ることで実現していきます。

その反面で、自分自身の先入観を取り除くことが求められます。

それは厳しさと言ってもいいかもしれません。

その厳しさとは、みんなで決めた目標達成のために、自分自身が新しい仕事や他の人の仕事を覚えようとすることです。

多能工を進めるためには、大げさかもしれませんが、勇気を持って、自分自身が深い傷を負う覚悟で前に進まなければならない状況があります。

多くの人が自分の仕事だけをずっと極めていくことを理想として持っています。

それを1度壊すわけです。

現場では「あの仕事はあの人じゃないと」といった言葉も聞かれます。

それらはプラスの意味も多いですが、「その人しか出来ない仕事」は会社にとっては大きなマイナスなのです。

そのような気持ちになる要因を分析すると、先入観であったりすることも多いのです。

1度その気持ちを取り除いて、挑戦することが大切なのです。

仕事を見える化すること

「多能工」で注意すべきなのは、単に「多能職」の人を増やしたり、グループを作ったりするだけではありません。

誰が何をどこまで進めているかが分からなければ、せっかくの多能工も統率が取れなくなってしまいます。

それゆえ、コミュニケーションを活発にするために「見える化」することを併せて考えなければなりません。

組織風土に関して言えば、お互いの仕事が見えるようにするために、自分ができることを考えるのです。

また、併せて平準化と標準化の考え方も押さえてください。

基本的には誰が実行しても同じ質のサービスが提供できるようにすることです。

平準化:数値化できるものに対してバラツキの無いように進めること
標準化:規格化できるものに対してバラツキの無いように進めること

人事評価制度と連動させること

多能工化は、人事評価制度と可能な限り連動させることが必要です。

「多能工になればなるほど評価され、給料に反映される」という形にすることが大切です。

そうしないと、「どうせ同じ給料なのだから、そんなにたくさんの仕事を担当したくないです」と不満が出てきてしまいます。

「自分ばかりが損な役回りをしている」という気持ちにならないよう、評価制度と連動させることが大切です。

代表的なものは、スキルマップであり、トヨタでは星取表と呼ばれるものです。

スキルマップについては、こちらでも紹介してあります。

また、提案制度とも連動し、会社の中でネック工程になっている部分を自主的に見つけてカイゼンすることも重要です。

こうした取り組みこそが真のワーク・ライフ・バランスを実現することに直結するのです。

自主的に仕事を覚え、行動する人がお客さまからも会社からも高い評価を得られるのは自然なことです。

横展開をすること

「多能工」の働き方を実践する場合、ある業務で改善が進んだらそれを横に展開することが極めて重要です。

そうすることで成功体験やノウハウが全社に広がっていくわけです。

これをトヨタでは縮めて「横展(よこてん)」と呼んでおり、何か成功事例ができるとすぐ「じゃあそれを早速横展しよう」というような指示が出るのです。

横展開を図るための場づくりも必要です。

また、組織を繋ぐ役割の人も必要になってきます。

横展開は会社全体でワーク・ライフ・バランスを実現していくためにも不可欠です。

例えこまぎれ時間でもいつやるか具体的に決める

多能工化を図るための時間に関するポイントは、「計画的に実施すること」と「すきま時間やこまぎれ時間を活用すること」です。

これに尽きます。

時間の計画に関しては以下のふたつです。

〇いつまでにこの仕事を覚えるという期限を決めること
〇(期限までに仕事を覚える訳ですが)具体的にいつ覚えるのかという時間を明確にすること

すきま時間やこまぎれ時間は、未来に繋がる大切な時間です。

「緊急性は低いけど重要な時間」なのです。

確実に捻出できるよう計画を立てましょう。

「時間があるとき」にしてしまうと、少し忙しくなってくるだけでやらなくなってしまうからです。

計画して、確実に実行することがとても大切です。

ほんの少しの時間(1日のうちの10分でも)でも毎日積み上げることができれば、必ず大きな成果となります。

計画的に実施するために、5W2H(いつ、どこで、誰が、何を、どのように、いくらで、なぜ)を意識して、具体的な目標を立てていきましょう。

「緊急性は低いけど重要な時間」は、1日10分でもいいのです。

すき間時間は、積み上げることで大きな力となります。
(1日10分でもスタッフさんの数が約60名ならば、1日の合計時間はなんと600分(10時間)になります。)

1ヶ月やってみるだけでも相当のことができるはずです。

まだまだ入口部分ですが、少しでも参考にしていただければ幸いです。

続きはまた述べたいと思います。

大丈夫でいきましょう!

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