スポーツ

大谷翔平選手と評価者が陥りやすい心理的誤差傾向

二刀流の大谷翔平選手、日本人最速・最年少で週間MVPに

海の向こうではメジャーリーグが開幕しました。

大谷翔平選手が投打に大活躍し、なんと週刊MVPに選ばれました。

メジャーリーグの開幕前には賛否両論あった大谷翔平選手でしたが、見事にそれらを吹き飛ばしてくれました。

やはり、大谷選手はただ者ではありません。

以下、日本経済新聞を引用いたします。

【ニューヨーク=共同】米大リーグは9日、週間MVP(2~8日)を発表し、ア・リーグでエンゼルスの大谷翔平選手(23)が同制度が始まった1975年以来初めて投打の「二刀流」選手として受賞した。
日本勢としては23歳9カ月は最年少で、メジャー1年目の4月上旬の選出は過去最速となった。
大谷選手は該当期間に、本拠地初登板となった8日のアスレチックス戦で7回を1安打無失点、12三振を奪う力投で開幕2連勝とした。
打者としても3日から3試合連続で本塁打を放つなど打率4割6分2厘、3本塁打、7打点をマークした。
球団を通じ「選ばれて光栄です。支えてくれた球団スタッフとチームメートに御礼申し上げます」とコメントした。
週間MVPは95年6月に野茂英雄投手(ドジャース)が日本勢で初受賞した。
直近では2016年8月にマーリンズ在籍時のイチロー外野手(マリナーズ)が日本人最多の5度目の選出を果たしている。
ナ・リーグは完封を含む2勝を挙げたパイレーツのジェームソン・タイロン投手だった(日本経済新聞 2018年4月10日)。

大谷翔平選手と言えば、二刀流です。

我が国の評論家の多くがメジャーリーグに行ったら通用しないと言っていました。

大谷選手は、そういった評価をたったの1週間で見事に吹き飛ばしてくれました。

まさに、「あっぱれ」です。

その「あっぱれ」について、今日は組織論と人事考課の観点から述べたいと思います。

4月8日の放送で「あっぱれ」を出さなかった張本勲さん

日曜日の朝はサンデーモーニングというTBSの番組があります。

その中のスポーツコーナーで、野球解説者の張本勲さんが「あっぱれ」と「喝」を出す名物コーナーがあります。

先週日曜日のサンデーモーニングでは、張本勲さんが大谷翔平選手の活躍に対して「あっぱれ」を出さなかったという報道がありました。

野球評論家の張本勲氏(77)が、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手(23)の3試合連続ホームランについて「まぐれ」などとテレビ番組で発言したことに、ネット上で「素直に喜べんのか」との批判が上がっている。
張本氏は、2018年4月8日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)の名物コーナー「週刊・御意見番」に生出演。投打に活躍を続ける大谷選手について、辛口コメントを連発した(J-CASTニュース 2018年4月8日)。

多くの方が「厳しすぎる」と思っているようです。

この報道を受けて、私はある意味、張本さんらしいと思いました。

張本さんは超一流のバットマンであり、専門家だからこそ厳しく見ているのです。

認めないと言うことは、逆に相当のレベルを大谷選手に期待していると思います。

張本勲さんはすごい選手でした

その前に誤解の無いように申し上げておきます。

私は張本勲さんのことを野球人として尊敬しています。

長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督や王貞治福岡ソフトバンクホークス会長らと共に、日本のプロ野球を支えられた方だからです。

私が小学生1年生の時にテレビを見ると、巨人軍で王選手とクリーンナップを組んでいた張本選手が映っていました。

野球小僧だった私は、力が抜けたような構えから、右に左にヒットを量産する張本選手のスプレー打法(広角打法)に憧れたものです。

その後ロッテに移籍され、3000本安打を見事ホームランで達成されました。

その後、大分後になってからですが、王選手との友情の話をうかがい、感激のあまり涙したこともあります。

張本さんの記録はすごいです。

3085安打は日本プロ野球界の金字塔であり不滅の記録です。

また、504本塁打と319の盗塁を達成している方です。

さらに、16度のシーズン打率3割は史上最多、かつ、史上最長の9年連続打率3割の記録保持者でもあります。

引退後は解説者として各方面で活躍されています。

張本さんは実直で歯に衣着せない発言も多いため、大きな誤解が生じやすいことも確かでしょう。

張本さんのことを知らない世代も増えてきているでしょうからなおさらかもしれません。

ここで伝えたいことは、偉大な打者だったからこそ厳しく見ているということです。

だからこそ、心理的誤差傾向が生じていると考えられるのです。

偉大な打者だったからこそ、心理的誤差傾向が生じているのでは

張本さんは、バッティングが自分の得意分野だからこそ、極めて厳しい評価をしているのだと思います。

それを「心理的誤差傾向」と言いますが、今回のケースでは、特に厳格化傾向と対比誤差というものが現れていると考えられます。

厳格化傾向
寛大化傾向の逆で、全体的に評価が厳しくなる傾向をいいます。また、評価者がその分野に精通している場合は、どうしても他の人のことを厳しく見てしまう傾向にあります。例えば、評価者がその部下のことをあまり気に入っていなくて、なおかつ評価者の得意分野での評価の場合は、極めて厳しい評価がなされてしまうケースがあります。

対比誤差
絶対的な基準が評価者自身であり、評価者の得意不得意によって過大あるいは過小評価をしてしまうことです。 概して、自分ができないことができる人にはいい評価を、自分の専門的な分野の評価に関しては厳しい評価をする傾向にあります。例えば、評価者が営業のプロフェッショナルならば、同じ営業をする部下・後輩の評価を厳しくする傾向があります。対比誤差は、逆も起こりえます。

リーダーの心理的誤差傾向については、以下の記事も参考にしてください。

いかがでしょうか?

まさに打撃の専門家であり超一流のバットマンの張本さんだからこそ、無意識のうちに評価が厳しくなっているのだと思います。

ピッチャーの成績にまで厳しい傾向も認められるのは、逆のハロー効果が発生してるかもしれません。

なお、張本さんは、大谷選手を気に入っていない訳はありません。

それは間違いなく断言できます。

むしろ、プロ野球の後輩として、大いに期待されていると思います。

今度の日曜のサンデーモーニングでは、週刊MVPを獲得した後の放送になりますから、「あっぱれ」が出るかもしれませんね。

評価の際には心理的誤差傾向に気をつけましょう。

人の評価には、心理的誤差傾向というものが現れます。

特にリーダーが人事考課をされる際には、この点に気をつけなければなりません。

そもそも、評価というものは、部下・後輩の本質的なモチベーションを高めるために行うことが本質です。

そのために、公平・公正に評価をしなければならないのですが、無意識に沸き上がる「心理的誤差傾向」が大きく邪魔をするのです。

人には誰しも得意不得意があり、好き嫌いもあります。

それは、無意識のうちに発生するものなのです。

そして、人は、その無意識に発生したイメージで、人を評価してしまうのです。

会社においては、評価者がそのようなことがないよう常に配慮する必要があります。

これまでの企業支援の経験から申し上げると、「自分はそんなことない」「心理的誤差傾向なんてない」と言うリーダーほど危ないです。

そういう評価者に限って、モチベーション・ブレイカーになってしまうケースが多いのです。

つまり、自分の価値観や感情を部下・後輩に一方的に押しつけてしまい、モチベーションを下げてしまっているケースです。

しかも、リーダーはそうなっていることに気がついていません。
(これはパワハラに通じる部分でもあります)

大切なのは、誰もがそうなってしまう可能性があると考え、無意識を有意識に変えて注意することなのです。

繰り返しますが、評価自体はそもそも、評価される部下・後輩の本質的なモチベーションを高めるために行います。

この目的は、絶対にぶれてはならないのです。

モチベーション・ブレイカーについては以下の記事を参考としてください。

再び大谷翔平選手について

この時点ですごいことをやってのけた大谷選手には尊敬します。

オープン戦での辛辣な評価を一気に吹き飛ばしてしまいました。

見事に結果で証明されたのです。

もちろん、長いペナントレースですから、調子を落とすこともあるでしょう。

その時に、再び手のひらを返すような評価も与えられてしまうかもしれません。

しかし、そんなものもさらに吹き飛ばしてしまうことでしょう。

それを乗り越えるだけの才能を持ち、かつ、発揮させるだけの努力を積み重ねられると思うからです。

シーズン終了時にはものすごいことになっているのではないでしょうか。

これからがますます楽しみですね。

怪我だけは気をつけて欲しいと思います。

大丈夫でいきましょう!

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