人と会社・企業

19歳の警察官が指導役で上司の警察官を撃ってしまう

若い警察官が上司で指導役の警察官を撃ってしまう事件

警察官によって警察官が撃たれるといったとんでもない事件が起きました。

亡くなられた方に対して心より哀悼の意を表します。

ご家族のご悲観はいかばかりかと存じます。本当に言葉が出ません。

以下、日本経済新聞の記事を引用いたします。

滋賀県彦根市の交番でA巡査部長(41)が射殺された事件で、殺人容疑で逮捕された男性巡査(19)が指導役のA巡査部長に不満を持ち、「怒鳴られたからやった」と供述していることが12日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、巡査は「(A巡査部長は)厳しかったが、きちんと指導してくれた」とも供述。ともに3月26日から交番で勤務し、県警が動機を調べている。
県警によると、現場の河瀬駅前交番に設置された防犯カメラ映像には11日午後7時47分ごろ、机に向かい執務中のA巡査部長が突然前方に倒れ、直後に巡査が正面のドアから出て行く様子が写っていた。巡査部長の主な死因は頭部を撃たれたことによる脳幹部損傷で、ほぼ即死状態だった。
巡査は貸与された拳銃で「背後から撃って殺したことに間違いない。(A巡査部長は)いすに座ったまま前に倒れ、ぴくりともしなかったので死んだと思った」と説明。パトカーで逃走したと供述している。
巡査は、12日未明に身柄を確保された際、現金約50万円が入った財布を持っていた。県警は逃走資金を用意した疑いもあるとみて、事件後の足取りを捜査している。
巡査は昨年4月に採用。今年1月、警察学校の初任科を修了し、彦根署管内の別の交番を経て、3月26日から河瀬駅前交番に配置された(日本経済新聞 2018年4月12日)。

日経新聞には被害にあわれた方の実名が入っていましたが、匿名とさせていただきます。

事件の続報も入ってきています。

県警によると、巡査は身柄を確保された際、現金約50万円を持っていた。交番に置いてある公金ではなく、逃走資金として用意した疑いがあるという。
目撃者や捜査関係者によると、11日午後8時前後、現場の河瀬駅前交番近くのコンビニで、警察官がATMを利用していた。駐車場にはパトカーが止まっていた(日本経済新聞 2018年4月13日)。

容疑者のプロフィールもわかってきています。

県警関係者などによると、巡査は大津市内の公立中を経て県内の公立高に進学。3年時には野球部のレギュラー選手として夏の甲子園の地方大会に出場した。昨年4月の採用前には、県警が開催する鑑識作業などの体験行事に参加していた。関係者は「警察官になる前から強い憧れを持っていたようだ」と話した(日本経済新聞 2018年4月13日)。

絶対にこれはあってはならない事件です。

私は容疑者の行動を知り、人ごととして考えられませんでした。

それについて、以下述べたいと思います。

ここまでわかっている新聞記事からポイントを2点ピックアップします。

〇拳銃を使って背後から2発撃った
〇被害者と容疑者が出会ってまだ2週間ほどだった

「拳銃を使って背後から2発撃った」と言う点について述べます。

容疑者は、被害者と揉み合いになった訳ではありません。

背後から撃ったのです。

もし仮に、犯行に及んだ動機が「きつく怒られた、叱られた、怒鳴られた」等のことであったとしても、引き金を弾く行為に及ぶまでにはいくらかの時間があったはずです。

容疑者に感情のコントロールができるだけの時間はあったはずなのです。

実際に拳銃を使う時はどのような状況だったのか考えました。

以下、どちらだったでしょうか。

〇自分の感情がコントロールできずに怒りの感情に身を任せて引き金を引いたのか
〇割と冷静に拳銃の引き金というリセットボタンを押したのか

私は当初、前者だと思っていました。

しかし、冷静に考えると、後者だったのかもしれない気持ちになっています。
(引き金を弾くまでに、いくらかの時間があったと推察されるため)

通常、人を背後から拳銃で2発撃ったら、どうなってしまうか想像できます。

しかし、容疑者は「こうなったらこうなる」と予測することができなかったのです。

また或いは、想像ができたからこそ2発撃てたのかもしれません。

ということは、明らかに命を奪うつもりだったと思われても仕方ありません。
(「頭が真っ白になって撃った(京都新聞 2018年04月12日)」という供述もあるようですが)

見方を変えれば、頭と背中の両方に撃つほどの落ち着きがあったのかもしれません。

「超むかついた。許せない」とする一瞬の感情、思いつきを達成するために、引き金を弾く瞬間だけ割と冷静だったのかもしれません。

たった2週間の付き合いで人の命を奪うほどの怒りがこみ上げてくるものでしょうか

ポイントとしてあげたふたつめについて考えます。

人の命を奪う行為は、どんな理由があるにせよ「異常」です。

容疑者は3月26日に配属されました。

まだ2週間足らずの関係で人の命を奪うところまで「異常」な事態になるのでしょうか。

仮に、許せない感情が大きくなったとしても、反対にその異常な事態を回避するように感情をコントロールするのが人間だと思います。

容疑者は、それが無かったように見受けられるのがとても気になります。

「(A巡査部長は)厳しかったが、きちんと指導してくれた」という供述もあるからこそ、普通はコントロールできるはずなのです。

容疑者は計画的ではなかったと思います

容疑者のその後の行動をみると、計画的ではなかったと思います。

むしろ、とても幼稚に見えるのです。

〇交番のカギを閉めた
〇パトカーで逃走した
〇50万円の現金をATMで降ろした

明らかに計画的な犯行ではなく、「その都度思いついたことをそのまま行動に移している」としか思えません。

もし、その中に「引き金を弾く」という行為も含まれているとしたらどうでしょうか。

私は、とても納得がいきます。

また、容疑者は日頃から優先順位が付けることが苦手だったのではないかと考えます。

だから、その都度思いついたことを何も考えずに行ってしまうのです。

私は、容疑者の彼が特別ではないと思っています。

容疑者の彼は、希望を持って警察官になっているのです。

正義感は、普通の人よりもむしろ強く持っていると思うのです。

それが、2週間の中の「上司からの指導」によってこのような事態を引き起こしてしまいました。

一瞬のうちに、目先のことに囚われてしまったのです。

人の命を奪うという疑似体験が携帯電話のゲームでも簡単にできてしまう世の中です。

答えがワンクリックやワンタッチで導き出せる世の中です。

そんな感覚で引き金を弾いてしまったのではないかと思うのです。

私たち大人が変わっていかないと、若者も子供も変わらない

そのような若者を育成しているのは私たち大人です。

そして、部下を厳しく指導することに対して、「何でもかんでもパワハラは駄目だ」という風潮に釘をさすべきだと思います。

今回の場合は特にそうですが、警察官は、市民の安全を守ることが最も重要な使命です。

厳しく若手の警察官を指導して欲しいという市民のニーズはきっと少なくないでしょう。

「凶悪犯に立ち向かうためには、甘い気持ちではいけない」と思う市民も多いでしょう。

厳しい指導のすべてが「パワハラだから駄目だ」としてしまったら、市民の安全は守れないと思います。

私は若者が社会に出てから感じるストレス等に耐えうるだけの教育や訓練を小さいときから受けてこなかったと考えるべきだと思います。

反対から言えば、「私たち大人がそういった教育(家庭でも学校でも地域でも)を子供たちにしてこなかった」と考えるべきだと思います。

私は日頃の企業支援や新入社員研修等の経験を通じて、強くそのように感じます。

お客さまは待ってくれません。容赦なく社員さんにストレスを与えます(今の風潮では、これも何らかのハラスメントになるでしょう)。

お客さまに「社員にストレスを与えないでください」と言える世の中には今後もならないと思います。

だから、私たち大人が変わっていかなければならないのです。

今の若者が駄目なのではなく、私たち大人が駄目なのです

この事件は、私たちの今の世の中を象徴するものだと実感しています。

こうした若者を育てているのは私たち大人であることをまず認識すべきです。

「今の若者は駄目だ」という人も多いですが、それを何遍唱えても解決しません。

本質は、私たち大人が駄目だということなのです。

本当の意味で若者や子供たちのためになる教育、若者(子供)たちが社会に出て役に立つ教育をするために、私たち大人が変わっていかなければならないと思います。

これから若者や子供たちは、ますます減っていきます。

私たち大人が変わらなければ。

続きはまた述べたいと思います。

大丈夫でいきましょう!

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