人と会社・企業

中小企業景況感の悪化と深刻な人手不足

1~3月期の中小企業景況調査が再びマイナスに

静岡県の1~3月期の中小企業景況調査について、気になるNEWSが入ってきました。

以下、日本経済新聞の記事を引用いたします。

静岡県信用金庫協会(静岡市)は1~3月期の中小企業景況調査をまとめた。
景気動向指数(DI)は2017年10~12月期比で6.1ポイント低下のマイナス2.2だった。
人手不足や原材料費の高騰が響いた。
調査は県内12信金が合同で1134社を対象に実施。1123社から回答を得た。
DIは17年10~12月に05年10月の調査開始以来初めてプラスに転じたが、再びマイナスに戻った。
地域別では東部が8.1ポイント低下のマイナス12.0、中部が13.0ポイント低下のマイナス6.3、西部が3.6ポイント低下のプラス3.9と総じて悪化した。
業種別にみると、4.6ポイント上昇の小売業を除き悪化した。
卸売業が21.9ポイント、不動産業が14.0ポイント、サービス業が7.2ポイントの低下だった。
企業からは「仕入れ価格が上昇」(東部・卸売業)、「(仕入れ価格上昇を)販売価格に転嫁できない」(中部・小売業)のほか、「受注はあるものの人手が不足」(西部・製造業)との声が上がった(日本経済新聞 2018年4月14日)。

これまでの報道では、「景気は良くなっている」という内容のものが目立ちました。

確かに、大手企業および上場企業は業績が好調であり、景気がいい状態だと言えると思います。

これは間違いのないことです。

昨年末は、中小企業も景況感が良かったという調査結果もありました。

しかしながら、現実的には景気回復の実感がない人も決して少なくありません。

これも現実なのです。

また、主婦の8割が景気回復を実感していないという結果もあります。

多くの方が報道と現実のギャップに違和感を覚えていると思われます。

そのようなことがなぜ起こるのでしょうか。

報道と現実のギャップはなぜ生まれるのか

その要因は、圧倒的な情報量の差です。

報道の部分ではでは、どうしても大手企業の動向が多くなります。

ところが、現実は、我が国の企業(事業所)の99.7%が中小企業であり、働く人の7割が中小企業で働いています。

極端なことを言えば、新聞紙上やテレビ等で知らされるほとんどの企業情報は、わずか0.3%の大手企業のものなのです。

中小企業は我が国の付加価値の半分以上を占め、イノベーションの担い手でありながら、なかなか現状が報道されません。

だからこそ、政治を司る方々は現地・現物・現認で中小企業を見て欲しいのです。

安倍首相が大阪の中小企業を視察されたそうです

そうした中で、うれしいNEWSもありました。

安倍首相が大阪の中小企業を視察されたと言うことです。

以下、日本経済新聞の記事を引用いたします。

安倍晋三首相は13日、大阪府東大阪市を訪れ、中小企業を視察した。
残業せずに生産性の向上を進めている工業用温度計の製造現場を見学。政府の働き方改革に触れ「中小の生産性革命を進めていくなかで、経済の好循環を作り出していきたい」と強調した。記者団の質問に答えた(日本経済新聞 2018年4月14日)。

大変失礼ないい方になってしまったら申し訳ないのですが、国のトップリーダーが中小企業に対して現地・現物・現認をされたことが私はとてもうれしいのです。

リーダーは絶対に「裸の王様」になってはいけません。

現場で何が起きているか知らなくては、いい判断ができるはずがないからです。

そのために、やるべきことはふたつです。

ひとつは、リーダー本人が現地・現物・現認をすることです。
(それゆえ、この度の記事の安倍首相は素晴らしいと思います。)

ふたつめは、周りが「変な忖度をしないこと」です。

「変な忖度」とは、「GOOD NEWS」だけ報告して「BAD NEWS」を握りつぶしてしまうことです。

正しい忖度とは、「BAD NEWS」も含めて、その人のために進言をすることです。

いい組織には、敢えて苦言を呈する側近・部下が必要なのです。

安倍首相の側近の方々が「BAD NEWS FIRST!」を徹底することが正しい忖度だと思います。

もうひとつリクエストですが、その具体的な行動として、ぜひとも、状況が良くない中小企業の現状も見て欲しいと思います。

例えば、平日の夜に地方の飲食店に行けば、どれだけ景気が良くなっていないかが肌でわかると思います。

政治を司る方々には、一度でも中小企業に足を運んで欲しい

安倍首相だけではありません。

政治を司る方々は、一度でも中小企業に足を運び、社員さんと接して欲しいと思います。
(学校の先生方もぜひお願いしたいです。)

なぜなら、中小企業で働く人たちは、国民そのものだからです。

国会も未だスキャンダルだらけで、何のための国会なのかわかりません。

本質部分が全く語られていないような気がしてなりません。

本質とは、私たち国民の生活のことです。

スキャンダルよりも、国民の生活のための政策を徹底的に議論して欲しいと願っている人は私だけではないでしょう。

申し訳ないですが、そんなことをしている時間はないのです。

どうか、よろしくお願いします。

私も中小企業景況感は決して良くなっていない実感。人手不足は極めて深刻。

冒頭の記事の話に戻ります。

中小企業支援の現場にいる私としては、冒頭の報道は現実に近く、納得できる部分が多いです。

景気の状況については、弊社クライアント企業の社長や社員さんに常にうかがっています。

全体研修や個別ヒアリング等の機会を使ってダイレクトにうかがいます。

かなりの人数になります。

これまでうかがった方の人数は数百名に及ぶかと思いますが、「良くなった実感がある」と超えられた方はごくごく少数です。

ありがたいことに増収増益を記録している会社も多いですが、そうした会社の社長や社員さんでさえ、「景気が良くなった実感がある」と答えられる方は少ないのです。

むしろ、価格に対する要求は厳しくなっていますとお話になる社長や社員さんも多いのです。

増収増益が実現できている要因は、社長と社員さんの必死の努力なのです。

懸命な努力なのです。

景気が良くなったからと言うわけでは決してありませんので、ここは注意が必要です。

また、反対に、人手不足を懸念される方がとても増えています。

現在、最も大きな問題となっていると言っても過言ではありません。

人口減少、人手不足はまったなしです。

統計でも中小企業の6割で深刻な人手不足であるという結果が出ていました。

この問題は、極めて深刻です。

特に若者に関しては、静岡だけを見ると本当に少ないと実感します。

それもそのはずです。

今年23歳になる若者(新入社員さんを多く含む歳)は、静岡市で6,352人しかいないのです(静岡市年齢別人口より 平成30年3月31日現在)。

人口減少については、以下の記事も参考となれば幸いです。

新入社員のみなさん、そして会社で働く先輩方へ。私たちひとり一人が変わっていきましょう。

さて、新入社員のみなさんは、新しい環境に少しずつ慣れてきたでしょうか。

心からエールを送りたいと思います。

ゴールデンウィークを半月後に控え、ストレスを感じている新入社員さんも少なくないと推察されます。

しかし、それらは、人の役に立つ仕事をする上で避けられない部分でもあります。

もちろん、パワハラ等はいけませんが、すべてのストレスが「駄目」な訳ではありません。

その中には、絶対に乗り越えなければならないものも含まれていることを申し上げたいと思います。

残念ですが、お客さまは待ってくれないのです。

理不尽だと感じてしまうこともあるかもしれませんが、乗り越えて欲しいです。

きっと、その多くが「理不尽なものではなく、あなた自身の成長に必要なストレスだった」と気付く日がくるでしょう。

そして、お客さまにも喜ばれる仕事ができるようになるでしょう。

心より応援しております。

また、会社で働く諸先輩方は、しっかりと新入社員さんへのフォローをお願いいたします。

私たちは、人口減少という大きな問題を受けて、自分たちが変わっていくことが求められると思います。

ひとり一人で変わっていけば、未来は開かれると信じています。

大丈夫でいきましょう!

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