2018年夏ボーナスの1人当たり平均支給額は前年比1.8%増の予測

人と会社・企業

2018年の夏ボーナス予測は前年比1.8%増となる見通しが出ています

2018年夏ボーナスの1人当たり平均支給額は前年比1.8%増の予測

はやくも今夏のボーナス予測が出てきました。

民間企業1人あたりのボーナス(2018年夏)の平均支給額は、前年比1.8%増の373,000円となる見通しです。

民間シンクタンク5社が『厚生労働省が毎月勤労統計調査でとりまとめる従業員数5人以上の事業所のボーナス支給額など』を予測しました。

比較は、昨年(2017年)の夏が基準となりますので注意してください。

以下、日本経済新聞の記事を引用いたします。

民間シンクタンク5社の今夏のボーナス予測によると、民間企業による支給総額は平均で前年比3.9%増の15兆4千億円となる見通しだ。
2001年の16兆円以来、17年ぶりの高水準となる。企業業績が改善するなか、人材のつなぎ留めに一時金を積み増すとの見方が多い。
各社は厚生労働省が毎月勤労統計調査でまとめる従業員数5人以上の事業所のボーナス支給額などを予測した。
支給総額の増加は3年連続。世界経済の回復による企業業績の拡大が下支えした。
ボーナスの押し上げ要因に人手不足をあげる声が多かった。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングは「中小企業は人手不足感が特に強く、人材確保の観点から大企業よりも高い伸びが見込まれる」としている。
民間企業1人あたりの平均支給額は前年比1.8%増の37万3千円となる見通し。0.4%増とほぼ横ばいだった17年夏から持ち直す。日本総研は「正規雇用者が非正規を上回って増加したことがボーナスの平均を押し上げた」と指摘した。
賃金を巡っては日本経済新聞社がまとめた18年の賃金動向調査で、ベースアップなどの賃上げ率が2.41%と1998年以来20年ぶりの高水準を記録した。
基本給が上向きになるなか、ボーナスの増加が加わることで「家電や旅行など高額な支出を押し上げる要因になりそう」(みずほ総合研究所)との声があった。
第一生命経済研究所は「一度引き上げると削減が難しい基本給に比べて、ボーナスは業績に応じて比較的柔軟に変動させることが可能」と指摘する。その上で「春闘でのベアは伸びが小幅との評価が多いが、ボーナスについてははっきりとした増加が見込まれる」と分析した(日本経済新聞 2018年4月20日)。

大手企業や中堅企業以上のみなさんにとっては支給額自体が低く見えるかもしれませんが、これは規模が大きくない企業が含まれているからです。

『毎月勤労統計調査』は常時5人以上の労働者を雇用している約190万事業所から33,000事業所を抽出・・・中小企業が多く含まれる

報道されてきたボーナス予測や結果と差があるように見えるのは、メディアではどうしても大手企業の情報が中心にならざるを得ないからです。

統計自体も、大手企業が多く含まれるか否かで数字が大きくなったり小さくなったりします。

統計の調査対象の中に大手企業が多く含まれれば数値が大きくなります。

反対に、数値が小さければ中小企業が多く含まれいると予想できるのです。

厚生労働省による『毎月勤労統計調査』は中小企業も多く含まれた調査結果です。

『毎月勤労統計調査』は、常時5人以上の労働者を雇用している約190万事業所から、33,000事業所を抽出して実施しています。

我が国の事業所の99.7%が中小企業です。

中小企業の定義を従業員規模で言えば、製造業は300人以下(資本金は3億円以下)、卸売業は100人以下(資本金は1億円以下)、小売業は50人以下(資本金は5,000万円以下)、サービス業は100人以下(資本金は5,000万円以下)となります。

大手企業の情報が多い中で、とてもありがたい調査結果だといえるでしょう。

なお、毎月勤労統計調査とは、日本大百科全書によりますと次のように記されています。

毎月勤労統計調査とは
民間や官公営事業所の賃金、労働時間、雇用状況の変化を把握する目的で政府が実施する調査。
統計法に基づき、国の重要な統計調査である基幹統計として、厚生労働省が実施・公表している。略して「毎勤(まいきん)」とよばれることもある。
1923年(大正12)に始まった職工賃銀毎月調査・鉱夫賃銀毎月調査を前身とし、1944年(昭和19)に現在の名称となった。
常時5人以上の労働者を雇用している約190万の事業所のなかから、無作為に約3万3000事業所を抽出して実施。
常時労働者5人以上の事業所を対象に毎月実施する「全国調査」や都道府県別の「地方調査」のほか、常用労働者1~4人の事業所を対象に年1回(毎年7月分)実施する「特別調査」がある。
業種別の労働者数、現金給与額(基本給、残業代、賞与、通勤手当など)、労働時間数(所定内、所定外)のほか、各月の賃金指数を各月の消費者物価指数で割った実質賃金指数などを公表している。
長く正規雇用者を調査対象としてきたが、バブル経済崩壊後の非正規雇用の拡大に応じて、1993年(平成5)からはパートタイム労働者の調査項目を設けた。

2017年末賞与の平均は380,654円(厚生労働省 毎月勤労統計調査)

参考として、直近のボーナスだった2017年末賞与(冬のボーナス)はどのような結果だったか振り返ってみましょう。

厚生労働省から毎月勤労統計調査の速報として2018年4月5日に発表がありました。

以下、引用いたします。

《特別集計》平成29年年末賞与(一人平均)
昨年11 月から本年1月の「特別に支払われた給与」のうち賞与として支給された給与を特別集計すると、平成29年年末賞与は380,654円となり、平成28年年末賞与に比べ2.8%増となった(厚生労働省 2018年4月5日)。

以下に表を添付いたします。

こちらには、業種別での平均が示されています。

電気・ガス業、情報通信業の高さが目立ちます。

一方で、飲食サービス業、生活関連サービス業の低さが目立っています。

調査産業計では、従業員規模別で示されています。

みなさんの会社に近いところで比較をしてみてください。

規模が大きい方がボーナス額も比例して高いことがわかります。

従業員数が5~29人のボーナス平均額は、280,221円となっています。

また、2017年冬のボーナスについては以下の記事も参考としていただければと思います。

前年比を平成15年(2003年)から振り返る

ボーナスの指標で「前年比」というものが使われます。

以下、前年比の推移をグラフにしましたのでご覧ください。

いちばん左側の棒グラフが平成15年のものです。

この15年間の前年比を振り返ってみると、平成21年(2009年)のマイナス幅が大きいことがわかります。

この年は「100年に1度の危機」と言われていました。

前年の2008年9月にリーマンショックがあり、金融市場は大混乱をしました。

その影響で我が国は著しい円高となり大混乱を極めました。

大手企業を中心に早期希望退職者を集うなど、リストラの嵐が吹き荒れました。

平成23年は東日本大震災がありました。

3年ほどマイナスが続きましたが見事に盛り返してきました。

そして、平成30年の夏は1人当たり平均支給額が1.8%伸びるだろうというシンクタンク5社の予測となりました。

中小企業支援の現場から「前年に対する増加率」について申し上げます

大手企業のみなさんの今夏ボーナスは、増加率はおそらく予想(1.8%)に近いかそれ以上だと思います(金額は別です)。

公務員のみなさんも大手企業に追随し、昨年夏よりも増加率は上昇すると予想しています。

しかし、中小企業の現場では、言われているほど景気が良くなっているという実感はありません。

しっかり儲かっているところは必死の努力によって儲かってはおりますが、先行きは不安です。

決して楽観視できません。

また、確かに忙しいけれど、それは人手不足によるものであり、思ったほど利益が出ていないといった企業も少なくありません。

これらをふまえて、今夏の中小企業のボーナスを全体的に見ると、前年とほぼ同じくらいの企業が多いのではないかと予測しています(増加率はこの予想の通り、1.8%程度ではないでしょうか)。

小売業やサービス業を中心として、もしかすると下がるところも出てくるかもしれません。

人手不足を解消することが先決となっている会社が実に多いです。

地方では、少ない若者をめぐって争奪戦となっている状態ですが、しっかりと自社の魅力をアピールしていきましょう。

危機感を追い風に変えて先手先手でいきましょう。

就職活動をされる学生のみなさんにとっては、真に人を大切にするいい会社に入社するチャンスです。

大丈夫でいきましょう!

■2018年5月21日追記
日本経済新聞の調査による2018年夏ボーナスは、昨年夏と比較して4.62%の増加で、支給額は82万9786円ということです。

こちらの記事をご覧いただければ幸いに存じます。

■2018年6月15日追記
6月14日に経団連が2018年夏のボーナスの1次集計結果を発表しました。

それによりますと、大手企業の夏ボーナス平均額は前年比6.71%増の96万7386円となり、過去最高の結果となりました(1959年の調査開始以来)。

中小企業の現状が色濃く出ている上記の結果との差が明確になっています。

以下の記事をご覧いただければ幸いです。

■2018年6月27日追記

6月21日に大阪シティ信用金庫さんが大阪府の中小企業の今夏のボーナスについて調査結果を発表しました。

1人当たりの支給額の平均は262,570円(昨年夏比0.7%アップ)、支給率は59.6%、でした。

「支給しない」企業がが約4割あることに加え、過去20年間ボーナスの支給額自体が上がっていない点に着目すべきです。

詳しくは以下の記事をご覧いただければ幸いです。

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