人と会社・企業

小森治社長から教えていただいたトヨタ生産方式の神髄

トヨタ生産方式の二本柱とは

私は、株式会社カイゼン・マイスターの小森治社長から、トヨタ生産方式とカイゼンの神髄を教えていただきました。

今日はその一部をみなさんにお伝えしたいと思います。

カイゼンとは一言で言えば、「徹底的なムダの排除を通じて、原価低減と品質向上を実現する活動」のことです。

そして、その元となるトヨタ生産方式は「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」のふたつの考え方を柱として確立されました。

自働化は異常が発生したら機械がただちに停止して不良品を造らないようにする考え方です。

トヨタでは人を現す「にんべん」が着いているため、「自動化」ではなく「自働化」なのです。

これは合理化を進めるあまりに従業員の人間性や労働意欲を無視してはならないという考え方が根本にあります。

また「ジャスト・イン・タイム」はそれぞれの工程が必要なものだけを必要なだけ作る考え方です。

中小企業では難しいと考えられる方が多いですが、中小企業だからこそやらなければならないことなのです。

トヨタの4S・・・整理、整頓、清掃、清潔はそもそもなぜ実施するのでしょうか

トヨタの強みのひとつとして、4Sを愚直に積み上げてきたことがあります。

4Sとは、整理、整頓、清掃、清潔の頭文字のSを総称したものです。

〇整理とは、必要なものと不必要なものを分け、不必要なものを捨てること
〇整頓とは、必要なものを必要なときに容易に探し出せるように整えること
〇清掃とは、清掃をすること
〇清潔とは、整理、整頓、清掃を維持すること

4Sのひとつひとつをよく見ると、小学生の時に習ったことであることがわかります。

非常にシンプルです。

しかし、大人になった今でも、なぜ4Sが大切なのでしょうか。

ここに物事の本質を追究するトヨタの姿勢が現れています。

トヨタでは「モノを探す時間がいちばんムダである」という考え方のもとで4Sを愚直なまでに積み上げられてきたのです。

それは年間150時間とも言われています。

私たちは、つい忘れてしまいますが、そもそも働く時間には限りがあります。

書類でも部品でも商品でも、人はモノを探す時間が多ければ能率・効率を上げることはできないのです。

しかしながら、多くの人は時間が有限であることを意識しません。

時間という概念を常に意識することがとても大切なのです。

そして4Sは誰でもすぐに実践できます。

トヨタはなぜ5Sではなく4Sか?

トヨタの4Sは一般的な会社では5Sといいます。

5Sとは、整理、整頓、清掃、清潔、躾のそれぞれの頭文字のSを取ったものです。

最後のSは「躾(しつけ)」ですが、トヨタではこれがありません。

それは、なぜなのでしょう?

トヨタでは社員さんが入社した瞬間からプロとして扱われます。

そのプロに対して「躾(しつけ)」というのはいかがなものかという考えがあるのです。

だからトヨタは「躾(しつけ)」がなく4Sなのです。

ここには逆転の発想があると感じられます。

トヨタではプロとして自分自身を厳しく律することができる人でなければ勤まりません。

しつけは、小学校、中学校で徹底して身につけさせておくべきなのです。

そうしないと、大人になってから「指示待ち人間」、「やらされ感」で仕事をするようになってしまいます。

そういった会社は生産性がとても低いです。

このことはどんな職業でも言えることではないでしょうか。

また、会社が何かしてくれるのでは無く、働くひとり一人が積極的に考えて動くことが大切なのです。

PDCAサイクルを回すとは

PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つで構成されています。

これを短い時間で何度も回していくことが仕事や組織をより良くしていくために必要です。

ところが、多くの企業でPDCAサイクルが回らず問題となっています。

それはなぜでしょうか。

小森社長は「Check(確認)の時に大切なのは、悪い情報こそすぐに共有することです。だから「Bad News First!」が鉄則なんです」と言います。

人はいいことは言いたい反面、都合の悪いことはなるべく触れたくないという心理が働きます。

そこに盲点があり、本来改善が必要な悪い情報がどんどん溜まってしまうケースが見られます。

そうなると、悪い情報が表面化したときは致命的なエラーとなり、会社の屋台骨を揺るがすような状態になっていることも多いのです。

そうなる前に積極的に見つけて改善しないとならないのです。

そもそも何のためにPDCAサイクルを回すのかというと、会社や働き方をより良くするために他なりません。

「見て見ぬふり」をしても、「いいわけ」をしても、仕事も会社も良くならないのです。

なぜなぜをしつこく5回繰り返す

なぜなぜ5回というのは、ある原因について「なぜ」と5回掘り下げることをいいます。

小森社長は、「仕事をさらに良くする(カイゼン)ためには今のやり方に疑問を持つことが必要であり、なぜなぜを繰り返すことが大切です」とお話になります。

私たちは、今のやり方に慣れてしまうとそこで止まってしまいがちです。

「これでいいや」と満足してしまいがちです。

また、疑問を持つことも少ないです。

ですからいつまで経ってもカイゼンが進まないことになります。

なぜこのやり方なのか、なぜこの材料を使っているのか、なぜこの時に実施するのか、なぜこの場所で実施してるのか、なぜこの人が実施しているのか、なぜこの価格なのか等、疑問に思うことを明確にしてなぜなぜと追求していくことが真の原因追求に繋がります。

これらが本当の「5W2H」です。

真の原因を明確にしていかないと物事の根本の解決には繋がりません。

これは本質を追究することそのものに繋がります。

真の原因を追求することは面倒なことですが、その面倒なことを追求することこそが差別化を生み出すのです。

リーダーとして小さな事でも褒める

小森社長は、部下のやる気につながる活動について、「小さなことでも褒める」「失敗を叱らない」といったことを述べられます。

そして、働くスタッフは、人から言われる前に自分自身で気付くことが求められます。

常に危機感を持ち、自分自身に厳しくすることができるからこそPDCAサイクルは回っていくのです。

カイゼンはどんな業種でも応用できる

小森社長はこれまで北は北海道・東北各地から南は鹿児島まで、また、従業員数名の小規模企業から数千人の大企業まで、さらには、業種も製造業だけでなく金融機関、農林水産関連、病院などのサービス業まで、累計200社以上の経営課題を解決されてこられました。

最近では、海外からの要請に基づき豪州など海外への支援も実施されています。

小森社長率いる(株)カイゼン・マイスターさんは、トヨタグループにて40年以上トヨタ生産方式を実践してきたエキスパートの方々が集まったコンサルタント会社です。

(株)カイゼン・マイスター様ホームページ

経営課題に直面する経営者の方々の力になりたいという思いで創業され、トヨタ生産方式とその源となる人づくりのノウハウを数多くの企業にフィードバックして成果を収められています。

小森社長はこれからも奉仕と社会貢献を念頭に置きながら、様々な技術と経験を生かして経営者の皆様のよき相談相手となることを目指されています。

企業がするべきことは「人づくり(人財育成)」

小森社長は、「ものづくりは人づくり」であり、企業がするべきことは「人づくり」であると言います。

トヨタ生産方式をよく見ると、ひとつひとつはむしろシンプルな取り組みです。

例えば4S(整理、整頓、清掃、清潔)もそうですが、大切なのはそれらを愚直なまでに繰り返し実践することが大切なのだと痛感します。

トヨタの成功にはそうした人々の絶え間ない努力があったことを忘れてはなりません。

その元となるのはひとり一人に高い志と強い信念、そして危機感の共有があったということです。

それらの取り組みが人をつくり、社風となって定着したのです。

仕事は自ら積極的に取り組むことでやりがいが産まれます。

受け身であったり、指示を待っていたりしているだけでは「やらされ感」で仕事をしてしまうことになり、仕事はどんどんつまらなくなります。

なお、小森社長が大切にされている言葉は「愚直」です。

愚直こそトヨタ生産方式の神髄ではないかと思います。

みなさんの会社がより良くなることを願っております。

さて、明日(5月9日)は13時30分よりトヨタ自動車は2018年3月期の連結決算を発表します。

その後は、豊田章男社長が経営方針を語るそうです。

株式市場の取引中の発表は異例ということで、着目したいですね。

大丈夫でいきましょう!

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