人と会社・企業

政府は女性登用の数値目標を盛り込んだ行動計画を義務付ける検討に

人手不足が深刻な中小企業に女性が働きやすい環境を整えるよう促すのが狙い

政府は従業員数101人以上300人以下の企業に対して、女性登用の数値目標を盛り込んだ行動計画をつくるよう義務付ける検討に入りました。

この目的は、人手不足が深刻な中小企業に女性が働きやすい環境を整えるよう促すことです。

2019年にも女性活躍推進法を改正し、2020年の運用開始をめざすようです。

以下、日本経済新聞を引用いたします。

政府は従業員数101人以上300人以下の企業に女性登用の数値目標を盛り込んだ行動計画をつくるよう義務付ける検討に入った。人手不足が深刻な中小企業に女性が働きやすい環境を整えるよう促すのが狙いだ。2019年にも女性活躍推進法を改正し、20年の運用開始をめざす。

日本の労働力の見通しは厳しい。15~64歳の生産年齢人口は40年度に18年度比で約1500万人減る見込み。政府は高齢者や外国人が働きやすい環境づくりにも取り組む。女性の15~64歳の就業率は17年に67.4%となり、比較可能な1968年以降で最高となった。将来に向けて女性の労働力はさらに重みを持つ。

16年4月に施行した女性活躍推進法は301人以上の企業に行動計画づくりを義務付けた。罰則はないものの、効果は徐々に上がっている。中小向けも罰則は設けない。厚生労働省によると、301人以上の企業のうち届け出た企業は今年3月末時点で1万6千社あまり。全体の99.6%に達した。

従業員数30人以上の企業のうち、役員を含む課長相当職以上の管理職に占める女性比率は16年度に1割に満たないが、前年度比で0.9ポイント上がった。上場企業に占める女性役員の比率は17年に3.7%と前年と比べて0.3ポイント上昇し、1500人を上回った。

行動計画づくり義務付けの対象外だった300人以下の企業の届け出は約4500社にとどまった。中小企業全体の1%未満だ。日本の企業は中小が99.7%。政府は300人以下の企業にも義務付けの対象を広げ、女性が働きやすい環境づくりを後押しする。

行動計画には女性の採用や管理職への起用、育児休業の取得率の向上など数値目標と実現のための取り組みを盛り込む。計画とは別に企業は厚労省が省令で定める14項目のうち1項目以上について、現状の数値を公表しなければならない。

女性管理職の比率や、採用者数に占める女性の割合、男女別の育児休業の取得率などだ。中小側から負担増につながるとの反発が出る恐れもある。

みずほ総合研究所の堀江奈保子上席主任研究員は「中小企業にも女性登用の意識は広がりつつあるが、企業によって差がある」と指摘。「一定規模の中小にも義務付ければ、全ての経営者が意識せざるを得なくなり、取り組みが一歩進む可能性がある」と評価する。

安倍晋三首相は女性や高齢者など誰もが活躍できる「一億総活躍社会」の実現を政権の重要課題として掲げる。政府や企業などで20年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする目標を打ち出す。

中小が行動計画を作成すれば、女性の働きやすい環境ができるわけではない。政府が達成状況を検証し、その時々で改善を求める作業も必要になる(日本経済新聞 2018年6月7日)。

みなさんはどのように思いましたか?

これらの制度が企業はもちろんですが、女性のみなさんにとってもプラスに働いて欲しいと願わずにはいられません。

行動計画には女性の採用や管理職への起用、育児休業の取得率の向上など数値目標と実現のための取り組みを盛り込みます。これらは確かに重要ですが、一歩踏み込んだ成果も欲しいです

確かにこれらはとても重要です。

さらに私は、私たちがもっと根本を見るべきだと考えます。

そもそも、「なぜ中小企業において人手不足が深刻になったか」という原因を究明することです。

その原因を究明しない限り、上記のものも目先の取り組みで終わってしまうかもしれません。

その前に、私たちの国は人口減少社会であり、特に若者が減っていることで将来が懸念されるという前提を受け止めましょう。

以下は2020年の人口ピラミッドです(予測)。

それらを前提として、「これらの行動計画を策定し、実行している企業の女性社員は給料も良くお休みも取りやすいため、一般企業の女性社員に比べて子供が多い」という成果が生まれるべきだと考えます。

もっと端的に言えば、女性の給料も良くてお休みも取りやすい会社では、(女性社員の)子供が増えているという成果をたくさん生み出していく必要があります。

そもそも、「人を大切にするいい会社」では例え中小企業の規模であろうとこうした傾向があります。

それを我が国全体に広げていくことが必要だと実感しています。

地方の最前線のお話です。女性は生活のための賃金と時間をやりくりすることが精一杯でそれ以上のことを望まない方も多いです

そして、中小企業の現場から申し上げれば、女性の価値観はなかなか変わりません。

はっきり言えば女性は「収入のため」に働いているのです。

家事をする時間を捻出するために、やりたい仕事というよりも「家から近いから」という理由で応募される方もとても多いのです。

その会社が「人を大切にするいい会社」ならば、働いているうちにやりがいを感じることができるようになります。

そうでない場合は、割り切って働いている女性社員さんやパートさんも多いのです。

こういった会社の女性社員さんは、必要最低限のことはプロ意識を持ってしっかりやる方が多いです。

しかし、それ以上のこと(例えば管理職になること)は、拒否されてしまうことが現実的に多いのです。

生活を支える「賃金と時間の両面」を知恵と工夫を出して工面しながら乗り切っているのです。

こうした地方の現実ももっと見て欲しいと思います。

なぜ中小企業において人手不足が深刻になったのでしょうか?大きな原因は「いいものを安く」「人を大切にしない経営」を実践してきた私たちの国全体にあるのでは?

上記した「なぜ中小企業において人手不足が深刻になったか」という部分について、中小企業支援の現場で生きてきた人間の見解を述べます。

私は「いいものを安く」を追求しすぎた我が国経済と「人を大切にしない経営」を実践してきた企業が多かったことに原因があると思っています。

私は「いいものを安く」を展開している多くの企業で、自社の社員さんの給料はもちろんのこと、非正規社員さんや協力会社の社員さんの給料まで高い会社をただの1社も見たことがありません。

若者は自分の給料だけでは生活が難しいのです。

子供を安心して産み、育てられる社会にしていくためには、若年者の賃金のアップは最優先項目なのです。

そのためには、「いいものを安く」から脱却しなければなりません。

高くても売れるように「人財」が差別化を実現するべきなのです。

また、この10年で人をめぐる内容が大きく変わりました。

2008年のリーマンショック後は企業がリストラを繰り返し、市場に人が余っていました。

2009年7月の完全失業率(季節調整値)は5.7%だったのです。

それが今では人が足りないになっているのです。

特に中小企業では深刻です。

これは我が国全体で「人を大切にする経営」を実践してこなかったツケだと思います。

企業の業績の良し悪しを人で調整することはそもそも間違っているのです。

そのせいで、多くの企業が目先のことだけにこだわるようになりました。

協力会社の社員さんや非正規社員さんを切り捨て、「自分だけが良ければいい」という経営が横行しました。

自分のことしか考えていない経営が「いいものを安く」を生んでいるのです。

協力会社は泣いています。

自社の社員さんはもちろんのこと、協力会社や非正規社員さんの給料がしっかりと潤って「いいものを安く」が実現できていれば文句はありませんが、現実は違うのです。

そして、残念ながら我が国では未だ物価が上がっていないようです。

以下、日本経済新聞を引用いたします。

日銀は6月と7月の金融政策決定会合で、物価の動向を集中的に点検する。値上げの動きが乏しく、企業が価格を見直すことが多い4月も物価の伸びが鈍っていたためだ。従来はデフレ心理と賃金の弱さから物価が上がりにくいとみていたが、ほかに押し下げの要因がないかを分析する。2018年度以降の物価見通しの引き下げも検討するが、現行の金融緩和策は粘り強く続ける方向だ。

日銀は年に4回、景気の先行きを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。次回は7月末を予定しており、6月14~15日の会合での議論を経て、足元の物価が上がっていない要因を詳しく点検する。

背景には、日銀が目標とする物価2%上昇への道筋が見えにくくなっていることがある。4月の全国の消費者物価(生鮮食品を除く)の上昇率は0.7%にとどまり、3月の0.9%から伸びが鈍った。春は企業が製品価格を見直すことが多い時期だけに、日銀内には「まさか伸び率が縮小するとは思わなかった」との声があがった。

ここにきて、さらに物価の伸びが鈍化するとの懸念も浮上している。

5月の東京都区部の消費者物価の上昇率が0.5%と3カ月連続で縮小したのだ。都区部の物価指数は全国よりも1カ月ほど早く公表され、全国の先行指標とされる。これを踏まえると、全国でも5月に鈍る可能性があり、日銀では上がらぬ物価に対する危機感が急速に高まっている。

日銀は昨年7月から展望リポートで物価について「需給ギャップが改善を続けるもとで、企業の賃金・価格スタンスが積極化し、2%に向けて上昇率を高める」との見方を示してきた。

ところが、足元では国内経済全体の需要は供給を上回っているものの、肝心の賃上げや値上げに結びつかず、消費者のデフレ心理には深い霧がかかったままだ。

決定会合で再点検するのは、1年近くたっても改善しない状況を踏まえ、より丁寧に現状を説明する方針に転換するものだ。例えば、アマゾンなどのインターネット通販が普及し、消費者がより安い商品を求めていることや、グローバルでのモノやヒトの動きが物価の下押し圧力になっているとの声がある。

民間エコノミストとかけ離れた強気の物価見通しを崩してこなかった日銀だが、足元の弱い歩みを正直に認める格好にも映る。

日銀は4月の展望リポートで物価の先行きについて、18年度は1.3%、19年度と20年度は1.8%上昇するとの見通しを示した。足元の伸びが鈍化したことで、7月の展望リポートで18年度の予想を引き下げることを視野に入れている。19年度以降も下方修正が必要かどうかを検討する。

4月の決定会合では「物価2%を2年で達成する」という時期の目標を削除している。今後は物価上昇が遅れるとの見通しを説明するものの、2%実現に向けて現行の緩和策を続ける姿勢を示す。

欧州なども物価がなかなか上がらないジレンマを抱えている。日銀の黒田東彦総裁は5月末の国際会議で、先進国について「実体経済の改善にもかかわらず、物価と賃金の上昇の動きが鈍い状態が続いている」と指摘。こうした「失われたインフレ」問題の背景にある構造変化を解明することが「喫緊の課題」との認識を示した(日本経済新聞 2018年6月7日)。

物価が上がらないことに関して気になっていたこと。2017年の原材料の価格上昇が前年比22.0%に対して最終財の上昇率が0.5%

物価が上がらないことに関して、予感はありました。

今年の1月17日にとても気になるニュースをみなさんに紹介しております。

2017年の原材料の価格上昇が前年比22.0%だったのですが、完成品を示す最終財の上昇率が0.5%だったというものです。

これは明らかに不自然であり、本来は反対でもいいのです(原材料の価格上昇以上に最終財の値段が上がる)。

そもそも、原材料の22.0%の価格上昇分が最終財で0.5%に圧縮できるのはなぜなのか考えてみましょう。

それは、原材料調達業者から最終財の販売企業へと行き着く間の「協力会社さん」によって圧縮されるのです。

はっきり言うと、協力会社さんで出るべき利益が圧縮されて実現されているのです。

それはもう必死の経営努力であり、それらの協力会社の多くが我が国において99.7%を占める中小企業です。
(大手企業から協力会社をたどっていけば、必ず中小企業に行き着きます。)

その中小企業で働く人は、我が国で働く人の7割を占めます。

本来の利益が圧縮されたら、協力会社の社員さんの給料も上がることは難しい訳ですがその影響は計り知れないほど大きいでしょう。

協力会社の社員さんも街に出れば消費者です。

給料が上がらなければ、消費意欲は減退します。

そうなると、市場に売れない商品がより一層あふれます。

すると、またもや商品価格を下げようとする企業が現れます。

今、そのスパイラルに再び戻ってしまっていないかチェックするべきです。

来年10月には消費増税が控えます。

このままではデフレ経済がさらに深刻化する恐れがあります。

女性が活躍するためにも「いいものを安く」からの脱却と「人を大切にする会社づくり」が求められるのでは?

現状の経済と目先の経営では我が国の将来が危ぶまれてしまいます。

当然、女性の活躍が広がることも困難です。

私たちひとり一人が「いいものを安く」からの脱却と、「人を大切にする会社づくり」を実践するべきだと考えます。

「いいものを安く」から「いいものは高くて当然」「安かろう悪かろう」へと価値観を変えて、協力会社の社員さんまで含めた給料のアップを実現しましょう。

女性の給料も良くてお休みも取りやすい会社をつくっていきましょう。

そういった「人を大切にするいい会社」では、(女性社員の)子供が増えているという傾向が顕著に認められるのです。

それを我が国全体に広げていくことが必要だと実感しています。

大丈夫でいきましょう!

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