社会(政治・経済等)が企業や私たちにどんな影響を与えるか

子ども手当の落とし穴

民主党のマニフェスト(政権公約)に盛り込まれた月額2万6千円の「子ども手当」の支給が始まると家計の収入はどう変化するのでしょうか。
単純に考えれば、所得が低いほど恩恵が大きいものとなるはずです。
ところが、大和総研が試算した結果によりますと、税込み年収額が800万~1,000万円の比較的高い所得層の手取り収入が大きく増えることがわかりました(日本経済新聞 2010年3月17日)。
試算では、税込み年収が300万~1,000万円などのケースについて、サラリーマンと専業主婦、3歳以上小学生までの子ども2人という4人家族をモデルケースに、4つの年収層に分けて試算したところ、収入が高いほど恩恵があるという結果になったのです。
2010年は児童手当の廃止と子ども手当の半額支給により、児童手当の支給を受けない年収1000万円の世帯は2009年に比べ23万4000円の収入増となります。
年収300万~700万円の世帯は、子ども手当から児童手当を差し引いた分(14万4000円)が増えます。
これは、所得制限のある現行の児童手当が廃止される一方で、所得制限がなく一律支給される子ども手当が創設されることで、高所得者の手取り額を押し上げることに起因します。
基本的には、所得税を納めている層の税額を抑えている扶養控除などの廃止とセットで導入されますので、低所得者への恩恵が大きいはずです。
すなわち、年間の手取り増加額で最も多いケースは57万円で、中学生の子供が2人いる年収300万円の片働き世帯でした。
しかし、「所得が低いほど手取り額が増える」とならないのは、月額5,000~10,000円が国から支給されている現行の児童手当が廃止されて子ども手当に置き換わるためです。
これにより、現在は児童手当の支給対象になっていない高所得者の手取り額も押し上げることになります。
つまり、2人の子供がともに3歳未満の共働き世帯の中で、手取り増加額が最大の47万円となる層は、試算によると夫婦で多い方の年収が800万~1,000万円となるのです。
試算をまとめた大和総研の是枝俊悟研究員は「子育て世代に多い600万~700万円の層への恩恵が比較的小さい」とも指摘しています。
低所得者向け支援を重視する民主党ですが、「所得が低いほど恩恵が大きい」仕組みとならないのは皮肉な結果であると言えるでしょう。
大丈夫でいきましょう!

  1. モチベーション・やりがい・仕事の喜び

    未来工業 山田雅裕社長をお招きして3
  2. 『いいものを安く』から脱却しましょう

    ローランドベルガー長島聡社長のAI現場力と和ノベーション
  3. 人と会社・企業

    大館市福原淳嗣市長とお話しさせていただきました
  4. モチベーション・やりがい・仕事の喜び

    谷島屋書店さんの今週の総合ランキングで第1位に掲載されました
  5. モチベーション・やりがい・仕事の喜び

    『人を大切~』が静岡新聞で第1位に!陸王もランクイン
PAGE TOP