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神戸製鋼の問題は人ごとではありません

  1. 人と会社・企業

神戸製鋼はPDCAサイクルが全く回っていない組織風土では?

神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長は10日午後、都内で開いた記者会見で「品質を軽視する風土が生まれたのはいつか」との質問に対し「当社は経営体制は事業部門制を敷いていた。品質に関しては各事業部門に権限を委譲しており、かなり長期にわたっていたと思う」と述べました(日本経済新聞 2017年11月10日)。

神戸製鋼の問題は、決して人ごとではないと思います。

多くの会社で同じようなことが起きている可能性が考えられます。

決して品質を軽視していたわけではないでしょう。

しかし、それよりも重視されてしまった「何か」があったのです。

その何かとはなんでしょうか?

それは問題点を見て見ぬふりをしてしまうことかもしれません。

権限を委譲したからこそ自主的に問題点を見つけてカイゼンを図る組織風土の構築が求められるのです。

計画、実行、チェック、カイゼンのサイクルは回っていたか

神戸製鋼ではPDCAサイクルがほとんど回っていない組織風土ではなかったかと考えられます。

PDCAサイクルは「計画、実行、チェック、カイゼン」のサイクルです。

カイゼンのためにはチェックの時に問題点を見つけることが肝心です。

なおかつ、自主的に見つけることが大事です。

つまり、PDCAサイクルの本質は、チェックの時にいかに自主性を持って問題点(BAD NEWS)を見つけて速やかにカイゼンするかにあるのです。

もしかすると、現場から問題点が上がっていたかもしれません。

もしかすると、問題点を問題点として取り扱わなかったのかもしれません。

真相はわかりませんが、最終的に問題点が無視されたのです

そのような風土の会社ではいつまで経っても問題点がカイゼンされません。

神戸製鋼もそういった状態にあったのではないかと考えられます。

みなさんの会社でも問題点を見て見ぬふりすることが横行していませんか?

気になっていることが言えない風土になっていませんか?

問題点を言って叱られる社風になっていませんか?

典型的なケースでは、部下が現場で起きた問題点を上司に報告している時、リーダー(上司)の表情が険しく、大抵怒っています。

負の感情が支配してしまうのです。

現場で起こったことを正直に報告しているのに怒られてしまってはたまったものではありません。

部下も人間ですから、その瞬間を切り抜けようとごまかしてしまおうと思うこともあるでしょう。

こちらの意見(提案)を言おうものならば、リーダーは「俺が言っていることが正しいんだ!」と言わんばかりにさらに怒ります。

すると部下はますますごまかしたい気持ちになります。

そうした負のスパイラルに陥っていませんか?

このような状況では本当の情報が上がってくるはずもなく、建設的な話もできるわけがありません。

大切なのはリーダーが感情を出すことよりも、「速やかに問題点を吸い上げカイゼンすること」なのです。

ところがその本質が多くの会社で理解されていません。

部下が報告しにくい雰囲気をリーダーが作り出してしまっているケースが多い訳ですが、そのこと自体にリーダーが気付いていないのです。

これまでもそのような場面をたくさん見てきました。

リーダーはそれまでの習慣・思考の癖・常識と思っていることが無意識のうちに出てきて、自分の感情のとおりに行動してしまうのです。

人間ですから誰でも問題点は避けたいと思うことでしょう。

しかし、その感情を出してしまっては問題点は見て見ぬふりをされ、会社はよくなっていかないのです。

その積み上がった負の連鎖が今の神戸製鋼だと思います。

大切なのは、問題点のそもそもを明確にしてカイゼンすることです。

リーダーは本質を見極め、大切なことが何かを常に認識し、感情をコントロールすることが必須なのです。

だから報連相禁止の未来工業

だから未来工業さんは「報連相」が禁止されているのです。

強制的な報連相は苦痛そのもので、問題点そのものをカイゼンすることに至らないからです。

強制的な報連相が禁止されている代わりに提案制度が機能しています。

雅裕社長が「提案制度は命綱だ」と言っている意味がとてもよくわかります。

提案制度は未来工業さんやトヨタ自動車の取り組みとして有名ですが、問題点を自主的に見つけてカイゼンするためのツールです。

提案制度の大切なポイントは、自主的に行われるところにあり、さらに、提案制度を出した人、つまり問題点をたくさんあげた人が評価されるという点です。

そして、トヨタ自動車では「BAD NEWS FIRST!」が社風として定着しています。

社員さんは自主的に問題点を見つけることが習慣付けされています。

「BAD NEWS FIRST!」のトヨタの強さ

そこに「人ごと感」「やらされ感」はありません。

他責(自分以外の人や物のせいにすること)もありません。

トヨタ生産方式を体得された方々がいかにすごいか、私はつい最近も体感しました。

先日のローランドベルガー長島聡社長の講演会の時、トヨタ生産方式を40年以上体得されているカイゼン・マイスターのみなさんは、真剣にメモを取っておられました。

さらに誰もが積極的に質問をされていました。

疑問と思ったことに対して愚直に「なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ」と考えることが習慣になっている証左です。

わからないことに対して見て見ぬふりをしません。

ああ、ここにトヨタの強さがあるんだと感銘を受けました。

前向きで向上心を持ち続けること、貪欲であること、問題点を見つけてカイゼンすること、そこに業種は関係ありません。

年齢や経験も関係ありません。

そのことを行動で教えていただきました。

そして、こうした行動はいい会社を実現する上で社員さんの誰もが目指さなければならない取り組みです。

「見て見ぬふりをすること」が横行している会社に明るい将来はありません。

人を大切にすることもできません。

その結果、会社の不正によって社員さんとその家族が路頭に迷うことがあってはならないのですが、神戸製鋼は正に今その状態です。

品質の偽装に潜む真の問題点は「いいものを安く」を追求しすぎた反動では?

神戸製鋼の品質偽装問題の内的要因は、PDCAサイクルが回らない組織風土にあることでしょう。

敢えて外的要因を考えるならば、それこそ我が国大手メーカーがこぞって牽引してきた「いいものを安く」の反動とは言えないでしょうか?

もし、高品質の商品を低価格で提供せざるを得ない使命が会社にあったとしたらどうでしょうか?

そう考えると、神戸製鋼の問題は氷山の一角なのかもしれません。

類似する問題が高品質低価格(いいものを安く)を追求してきた大手メーカー全体に広がっている可能性が懸念されるからです。

一刻も早く「いいものを安く」の価値観から脱しないと、我が国のものづくりの根幹を揺るがすどころではなく破壊してしまうほどの問題となりかねません。

「価格に対する異常なまでのオーバースペック」のビジネスモデルから脱却しない限り、こうしたことは繰り返されるかもしれないからです。

今こそ、真の意味での脱デフレが求められます。

今こそ人を大切にする経営を

神戸製鋼が「BAD NEWS FIRST!」ができる風土になるためには、相当の意識改革と習慣付けが必要でしょう。

大手メーカーが「いいものを安く」のビジネスモデルから脱却するには、今こそ「人を大切にする経営」に目覚めることが必要だと思います。

大切にする「人」とは、社員さんとのその家族、非正規社員さん、協力会社の社員さん、お客様、地域の人たちです。

人を大切にするためには、絶対に「いいものを安く」をしてはならないのです。

「いいものを安く」を実践している企業が「人を大切にするいい会社」であるはずがないのです。

その道のりは長く、険しいものとなるかもしれませんが、この危機を「会社を変えるチャンス」「我が国を変えるチャンス」として捉え、愚直にカイゼンをしていって欲しいと思います。

それがいい世の中づくりに繋がります。

人も、会社も、より良く変われます。

大丈夫でいきましょう!

PDCAサイクル

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