PDCAサイクル

静岡県職員自殺者41人(真の働き方改革に向けて公務員の方々へエールを送ります)

見て見ぬふりをすることがいちばんいけない

とても悲しく、痛ましいニュースです。

2009年から2016年にかけての8年間で静岡県職員の自殺者はの41人という記事が静岡新聞に掲載されていました。

尊い命を落とされた職員の方々には謹んで哀悼の意を表します。

県職員自殺者41名
天野一氏は、県職員の自殺者が2009~16年度の8年間で41人に上り、このうち県教委や県警などを除いた知事部局の職員は17人を占めたことを指摘し、「対策をどうしていくのか」とただした。
伊藤篤志経営管理部長は「職員が自殺で尊い命を失っていることは大変残念で,深刻に受け止めている」と述べた。その上で、16年度からはストレスチェック検査を導入し、早期のストレス解消や受診を促していると説明。健康リスクの数値は全国平均値を下回り、ストレスによる問題発生の恐れがあると判断された所属は17年度、12から5に減少したとして理解を求めた(静岡新聞 2017年12月13日)。

私は2014年度に静岡県庁のアドバイザーを拝命し、1週間に1度静岡県庁に登庁しておりました。

県庁で働くみなさんの仕事ぶりをこの目で見てきました。

この度の報道を受けて、私は見て見ぬふりをすることはできません。
(このポリシーは企業支援の現場でも徹底しております。)

このようなことが起こってはなりませんし、カイゼンしていかなければなりません。

もしかすると、県庁で働く方の中には、この度の報道に対して見て見ぬふりをしたい人もいるかもしれません。

でもそれでは問題は解決しないのです。

言いたくないことは本当は言わなければならないことなのです。

聞きたくないことは、本当は聞かなければならないことなのです。

電通の事件も記憶に新しいですが、私たちは誰もが当事者となって真の意味での働き方改革を進めていかなければならないと痛感いたします。

仕事で自分の命を失うことは絶対にあってはならないのです。

県庁で勤められている方々のみなさんの働き方改革が進むことを目的とし、かつ、心より願って、以下気がついたこと、感じたことを記していきたいと思います。

県庁職員のみなさんは県民の幸せを実現するための究極のサービス提供者です。私は県職員の方々が幸せに働いてくれないと県民も幸せにならないことを改めて力説します。

私は行政機関で働く方々に対して、そもそもの想いがあります。

行政機関で働いている方々は、そもそもすべての国民(県民、市民)を幸せにするために、そして、すべての企業のために究極のサービスを提供されている方々であるということです。

行政のみなさんが提供するサービスは、必ず人(国民、県民、市民、県庁内の仲間)に行き着くはずです。

県庁で働いてる方々は、県民を幸せにするために究極のサービスを提供されている方々なのです。

それゆえ、県民たる「人」を幸せにするサービスを提供することが職員のみなさんの最も大切な目的です。

これは未来永劫変わることはありません。代わりになる人も現れないでしょう。

そして、働かれている皆さんがやりがいを感じ、かつ、幸せに働くことが、より質の高い行政サービスにつながるのです。

何よりも、まずは職員の皆さんが幸せに働かなければならないのです。

ここがポイントです。

なぜなら、県庁の組織に対して不平・不満・欺瞞に充ち満ちた職員さんが果たして我々に究極のサービスを提供してくれるはずがないからです。

そして、人の幸せは「人から褒められ、人に必要とされ、人の役に立っている」ことで得られます

人とは、県庁内は職員同士、県庁外はお客様たる県民です。

仕事を通じてそれらが県庁内からも県庁外からも実感できるような組織風土をつくっていくべきなのです。

そのために、極めて重要なポイントをふたつあげます。

○一つ一つの仕事や物事の目的を明確にすること
○これまでの思考の癖・習慣・常識と思っていることを捨て去ること

当事者意識を持った職員のみなさんを増やすために・・・上司のみなさまへお願い

一つ一つの仕事や物事の目的を明確にしたら、仕事をしている以上は、常に個人の感情よりも優先することが求められます。

行政で働いている人は一人一人が素晴らしく、尊敬するべき方も多く存在します。

しかし、それが生かされていない組織になっているのがとても気になるのです。

県民を見ているようで実は見ていないように見えるのです。

県民よりもよく見ているのは上司です(これは民間でも同じことが言えます)。

そして、上司は部下・後輩の本質的なモチベーションを上げることがいちばん大切な仕事ですが、どうも反対になっているケースが実に多いのです。

そもそもの仕事の目的よりも、自分の感情や物事を荒立てない考え方が優先されているように見えるのです。

それゆえに、上司のご機嫌をうかがうような仕事の仕方をしている方も中にはおりました。

そうなると、仕事はどんどん本質からかけ離れていきます。

仕事の真の目的がぶれてしまっていますので、部下・後輩が何をするべきかぼんやりしている印象を受けます。

だから、本来ならば必要ない残業も非常に多いのです。

民間レベルでは考えられないムダな仕事が多いです(民間もひどいですが)。

それでは真の目的たる県民のために喜ばれるいい仕事はできないのです。

上司は、県民のために積極的にリスクを負っている職員さんに対して評価をして欲しいと思います。

受け身ではなく、指示待ちではなく、県民のことを想い、県民の立場になって仕事をしてくれる人を評価して欲しいのです。

より具体的に申し上げれば、上司のみなさんは、部下が「人から褒められ、人に必要とされ、人の役に立っている」ことが実感できるように、「褒めて、必要として、役に立っている」ことを伝えてください。

職員さんが不平・不満・欺瞞に充ち満ちてしまう源は、そこにあるのです。

反対に、明るい将来を邪魔するのは、それまでの思考の癖・習慣・常識と思っていることです。

まずはそれらを1度捨てて、明るい将来をつくる方(部下の本質的なモチベーションを高めること)を徹底して欲しいと思います。

そして、部下・後輩は上司から言われる前に気付き、行動できるよう、自分の能力・魅力を最大限に発揮できるよう努力しましょう。

「BAD NEWS FIRST!」ができずPDCAサイクルが回らないことが悲劇を生む。制度が機能する組織風土づくりを。

行政の仕事というのは、なかなか計画、実行、チェック、カイゼンのPDCAサイクルが回りません。
(これも民間も同様ですが)

その原因は、特に計画の時の目的が曖昧なこと、チェックの時に問題点をあげることが許されない組織風土にあると推察されます。

上司は部下からの問題点を素直に受け止め、カイゼンに繋げることができるでしょうか?

県民からのクレームに対して過剰なほどの反応を示して部下・後輩のモチベーションを下げてはいないでしょうか?

そのためには、傾聴力が求められます。

これらは民間でも非常に難易度が高いリーダーに求められる資質です。

大抵は上司が自分の感情を出してしまうことで、部下・後輩のモチベーションを下げてしまうのです。

ひどい場合はせっかく現場の問題点を報告してくれている部下を怒ってしまいます。

そうなると部下は真の問題を考えなくなります。

報告すらしなくなります。

すると、問題点は先送りされ、ひどい場合はカイゼンされないまま封印されてしまうこともあります。

この度の積み重なった悲劇もそういった「BAD NEWS FIRST!」が許されない組織風土がもたらしたのではないかと思っています。

県の職員は、理不尽な2段階のクレーム対応に追われている

県庁で働く方々は、県民や市民からのクレームを恐れるばかり、仕事の本質が失われているような気がしてなりません。

特にリーダーがそれ(県民からのクレームすべて)をいちばん嫌うのです。

だから、県の職員さんは、県民のクレームを恐れる上司からのクレームと闘っています。

大切な県民よりも、上司の意向を尊重するようになってしまいます。

上司の気持ちももちろんわかります。

しかし、もっと現実を見て欲しいのです。

人間が仕事をする以上、完璧なものはありません。

1日仕事をすれば必ず問題点が出てくるのです。

お客様たる県民のすべてが満足するサービスはありません。

その問題点を前向きに捕らえて欲しいのです。

問題点をカイゼンするからよくなるのです。

いい会社では、いい会社こそ問題点がたくさん出てきます。

自主的に問題点を見つける社員さんが多いからです。

大切なのは、クレームが出ない仕事をすることではなく、そもそもの行政の仕事の目的を明確にして想いと行動をぶつけることだと思います。

なぜなら、それが県民の真のニーズだからです。

もっと言うならば、県庁らしくない仕事をすることこそが県民のニーズにいちばん応えることだと思います。

みなさんは「県民の幸せを実現するための究極のサービス提供者」なのです。

おかしいものはおかしいと言えない組織に明るい将来はない

乱暴な表現で申し訳ないですが、クレームは本当にいいものと、理不尽なクレームのふたつがあります。

後者には絶対に負けないでください。

その判断基準は「人として正しいことを言っているかいないか、自然か不自然か」だと思います。

自分のことしか考えていない人のクレームは真剣に聞く必要ありません(怒られてしまうでしょうけど)。

これは、県民側の人間性が問われる問題です。

職員のみなさんには絶対にそんなことに負けないで欲しいのです。

そして、上司の方々はそこを見誤らないようにして欲しいのです。

仕事の本質とは、仕事は必ず誰かの役に立っているということです。

県庁の皆さんにとっては、その誰かとは「県民」です。

県民から役に立っていることが実感できる仕組みをつくるべきなのです。

クレーム対応も同じであり、良質なクレームは結果的に県民も喜ぶものになります。

クレームがより良い県民サービスに繋がることが「あるべき姿」です。

しかし、そればかりではないという点も明記したいと思います。

いいクレームはカイゼンし、どう見てもおかしいレベルのクレームには上司に相談し、ムダな時間を取られないようにしましょう。

心を殺し、理不尽に耐え抜いている職員の方を見ていますが、それでは問題は解決しません。

これは民間も同様ですが、真の問題点に対して見て見ぬふりをせず、それを自主的に見つけて、カイゼンをしていくことが大切なのです。

人を大切にする県庁に・・・私は全力で応援しています。

県庁で働く方々には、極めて高いプロ意識が求められます。

一般の方には想像できないかもしれませんが、県庁で働く方々には「異動」があります。

どんな仕事に対しても全力で取り組まなければならないのです。

民間ではひとつの仕事に何年もかけて一人前になっていくことが普通ですが、行政はどんな仕事でもやらなければならないのです。

自分の仕事が選べないのです。

やらされ感、指示待ちの状態で仕事をすることは、逆に言えば絶対に許されません。

プロ意識が非常に高くないとできない仕事なのです。

最後に、人を幸せにするのは制度の充実ではないということを力説したいと思います。

行政の皆さんは、社員のための制度を整えることがいい会社への近道だと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。

大切なのは、制度ではなく、制度が機能する組織風土なのです。

制度が機能する組織風土・社風を作るように誰もが当事者意識を持って進めない限り、せっかくの制度も「絵に描いた餅」で終わってしまいます。

そのためにはどなたも仕事の本質を考え(目的を明確にして)、人ごと感、やらされ感なく仕事に取り組むことが求められるのです。

制度が機能する組織風土は、当事者意識を持った社員さんたちによってもたらされます。

それが働き方改革やワーク・ライフ・バランスの実現につながっていたということです。

制度面について中小企業目線でみると、行政機関で働かれている皆さんは大変恵まれています。

要は、みなさんが当事者となってそれらが機能する組織風土をつくっていけばいいのです。

真の地方創生、働き方改革はみなさんから実施していくべきなのです。

どうか県庁のみなさんが働き方改革と言うよりも、真の意味での行政改革を進めて欲しいと願っております。

人を大切にする県庁に誰もが当事者となって取り組んでいくべきです。

以下の二つを実践してみて欲しいです。

○一つ一つの仕事や物事の目的を明確にすること
○これまでの思考の癖・習慣・常識と思っていることを捨て去ること

みなさんが幸せに働くことを心より願っております。

大丈夫でいきましょう!

追伸:
以前、真の働き方改革企業編を以前お伝えしました。

こちらも本質は同じです。

ぜひご覧いただければ幸いです。
真の働き方改革でやりがいも2倍に

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