PDCAサイクル

建前と本音をひっくり返すと面白いことが見えてきます

本音と建て前、建て前と本音

今日は建前と本音について、経営コンサルタントの視点から考えてみたいと思います。

建て前と本音について、まずは言葉に対するイメージを確認しましょう。

それぞれの言葉を聞いたとき、みなさんはプラスのイメージに感じますか?

それともマイナスのイメージに感じますか?

〇建前
〇本音

きっと、多くの方が建前に対してはマイナスのイメージを、本音に対してはプラスのイメージを感じられたのではないかと思います。

建前は、大辞林によると以下のように示されています。

建前とは
① 基本となる方針・原則。表向きの方針。 「 -をくずす」 「 -と本音」
② 大道商人などの売り口上。 「こりや-所ぢやない/浄瑠璃・新版歌祭文」

この場合は①です。基本となる方針・原則はとても大切です。

「表向きの方針」という表現に注意です。ここだけマイナスのイメージを感じます。

では本音はどうでしょうか。

本音とは
① 本心から出た言葉。 「 -を吐く」 「 -を漏らす」
② 本当の音色。

本心から出た言葉が本音です。では、本心とはどのような意味でしょうか。

本心とは
① いつわり飾らない心。表面にあらわれていない、その人の本当の気持ち。 「 -を明かす」 「 -から憎んでいるのではない」
② 本来の正しい心。良心。 「悔いて-に立ち返る」
③ 〔「ほんじん」とも〕 正気。 「 -ヲウシナウ/日葡」
④ 生まれつき。本性。 「 -曲つた釣針に/浄瑠璃・信州川中島」 → 真意(補説欄)

「本心」はそれぞれの意味によってイメージが随分違うことに注意しなければならないでしょう。

しかし、総じて本音はプラスのイメージです。

表と裏がひっくり返る時

よく「表と裏がある」と言います。

「あの人は表と裏がある」という言い方をすると、多くの方があまりいいイメージを持ちません。

表の部分は割とプラスのイメージです。

前述した意味から考えると、建前は「表向きの方針」です。

つまり、表というのは建前であると言えます。

「あれ?」と気がつきます。

建前はマイナスのイメージですがどうしたことでしょう。

では、裏という言葉のイメージはいかがですか?

裏の部分はいわゆる本音です。

ここでも「あれ?」と思うのです。

本来プラスのイメージであるはずの「本音」がこの時はマイナスになっているのです。

これは、見方が変わったことで、イメージがひっくり返ったのです。

表がプラスで、裏がマイナス、或いは建前がマイナスで、本音がプラスといったイメージが必ずしも当てはまる訳ではないのです。

多くの人が建前でなく本音で言い合える関係がいいと思っています

人間関係も組織も、誰もがいつわりのない、本音で言い合えることが理想だと誰もが思っています。

本当の気持ち、正しい心、良心、嘘ではない言葉でやりとりができることがコミュニケーションの本質であるはずです。

だから、社風があまり良くない会社の社員さんは、「本音で言い合えていない」と思っています。

ところが、現実をよく見ると、興味深いことがわかります。

ひっくり返してみてみましょう。

実は片方だけが本音を出している

コミュニケーションは双方向のやりとりが前提です。

それが双方とも本音ならば理想ですがなかなか難しいのが現実です。

「片方だけ」は本音を出している場面は多々あります。

例えば「BAD NEWS FIRST!」を取り上げてみましょう。

これはPDCAサイクルを回す上で必須のコミュニケーションであり、現場からの問題点を部下・後輩が上司に提言するものです(自主的な報告・連絡・相談)。

しかし、多くの企業で「BAD NEWS FIRST!」は機能していません。

これは、リーダーがどうしても本音を出してしまうからです。

部下・後輩のいつわりない報告・連絡・相談に対して我慢できなくなって、時には部下・後輩が怒られてしまうこともあります。

すると、部下・後輩はいつわりない報告をしないようになってしまいます。

怒られたくありませんから、ごまかしてしまうのです。

部下・後輩のいつわりない報告に対して「本音」で答えてしまうリーダーがいると、「BAD NEWS FIRST!」は機能しません。

あれ?と思いますね。

「BAD NEWS FIRST!」、つまり、部下・後輩からの自主的な報告・連絡・相談を機能させるためには、リーダーに傾聴のスキルが求められます。

極端なことを言えば、この時リーダーは「その時点での本音」を出してはいけないのです。

部下・後輩がいつわりなく問題点を言ってきたら、リーダーである自分自身がそれを最後まで受け止めることができるかどうかがカギなのです。

リーダーはある意味、その役割(傾聴力を持ったリーダー)を演じきることが求められます。

さらに一歩進んで、傾聴のスキルを持って聞いているリーダーの役割を演じきることが「本音」となるようにしていくことが大切なのです。

本音同士のコミュニケーションは案外意思疎通が図れない

このように、自分の本音を言っても、相手が受け止めてくれないケースがあるのです。

それは、相手も本気になっているからです。

本音同士のコミュニケーションは案外意思疎通が図れないのです。

その時に、しっかりと受け止める役割(傾聴力を持って)を果たすことがリーダーには求められます。

以前、以下のような話もしました。ぜひ参考にしてください。

本音を言いあうためにはルールが必要

会議はよく本音が言えない場だと言われています。

その場で本音を出すためには、ルールが必要です。

例えば「ブレーンストーミング」を使います。

批判厳禁のルールで、何を言っても構わないようにするのです。

その時もリーダーは傾聴力が求められます。

しかし、ブレーンストーミングに慣れていないとリーダーが本音を出してしまうことがあります。

それは「けしからん」という本音であり、部下・後輩を否定してしまう本音であり、感情です。

まさにそれまでの思考の癖・習慣・常識と思っていることにとらわれてしまうのです。

リーダーがそうした状況にならないように、ブレーンストーミングにも訓練が必要です。

建前を本音でいえることがとても大切

建前に話を戻しましょう。

基本となる方針・原則はとても大切です。

表向きの方針の中に、嘘やごまかしがあるからこそ問題なのです。

言っていることとやっていることが違うから不審に思ってしまうのです。

ここを一致させることがとても大切です。

本音も建て前も見方によってプラスにもマイナスにも作用します。

一般的に、目的や目標は建前、できない現状が本音とも言えます。

そのギャップを埋めていくことが経営であり、人生です。

会社や仕事をより良くするという目的は建前ではなく本音であり、それを実現する上で出てくる苦言や問題点も本音であることが大切なのではないでしょうか。

なお、人を大切にするいい会社では、建前を本気で言っています(そもそも「建前」と思っていません)。

だから、いい会社にはマイナスのイメージの建前(表向きの方針)が感じられないのです。

組織の目標に対して、一般の会社ならば「無理だ」という本音を、「どうすればできる」という本音に変えていく社風になっているのです。

本音で組織目標を語り、本音で目指して行く取り組みを実践しているのです。

さて、建前と本音、ひっくり返してみると面白いことがおわかりになったかと思います。

常識と思っていることを反対からみると、明るい将来が見えてきます。

少しでもみなさんの参考になれば幸いです。

みなさんの会社がより良く変わることを願っております。

大丈夫でいきましょう!

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