人と会社・企業

忖度した結果、自らの命を絶ったとしたらあまりにも悲しい

とうとう命を絶った方が出てしまいました

そもそも「忖度(そんたく)」とはどのような意味でしょうか。

デジタル大辞泉によりますと以下のようになります。

忖度とは
[名](スル)他人の心をおしはかること。また、おしはかって相手に配慮すること。「作家の意図を忖度する」「得意先の意向を忖度して取り計らう」

忖度という言葉は、2017年に流行語大賞になりました。

これは、この度のいわゆるモリカケ問題(森友・加計学園問題)において、マスメディアに盛んに用いられたことによって広がったことが大きいと思います。

直接は口利きしたわけではないけれど、事実上口利きと言ってもいいようなやりとりが暗にあったのか、なかったのか。

そういった推測を表現する語として用いられた印象を受けます。

真相は未だわかりませんが、森友問題では、とうとう財務局の男性職員が自ら命を絶つという痛ましい事件にまでなってしまいました。

時事通信社による記事を以下紹介いたします。

学校法人森友学園に大阪府豊中市の国有地が格安で売却された問題で、学園側との交渉を担当した部署に所属していた近畿財務局の男性職員が兵庫県内で死亡していたことが9日、関係者への取材で分かった。
自殺とみられる。県警などが詳しい状況を調べている。
警察関係者によると、男性職員は数日前に神戸市内の自宅で死亡しているのが見つかった。事件性はないとみられ、自殺とみて調べている。
国有地売却問題との関連は不明。
男性職員は近畿財務局が学園側と交渉していた当時、国有財産を管理する部署に所属。
この部署の幹部職員が学園前理事長の籠池泰典被告らとの直接交渉に当たっており、死亡した男性はこの職員の直属の部下だった。
一連の問題では、この幹部職員と学園側が2016年に交渉した際のものとされる音声データの存在が明らかになっている。
音声では、籠池被告が「グーンと価格を下げて」と求め、幹部職員とみられる男性が「ゼロに近い金額まで努力している」などと応じていた。
一連の問題については、大阪地検が背任や公用文書毀棄(きき)容疑などの告発を受け捜査しており、近畿財務局職員らからも事情を聴いている。
近畿財務局は取材に「情報を把握しておらず、個人情報でもあるので答えられない」としている(時事通信社 2018年3月9日)。 

なんで死ななければならなかったのか。

とても悲しく、残念なことです。

亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。

ご家族もあったことでしょう。悔しかったことでしょう。

こうしたことは絶対にあってはならないことです。

言いたいことが言えないまま命を絶ってしまったとしたら、真相が語られることがないまま事件は風化してしまうかもしれません。

忖度は見て見ぬふりをすることでも、いいことだけを進めることでもない

もし「忖度」がこの結果をもたらしたとしたら、あまりにも悲しいことです。

それは、決して正しい忖度ではありません。

忖度する相手の気持ちの推し量り方は日頃の関係性がベースになると思います。

「忖度をした」という言葉の前に、以下の3つの言葉を付けて考えます。

①相手が求めていないのにもかかわらず
②相手が求めているかどうかわからないが
③相手が求めていることだと確固たる証拠があって

今回、もし忖度したとしたら、①となってしまう可能性が高いでしょう。

だからこそやるせない気持ちはより大きくなります。

相手が求めていないのにもかかわらず忖度を図った結果、命を絶ってしまう事態になってしまったのですから。

②であっても残念です。

③だとしたら、逆に国民は許さないでしょう。そんなことがあってはなりません。

これだけは絶対にないものだと信じなければならないと思います。

苦言を呈する側近はいなかったのか

本来、忖度は決して悪い意味ではありませんが、今回の一連の報道でマイナスのイメージがついてしまったかもしれません。

相手の気持ちを推し量り、その結果、自分の命まで捨てなければならなかったとすればあまりにも悲しいことです。

相手の気持ちを推し量るからこそ、敢えて苦言を呈する側近はいなかったのでしょうか。

現場からの「BAD NEWS FIRST!」も含めて、それができるのが真の忖度ではないでしょうか。

一般の組織では勇気がいることでもありますが、それが組織を守ることになります。

これは企業支援の現場に生きるものとして、声を大にして申し上げたいことです。

佐川国税庁長官が辞任

その後、佐川国税庁長官が辞任の意向を固めました。

財務省前理財局長の佐川宣寿国税庁長官(60)が9日、学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる混乱の責任を取り辞任した。
政府は同日の持ち回り閣議で了承した。佐川氏は売却契約を結んだ際の理財局長。売却手続きに問題はなく、交渉記録も廃棄したと国会で答弁し、批判を受けていた。疑惑が解明されないなかでの辞任は、安倍政権への打撃となる。
麻生太郎財務相は9日夜、財務省内で記者会見し「国有財産行政に関する信頼を損なった」として、減給20%・3カ月の懲戒処分を下したと明らかにした。国税庁長官の職務は藤井健志国税庁次長が代行する。
佐川氏も記者団に辞任の理由を説明。(1)国会審議の混乱を招いた(2)行政文書の管理状況にさまざまな指摘を受けた(3)国有地売却に関する決裁文書の国会提出時の担当局長だった――を挙げた。
麻生氏は会見で佐川氏を国税庁長官に任命したことについて「適材だった」と強調。自身の任命責任や進退を問われると「考えているわけではない」と答えた。安倍晋三首相も佐川氏の国税庁長官起用に関して過去に「適材適所の考え方に基づいた」と述べていた。
佐川氏は国有地を8億円強値引きして売却した問題に関して昨年「(交渉記録は)全て廃棄した」と説明。手続きも問題はないと述べたが、財務省の内部文書が見つかり、野党が虚偽答弁と非難していた。2017年7月には国税庁長官に就任。就任記者会見を開かず、批判を受けていた。
9日には森友問題の担当部署にいた近畿財務局の男性職員が死亡していたことが判明。兵庫県警は自殺と判断した。
(日本経済新聞 2018年3月9日)。

就任からわずか8カ月です。

正しいことをしていれば辞める必要はないと思うのです。

不自然なことをしていたからこそ辞めなければならなくなったと思うべきなのでしょうか。

これも悲しいことです。

正しいことを愚直に。ただひたすら正しく

今回は尊い命が失われているのです。

これは正しくないことであり、不自然なことです。

そうせざるを得なかった状況に追い込まれてしまう前に組織として機能していなかった点が残念でなりません。

この度のことで、メンタル的に追い込まれてしまったり、そうせざるを得ない状況に追い込まれてしまったりした職員に対して、国の組織には救う機関がない、或いは機能していなかったということも明白になってしまいました。

どんな理由があるにせよ、公務員の方々の自殺はあってはなりません。

この正しくないことは、もっとクローズアップされるべきだと思っています。

公務員のみなさんが常に正しく、常に幸せに働いてくれないと、私たち国民も幸せにならないからです。

以前以下のような記事も書きました。

今こそ、それまでの思考の癖・習慣・常識と思っていることを捨てて、明るい将来のためにこのようなことを撲滅するべきだと思います。

公務員のみなさんは正しいことを愚直なまでに正しく行うべき方々です。

理不尽なパワーがどこからかあったとしても負けないで欲しいです。

堂々と正しいことを粛々と進めて欲しい。

私は、それこそが国民、県民、市民の真のニーズだと思っています。

人が亡くなってしまったことを重く受け止めるべき

組織が健全に機能するためには、忖度の中に「BAD NEWS FIRST!」をしっかりと織り込むことが必要です。

相手のことを推し量り、配慮するからこそ、苦言を呈することが本来必要なのです。

正しくないことを見て見ぬふりをすることは決して忖度ではないのです。

現場からの「BAD NEWS FIRST!」こそが組織を健全な状態にするのです。

それができない組織には悲劇的結末が待っています。

この痛ましい事件を糧とし、必ず明るい将来へと繋げて欲しいと願っております。

国民は現状のような事態を望んでおりません。

勇気を持って「BAD NEWS FIRST!」を徹底し、カイゼンして欲しいと願っております。

大丈夫でいきましょう!

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