仕事ができる人に大変な仕事が集中する傾向をカイゼンするために

  1. ワーク・ライフ・バランス 働き方改革

仕事ができる人に仕事が集中する傾向をカイゼンする

仕事ができる人に大変な仕事が集中することがあります。

これは、どの会社でも起こりうる組織の大きな問題点です。

しかしながら、多くの会社でなかなかカイゼンが進みません。

中には「仕方がない」と思われているケースもあります。

ベテラン社員さんが自分で抱え込んでやりきってしまうケースも多々あります。

仕事の特殊性もあり、なかなか他の人に任せることができないベテラン社員さんも少なくありません。

直近では、深刻な人手不足も加わり、これらの問題がさらに加速することが懸念されます。

負担が減ることが会社のためになると前向きに考えること

大切なのは、そうした状況を「少しでも」カイゼンしなければならないと前向きに考えることです。

ぜひともそのような仕事をしているベテラン社員さんは「自分の大変な仕事の負担が減ることが会社の成長である」ことを念頭に置きましょう。

大変な仕事の負担が減るということは、社内の誰かが育っていることになるからです。

ひとり一人の社員さんの取り組みの総和が会社の成長となります。

また、これらの取り組みは、全社的にワーク・ライフ・バランスや働き方改革を進めることそのものです。

以下、簡単ではありますが、どうすればこれらの取り組みが進むのか、また、カイゼンができるのか説明していきたいと思います。

ワーク・ライフ・バランスや働き方改革を推進するためには、組織風土のカイゼンと多能工化を恒常的に行うことが大切

ワーク・ライフ・バランスや働き方改革は、共通目的と貢献意欲とコミュニケーションが高い次元で機能する組織風土を作ることで実現していきます。

まずは、何のためにワーク・ライフ・バランスや働き方改革を進めるのかという目的を組織全体で明確にすることが求められます。

冒頭の「自分の大変な仕事の負担が減ることが会社の成長である」ということをベースとして考えてみましょう。

そして、お互いが貢献する意欲を強く持ち、コミュニケーションを図りながら助け合う社風づくりが必須になります。

組織風土がよりよくなるためには、組織目標の達成のために、ひとり一人ができることを考えて共有していかなければなりません。

具体的に進めていくと「多能工化」に行きつきます。

トヨタでは「仕事のムラ」を少なくするため、昔から「多能工」という働き方が推奨されてきました。

「多能工」とは「特定の業務を特定の人が担当するのではなく、特定の業務を様々な担当者で行うこと」です。

そうすることで、その方が休んだとしても仕事が進みますし、多様な視点が入っていきますので改善提案も活発になっていくのです。

現状を変えていかなければならないという危機感も大切

ワーク・ライフ・バランスや働き方改革を進めるためには、社員さんひとり一人に必要なことがあります。

それは、自分自身のやり方をより良く変えようとする(カイゼンする)ことです。

そのためには、「このままでは会社の生産性が上がらない」「自分の習慣を変えなければならない」という自分自身への厳しさや危機感が重要です。

まずは「自分自身の大変な仕事の見える化」が求められるのですが、それがなかなかできないのです。

それは、どうしてもそれまでの習慣、思考の癖、常識と思っていること等に邪魔されてしまうからです。

多能工化を進めるためには、これらを一度捨てて、「自分自身の大変な仕事の見える化」を図らなければならないのです。

それらを組織で共有し、「仕事を教える」と「仕事を覚える」のコミュニケーションによって多能工化は進んで行きます。

これらを進める上では、「すきま時間」を活用して計画的に進めることも重要です。

自分自身の大変な仕事の見える化とスキルマップ

カイゼンを図る上で、まずは「自分の大変な仕事を見える化すること」をしていきましょう。

みなさんの仕事はいかがですか?

以下チェックをお願いします。

1)自分自身の大変な仕事を明確にし説明できるようになっているか(仕事の見える化と棚卸し)
2)大変な仕事の内容を組織で共有することができているか(問題点の共有)
3)大変な仕事のそれぞれについて誰と誰ができるのか把握できているか
4)それぞれの仕事を誰にいつまでに覚えてもらうか計画を立てられているか

大変な仕事の見える化もなかなか難しい取り組みです。

5W2Hのフレームワークを駆使して、「なぜ大変なのか」を明確にして行きましょう。

次に、その負担を減らすために「バックアップ体制を充実させること=多能工化」をしていきます。

そのために、組織で共有を図り、いつまでに対策するか目標を立てて計画的に進める必要があります。

上記のチェックポイントから、以下のレベルの人員を何人育成するか目標を決めましょう。

Level 1:ひとりでできないが、仕事を理解しているレベル
Level 2:手順書を見ながらなら仕事を一人でできるレベル
Level 3:仕事を理解しており、一人で実施できるレベル
Level 4:仕事を熟知し、仲間に作業指導できるレベル

これをスキルマップと言います。

壁に掲示して常に見えるようにしておくといいでしょう。

次に、仕事を教える側と覚える側のポイントについて述べていきます。

①仕事を教える側のスタッフさんがするべきこと
②仕事を覚える側のスタッフさんがするべきこと

①仕事を教える側のスタッフさんがするべきこと

まず、「仕事を教える側」のスタッフさんがするべきことを述べます。

もしあなたの仕事が誰もできない仕事ならば、あなたが会社を休んだら生産性が下がってしまうかもしれません。

「あるべき姿」は、休んでも組織全体の生産性が下がらず、むしろ上がるようにしていくことです。

そのためにも、まずは、自分以外の人にできないと思われる仕事をピックアップしましょう。

そして、誰に対していつ、どこで、どのように覚えてもらうか考えます。

すきま時間を計画し、実行し、チェックし、カイゼンすることを繰り返しましょう。

以下、チェックポイントです。

1)自分が休んだら困る(自分以外の人ができない)と思われる仕事を洗い出しましょう
2)自分の仕事を細かい単位まで分けて(これをタスクといいます)それぞれ注意すべき点をあげましょう
3)それぞれのタスクについて仲間に習得してもらいたい順に優先順位をつけましょう(紙に書きましょう。提案制度等を活用するチャンスです)
4)誰に自分のタスクを覚えてもらいたいか明確にして「覚えて欲しい」と伝えましょう(言われた側はぜひとも前向きに引き受けてください)
5)教える側と覚える側の双方でコミュニケーションを図りながら、その仕事をどの程度で習得できるか目標を決めましょう
6)双方で「重要だが緊急でない時間」を計画(捻出)し、確実に実行しましょう(例:何曜日の何時から10分間)

②仕事を覚える側のスタッフさんがするべきこと

今度は「仕事を覚える側」のスタッフさんの取り組みです。

誰かの仕事が大変そうに見えたら「見て見ぬふりをしない」ようにしましょう。

「見て見ぬふり」は人として正しくありません。

その人の仕事を手伝うことが組織の生産性の向上に繋がります。

そのためにも「覚えなければならない仕事」を明確にしていきましょう。

以下、チェックしてみてください。

1)できる人が少ない仕事を見つけましょう(その仕事を覚えたら仲間のためになるだろうと思われる仕事)
2)覚えたい仕事と覚えなければならない仕事を明確にしましょう
3)上記の仕事についてそれぞれの担当者或いはリーダーにお話しましょう(ぜひ提案制度も活用してください)
4)仕事を覚える側と教える側で協議し、「重要だが緊急でない時間(すきま時間)」を計画(捻出)し、確実に実行しましょう(例:何曜日の何時)
※仕事を覚える側のスタッフさんは具体的に何の仕事を覚えるか明確にし、そのための時間の計画を立てましょう。

多能工化には「重要だが緊急でない時間(すきま時間)」を計画(捻出)し、確実に実行し、チェック、カイゼンが求められます。

1日10分でも計画的に「すきま時間」を捻出し将来を創りましょう

すきま時間は、具体的に多能工化を実施する時間となります。

そして、計画、実行、チェック、カイゼンのサイクルを回すことが求められます。

例え1日10分でもすきま時間は積み上げることで大きな力となります。

スタッフさんの数が約50名ならば、1日の合計時間はなんと500分(8.3時間)になります。

1日500分を1年間積み上げれば2041.6時間です(245日稼働の場合)。

これは、1人分の1年間の労働時間に匹敵します。

人1人雇った時間を作れてしまうのです。

それが1日20分ならば2人分、30分ならば3人分の時間が捻出できるのです。

いかに「すき間時間」が貴重な資産であり、みなさんの将来を作ることに貢献するかおわかりになると思います。

また、誰でも目の前の仕事だけに追われている状態が続くと余裕がなくなり、仕事自体が雑になる傾向があります。

仕事の質を高めるためにも、仕事にメリハリをつけるためにも、「すき間時間を計画的に作ること」が大切です。

段取りも、整理、整頓(5S)も、チェックとカイゼンも、提案制度も、すき間時間を積み上げることでできるのです。

すき間時間を計画的に設けることはタイムマネジメントそのものであり、社員さんの優秀さを示す具体的取り組みです。

日々のムダの削減にも、いい人間関係を構築するためにもすき間時間を計画的に活用していきましょう。

問題点登録票を活用することも効果的です

「見て見ぬふりをする」ことが社風になってしまっている会社はどこかで必ず致命的な問題が発生します。

それを防ぐために組織は、「BAD NEWS FIRST!」が機能する組織風土をつくらなければなりません。

つまり、組織の問題点が社員さんから自主的に上がってくる仕組み作りが求められます。

また、それらを共有することがとても大切です。

そのための取り組みとして、「問題点登録票」というものがあります。

これは、トヨタ自動車で実際に使われているものです。

いい会社を作るためには、「当事者意識」「全員が経営参画」「気付き」「見て見ぬふりをしないこと」が根底にあります。

また、問題点登録票から提案制度に繋げることもできます。

問題点登録票のポイントは以下の通りです。

①どんなに完成されたと思われる組織にも問題点は日々必ずあるため、全員参画で問題点を見つけ、登録し解決していくこと
②日ごろの仕事の中での問題点を書き出したら、掲示板等に掲示して周知すること(自分たちで解決ができなければ、提案制度のテーマにしてみんなで考えること)
③期限を決めて対策内容を考えること
④PDCAサイクルを回すことに直結するが、ポイントとなるのはチェック=バッドニュースファーストが機能する風土をつくること
⑤問題点をたくさん出した人が評価されること(どんな仕事でも問題点は必ずあるからです。それを謙虚に受け止め、バッドニュースを取り上げカイゼンに繋げるところがポイントです。)
⑥制度が機能する組織風土を構築することに繋がること

問題点登録票で登録されたテーマは、そのまま提案制度のテーマとして全員参画で考えることが可能となります。

ぜひとも働く誰もが「常に考える」ことができる組織風土を定着させましょう。

社員さんのモチベーションが下がる要因は、大変な仕事に忙殺され、先が見えなくなったときです。

中には、きつい仕事が自分に集中すると「自分ばかり損な役をしている」というように考えてしまうこともあります。

リーダーはそうならないように問題点を常に吸い上げ、多能工化を図り、大変な仕事が固定化されないようにジョブローテーションを進めていきましょう。

これらの取り組みはまだまだ入口であり、詳細まで伝えきることができないことをご了承ください。

続きについては、また改めて述べたいと思います。

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