『いいものを安く』から脱却しましょう

人口減少とは若者の減少・・・人口ピラミッドから

もはやピラミッドの形を成していない我が国の人口ピラミッドから

人口ピラミッドは、将来を見据えた国の政策や経営戦略の元になる大切なデータです。

大辞林によりますと、以下のように記されています。

人口ピラミッドとは
国や地域のある時点における年齢階層別人口を上下に、男女を左右に分けて並べた図。その形態によって人口構成を知ることができる。一般に発展途上国などの多産多死型社会ではピラミッド型になるが、先進国などの少産少死型社会では壺つぼ型になる。

我が国の人口ピラミッドを見ると、改めて気付かされることがあります。

最も感じるのは、若者の減少が著しいと言うことです。

まずは今から3年前(2015年)の人口ピラミッドを見てみましょう(引用元:国立社会保障・人口問題研究所)。

人口のピークとなる層がふたつあります。

これらは、第一次ベビーブームと第二次ベビーブームによるピークです。

2015年は、男女ともに100万人近い「団塊の世代」が一斉に退職を迎えた直後になります。

企業にとっては、多くのノウハウが失われることが危惧され、技能継承が大きな課題となりました。

現在も多くの企業でそれらの課題の解決に取り組んでいます。

2015年に40代前半を迎えるゾーンが第二次ベビーブームの世代となります。

それぞれの年齢ごとに男女ともに90~100万人ほど存在します。

なお、デジタル大辞泉によりますと、団塊の世代とベビーブームについて以下のように記されています。

団塊の世代とは
昭和22~24年(1947~1949)ごろの第1次ベビーブーム時代に生まれた世代。他世代に比較して人数が多いところからいう。

赤ん坊の出生率がとても高いこと。特に、日本で、第二次大戦後、子供の誕生が爆発的に増えた時期のこと。普通、昭和22年(1947)から昭和24年(1949)ごろの第一次ベビーブームと、この世代が親になった昭和46年(1971)から昭和49年(1974)ごろの第二次ベビーブームとを指す。→団塊の世代 →団塊ジュニア

一方、生産年齢人口において最も人数が少ないゾーンは、16~25歳の最も若い世代です。

その人数はそれぞれの年で男女ともに約60万人です。

第二次ベビーブーム世代と比較すると、この時点で3~4割人が少なくなっています。

2018年現在、このピラミッドが3年上方へシフトしていますが、さらに時計の針を2年進めて、2020年の人口ピラミッド(予測)を見てみましょう。

東京オリンピックが行われるこの年は、生産年齢人口の中で最も若い世代16~25才の減少が2015年よりも加速していることがわかります。

男女ともに60万人を切りはじめ、50万人台になっています。

さらに次の若い世代は、第二次ベビーブーム世代と比べると半分近くになっていることも着目すべきです。

これは極めて大きな脅威となるでしょう。

人口減少というのは若年者の減少であり、地方ではさらに加速している

人口減少とは、これからの若者が減っていく事だと改めてわかります。

人口減少というと、先の世代から徐々に少なくなっていくようなイメージを持ってしまいますが、真逆であることに気付かされます。

人口減少という言葉から抱くイメージと現実が一致している方は案外少ないかもしれません。

団塊の世代が退職した現在、第二次ベビーブーム世代が人口のピークです。

これからは、減る一方であることを改めて認識する必要があるでしょう。

自分たちよりも若い世代が「減る」という現実にまだ慣れていない人たちもいるでしょう。

さらに、地方ではそれが加速する可能性があります。

私が住んでいる静岡市の人口ピラミッドを見てみましょう。

上が2015年、下側が2020年の予測データです。
(引用:GD Freak様の加工データ。【データ出所】総務省 国勢調査及び国立社会保障・人口問題研究所 将来推計人口、総務省 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数)

第一次、第二次ベビーブームに人口のピークがあることは全国の統計と共通します。

大学卒業年を含む20~24歳のゾーンをみると、2015年は男女ともに15,000人台にまで減りました(合計で30,000人台)。

おおまかに5で割り、1学年の数字を算出すると、男性約3,000人、女性3,000人となります。

私は、この数字の少なさに驚きました。

平成26年度の経済センサスによりますと、静岡市には38,191の事業所があります(葵区、駿河区、清水区の合計)。

企業の数に対して、若者の絶対数が不足していることがわかります。
(1学年の人数と事業所の割合は、15.7%(6,000人/38,191事業所)となります。)

このことから、新卒者を採用したくても採用できない会社が続出するのは当然のことです。

このようなことが毎年深刻化していくと、若者が採用できない会社が続出し、人財不足による廃業も現実味を帯びてきます。

そういったことがないように私たちは変わっていかなければなりません。

東京以外の地方では、程度の差こそあれ、同じ問題に直面していると思います。

先日、気になるNEWSが神戸新聞で紹介されていました。

2019年春に卒業予定の大学3年生の就職活動に「異変」が起きている。
今月解禁された主要企業による企業説明会の会場で、採用担当者から漏れるのは「昨年より学生が集まらない」との声。
面接など6月の選考開始まで3カ月しかない短期決戦だが、学生の出足が鈍いという。
就活生はどこへ消えた?(神戸新聞 2018年3月21日)

もちろん、その他の要因もあるでしょうが、若者の減少も無縁ではないでしょう。

さて、静岡市の人口ピラミッドにもどると、2015年は15~19歳のゾーンの人口が20~24歳よりも多いですが、2020年の予測では減っています。

静岡県外に出てしまう若者も依然として多いことでしょう。

また、2020年は、0~14歳の年少人口の減少も目立っており、静岡市の将来が懸念されます。

これらより、若者がいない現状が改めてよくわかると思います。

この傾向は、これからますます強くなることが懸念されますが、私たちはどうすればいいのでしょうか。

我が国の将来の展望を考えてみましょう。

個人とそれぞれの分野においてパラダイムシフトが求められる

将来の展望を考える上で、参考として、2025、2035、2045、2065年の人口ピラミッドを示します。

以下は、2025年、2035年の人口ピラミッドです。

以下は、2045年、2065年の人口ピラミッドです。

私たちは、こうした未来を真剣に捉えて、より良く変わっていかなければなりません。

子供を安心して産める社会にしていくことは大前提ですが、そのために、個人とそれぞれの分野において以下のようなパラダイムシフトが求められると思います。

〇右肩上がりの経済や経営の思想を捨てること
〇会社数も減ることを前提として考えること
〇税収は増やすのではなく、減ることを前提として考えること
〇学生も若者も減ることを前提として考えること

パラダイムシフトとは
① 科学者集団に共有されているパラダイムが、ある時点で革命的・非連続的に変化すること。
② 思考や概念、規範や価値観が、枠組みごと移り変わること。

右肩上がりの経済や経営の思想を捨て、会社、税収、教育、家庭等を考えてみます。

①利益重視の経営に

子供を安心して産めるようにするためには、家庭も、個人も、所得を上げる必要があります。

そのために企業は、売上高よりも、利益重視の経営にシフトしていくことが求められます。

また、働く社員さんはもちろん、協力会社の社員さんまで含めた給料のアップが求められます。

薄利多売の経営ではそれが困難です。

「いいものを安く」の経営からの脱却が求められます。

企業は「人を大切にする経営」を実践し、付加価値生産性を高めることが大前提です。

②AIに成り代わる職業が加速する

AIの普及により、これからますます人を中心とした社会になります。

よく言われていることですが、無くなっていく職業も増えていくことでしょう。

つまり、人は考えることがますます求められるのです。

考える事を放棄してしまったら、AIに取って変わられます。

特に、「作業」はAIに取って変わられます。

付加価値の高い職業、仕事が残っていくことでしょう。

付加価値は人間が考えて知恵を出すことでつくられます。

そのような変革期を迎えている中で、教育も学歴重視から人間性重視へと変わっていくことが求められるでしょう。

教育に関するパラダイムシフトをしないと、雇用のミスマッチはますます大きくなっていくことが懸念されます。

若者はせっかくいい会社に入社しても辞めてしまうからです。
(「石の上にも三年」と言われることは完全に無くなりました。)

この点も極めて重要なポイントであると考えます。

求められる人財像は、「当事者意識」「気付きの力」「危機感」のレベルが極めて高い『人財』です。

『人財』が将来のいい会社をつくっていくからです。

学校教育だけでなく、家庭教育も極めて重要です。

③70代を超える経営者が増え、M&Aの時代に

後継者難による廃業と、M&Aが加速することで、企業自体の数はさらに減っていくことが考えられます。

これを防ぐためには、後継者(優れた経営者)を育成することが求められます。

若くして社長になるケースも今後ますます増えることでしょう。

優れた経営者になるための教育がますます重要視されることでしょう。
(これも人間性重視の教育と重複します。)

税収は増やすのではなく、減ることを前提として考えること

反面、増えてはいけないものの筆頭は税金です。

人口が減る以上は、税収を増やすやり方を変えなければなりません。

もし1人当たりの税金が増えてしまったら、家計へのダメージが大きくなり子供はますます減ることでしょう。

人口減少はますます加速していくことでしょう。

それゆえ、税収が減ることを前提とした予算組みが必要だと思います。

無駄なコストを削減することはもちろんです。

それだけでも相当対応できると思います。

税収が減っても十分なまつりごとは可能だと断言します。

なお、外国人労働者を増やすことに関しては、今のところ私は安易に取り組むべきではないと考えております。

慎重に行うべきだと思っているからです。
(それらについてはまた述べます。)

地球がなくならない限りその日は訪れる

改めて人口ピラミッドを見ると先細りになる我が国の状況に驚くことばかりです。

問題を先送りしても、危機的状況がますます加速するばかりでしょう。

ならば、その日をハッピーに迎えられるように今から準備をするべきです。

未来の子供たちに対して、私たちは無責任な生き方をしてはならないと思います。

問題が起こることを想定して、準備を進めることです。

将来はハッピーに、今この瞬間は危機感を持って、私たちひとり一人が変わっていくべきだと思います。

パラダイムシフトをするべきです。

それが明るい将来をつくっていくために現在出来うる唯一のことかもしれません。

変わるためには負荷がかかりますが、きっと明るい将来が待っています。

この問題は、引き続き述べていきたいと思います。

大丈夫でいきましょう!

  1. 人として正しいか正しくないか、自然か不自然か

    この1ヶ月間、静岡新聞「今週のベストセラー」で3回紹介されました
  2. モチベーション・やりがい・仕事の喜び

    『人を大切~』が静岡新聞で第1位に!陸王もランクイン
  3. 『いいものを安く』から脱却しましょう

    いい会社にしていくために・・・『人を大切に~』が第2位にランクイン
  4. 『いいものを安く』から脱却しましょう

    『人を大切にするいい会社見つけました』が第3位&3刷
  5. 『いいものを安く』から脱却しましょう

    ローランドベルガー長島聡社長のAI現場力と和ノベーション
PAGE TOP