PDCAサイクル

ホワイト企業とブラック企業の見分け方とポイント

ホームページや会社案内からでは見分けることはできません。大切なのは社員さんの働き方。

ここ数年、ホワイト企業とブラック企業の見分け方について質問を受けることが多くなっています。

今日は、企業支援の現場から、その見分け方とポイントについてお話ししたいと思います。

まず、ホームページや会社案内からでは、見分けることはできません。

ホームページや会社案内で見ることができるのは、休日や給料等の制度面です。

それだけでは絶対にわかりません。

また、休日が多く給料もいいからホワイト企業で、少ないからブラック企業だと安易に決めつけることもできません。

大切なのは働き方だからです。

本当のことは、実際にその会社に行ってみて、社員さんや社風に接してみないとわからないのです。

ホワイト企業とブラック企業の境目は制度が機能するか否か

ホワイト企業では、制度が機能しています。

ブラック企業では、制度がほとんど機能していません。

制度が機能するとはどういうことでしょうか。

これは、制度を活用することによって、社員さんのモチベーションが上がり生産性も上がるような状態になることを言います。

そもそも、そのために各種制度(有給休暇制度、育児休暇制度、人事考課制度など)があるはずなのです。

そうならない会社は、ブラック企業のおそれがあります。

結局は、働く人がいかにやりがいを感じて働き、制度をありがたいと思って活用しているかなのです。

制度が「あたりまえ」の状態になってしまうと、機能しなくなっていきます。
(組織の生産性が下がっていきます)

例えば、年間休日が120日以上であっても、働いている人がやりがいを感じていなかったらブラック企業のおそれがあるのです。

ちなみに、企業規模1,000人以上の平均年間休日数は114.4日です(平成27年厚生労働省就労条件総合調査結果より)。

平均以上の年間休日なのに、働いていてやりがいを感じない要因はどこにあるのでしょうか?

本質を考える必要があります。

そうした中で、次のような会社もあります。

この会社は、年間休日が90日にも満たないですが、スタッフのみなさんが光り輝くようなサービスを提供しやりがいを感じ、離職率が0%に近いです。

社員さんが常に知恵を出し、短時間労働に努力されています。

この会社は、ブラック企業ではありません。

光り輝くホワイト企業なのです。

反対に、制度自体はホワイト企業なのに社員さんの働き方がブラックだという会社が実に多いのです。

中小企業よりも制度面ではとても充実している公務員のみなさんや大手企業などで働くみなさんは、いかがでしょうか?

ホワイト企業は、何よりも社員さんを大切にします。

そして、その家族も大切にします。

さらに、協力会社さんやお客さま、地域の人も大切にします。

また、ホワイト企業の社員さんは自主的に仕事に取り組みます。

人から言われる前に、自分で問題点に気付き、改善を図ることが徹底されています。

一方、ブラック企業では社員さんを大切にする気持ちが弱くなります。

ブラック企業の社員さんは、何のために仕事をしているのかさえも見えなくなっているケースがあります。

「やらされ感」「指示待ち状態」「人ごと感」で仕事をしてしまうことも多いのです。

この差はとても大きく見えますが、実は紙一重であることも多いです。

制度が充実していても、ブラックな働き方をしている方も存在してしまうのですから。

常にいい会社であることを目指していないと、いつ何時ブラック企業になってしまうかわかりません。

これは、多くの企業を見てきたからこそ体感しているポイントです。

ホワイト企業の社風・組織風土とは

ホワイト企業の組織風土についてお話しします。

そもそも、公式組織が成立するためには、共通目的・貢献意欲・コミュニケーションの3要素が不可欠です。

ホワイト企業では、これらが高い次元で機能する社風になっていきます。

ホワイト企業の共通目的とは、経営理念・社是等に働く人が幸せになるべきだという想いが込められています。

例えば、有名なホワイト企業である伊那食品工業さんは「いい会社をつくりましょう」、未来工業さんは「常に考える」ですが、社員さんが幸せに働くための共通目的なのです。

それが特徴です。

次に、ホワイト企業の貢献意欲とは、まずは社員さん同士で協働する意欲があり、協力会社・外注企業さんに対して、お客さまに対して、地域の人に対して、役に立とう、必要とされよう、喜ばれようとする強い意欲がある状態です。

最後に、ホワイト企業のコミュニケーションは、社員さん同士を筆頭に、協力会社さん、お客さま、地域の人たちとの質の高い双方向のやりとり(関係づくり)があります。

なお、質の高いやりとり・コミュニケーションとは情報の伝達、連絡、通信の意だけではなく、意思の疎通や心の通い合いも含まれます。

社員さんのがんばりに対して会社から適正な報酬が与えられるのも質の高いコミュニケーションです。

また「ありがとう」の声も該当します。

ブラック企業のおそれがある会社では、こうした社風がほとんど認められないのです。

組織風土・社風は常に変化し、個人の感情によって崩れていく

注意点として、組織風土・社風は常に一定の状態ではなく、変化するということです。

また、組織風土は、個人の負の感情が大きくなってしまうことで崩れていきます。

だから、組織風土・社風をよくするためには、個人の感情よりも、公式組織成立の3要素である共通目的、貢献意欲、コミュニケーションが高いレベルで機能するように気をつけることがとても重要なのです。

ところが、個人の感情は無意識に出てくるため、とても難しいのです。

油断をすると組織風土は見る見る悪くなってしまいます。

だからこそ、ホワイト企業では、組織風土・社風をよくするための取り組みを常に実践しているのです。

「これでよし」「これで終わり」ではなく、常に考え、常に行動することが求められるのです。

また、ホワイト企業では、働いているスタッフさんが「忙しい中でこそ」真価が発揮される風土ができています。

ブラック企業のおそれがある会社では、忙しくなってくると「それどころじゃない」といってせっかく決めたルールが守られなかったりします。

そこも重要な境目であり、紙一重です。

ホワイト企業ほど「忙しい時こそルールを守ろう」という気運が産まれるのですが、油断すると目先のことに囚われてしまいます。

個人の感情がわき上がってくるのです。

あるべき姿と現状のギャップに気付きカイゼンするのがホワイト企業

真のホワイト企業である「人を大切にするいい会社」では、個々の仕事に対して必ず目的を明確にする社風が構築されています。

そして、計画、実行、チェック、カイゼンのPDCAサイクルが常に回っており、それを自主的に回すことができる『人財』がたくさんいます。

考えてみれば単純ですが、目的も不明確で、計画もなく、やりっぱなしで検証もしない社員さんでは、真のホワイト企業では務まりません。(この働き方がブラックなのです。)

ホワイト企業では、大きな計画から日々の計画までグループや個人単位のものも含めて大小様々なPDCAサイクルが回っています。

ここでPDCAサイクルのポイントを簡単にお話しします。

〇計画:いつまでにという期限を決めて、いつやるかを具体的に決める
〇実行:計画通りに実行し、その時が来たらパッとやめられるようにする
〇チェック:目的と照らし合わせて、問題点といい点に「気付く」こと
〇カイゼン:目的と照らし合わせて、5W2HやECRSによって原因を究明しカイゼンする等
      (なぜその時にしたのか、なぜその人がしたのか等「なぜ、なぜ、なぜ」を繰り返す)

繰り返しますが、PDCAサイクルの前に、その仕事やプロジェクトの目的を常に明確にしておくことが極めて重要です。

多くの会社でPDCAサイクルは回っていません。

せっかく目的を明確にして、計画して行動したのに、やりっぱなしになってしまうのです。
(そう言った意味では、ブラック企業の疑いがある会社はとても多いのです。)

その要因は、PDCAサイクルのチェックの時に、無意識に発生する心理的な抵抗感にあると考えられます。

人は誰しもいい点ばかりを見たい反面、問題点は無意識のうちに回避したいのです。

そうなるとカイゼンすることができなくなります。

真のホワイト企業では、逆に問題点こそチャンスとして捉えます。

問題点をカイゼンした瞬間、確実に会社が成長するからです。

また繰り返しますが、真のホワイト企業ほど問題点が多く出てくるのは、自主的に問題点に気がつくことができる「人財」が多く存在するからです。

人財は決して「見て見ぬふり」をしないのです。

ですから、真のホワイト企業で働く「人財」は、以下のように結論付けられるのです。

人財は、自主的に「あるべき姿」と現状のギャップや問題点に気付き、カイゼンすることができる人である(自主的にPDCAサイクルが回せる人)。

もし問題点を先送りしたら、いい会社になることも先送りされることになります。

世界一の製造業であるトヨタでも「BAD NEWS FIRST!(問題点をいちばんはじめに見つけてカイゼンを図る)」が徹底されています。

未来工業さんでは、提案制度が機能しているのです。

今、世の中で問題になっていることも、真の原因はここにある

PDCAサイクルは多くの会社や組織で機能していません。

「やりっぱなし」や「見て見ぬふり」が横行しています。

今、世の中で起きている様々な事件や問題は、これが真の原因です。

品質のデータ偽装問題も、森友問題も、女子レスリングのパワハラ問題も、大相撲の問題も。

だから、こうした問題が起きている団体は、ブラックな組織であると言えるかもしれません。

働く全ての人がホワイト企業で働くことを目指しましょう。会社をより良く変えましょう。

ホワイト企業とブラック企業の見分け方とポイントをお話ししてきましたがいかがだったでしょうか?

人間は完璧ではなく、感情の生き物です。

1日仕事をすれば、問題点は必ず出てきます。

それに対して確実にカイゼンしていくことがホワイト企業で働くポイントです。

さらに言えば、「いつまで」に対策するという目標を決めてPDCAサイクルを回すことは、ホワイト企業における大切な「仕事」なのです。

そして、これこそが働く人の人生を豊かにしていくことなのです。

私たちは、どんなにがんばっても働く時間に限りがあります。

だから、限りがある人生の時間を充実させることがホワイト企業では徹底されているのです。

ホワイト企業もブラック企業も大きな差があるように見えますが、紙一重です。

そして、ブラック企業の疑いがある会社もホワイト企業に変わることはできます。

中心は「人」です。社員さんです。

ぜひ「人を大切にするいい会社」を増やしていきましょう。

働き方改革の本質です。

大丈夫でいきましょう!

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