『いいものを安く』から脱却しましょう

従業員29人以下の企業、2017年度の新規求人数が過去最高を更新

従業員29人以下の企業による2017年度の新規求人数は1996年度以降で過去最高を更新

中小企業の人手不足について厚生労働省から気になるNEWSが出てきました。

従業員29人以下の企業での新規求人数が1996年度以降で最高を更新したということです。

以下、日本経済新聞の記事を引用いたします。

中小企業の人手不足が強まっている。厚生労働省によると、従業員29人以下の企業による2017年度の新規求人数は756万人となり、さかのぼれる1996年度以降で過去最高を更新した。従業員の多い企業に比べて伸びが顕著だ。転職者に好条件を示す企業が増え小規模企業に人材が集まりづらくなっている。

17年度の新規求人者の総数は1161万人と過去最高。小規模の事業者による求人が、全体の求人数を押し上げた。従業員数が多い企業も求人を増やしているが、相対的に伸びは鈍い。従業員1000人以上の企業が17年度に出した求人は11万人と、過去最高だった06年度の半数程度。

中小企業の求人が目立って増えている背景には、人手不足による転職市場の好転がある。中小企業庁の調査では、企業規模が小さいほど離職理由に給与額への不満をあげる人が多い。大企業と中小企業の賃金差は埋まっておらず、収入面で良い条件を求め、規模の大きな企業を選ぶ傾向が強まっている。

求人難を理由に事業をたたむ企業も増えている。東京商工リサーチによると1~4月に人手不足を理由にした倒産のうち、「求人難」は前年同期比で8%増えた。17年度の全国の企業倒産は27年ぶりの低い水準だが、規模の小さな企業を中心に人手不足が経営の足かせになっている(日本経済新聞 2018年5月15日)。

従業員29人以下の会社でも人が採用しやすくなる方策を考えていきましょう。

まず、従業員29人以下の会社は、決して小さすぎる規模ではありません。

一般的な中小企業です。

直接的な採用に繋げるために、やるべきことは極めてシンプルです。

大手企業にはない魅力を磨き、世の中に情報を発信し続けることです。

特に人財を大切にする面を全面的に訴えるべきです。

それが差別化そのものになります。

人手不足による廃業が今後も増えることが懸念されます

気になるのは、「求人難」を理由に事業をたたんでしまう企業も増えていることです。

上記の東京商工リサーチによる1~4月に人手不足を理由にした倒産のうち、「求人難」が前年同期比で8%増えたことは見過ごすことができません。

つまり、「求人を出しても人が集まらない」ということなのです。

以前は、景気が悪くなれば人へのリストラが横行していました。

これは間違った経営ですが、そのツケが今になってあらわれたと思います。

以下は、2009年7月に完全失業率が5.7%になった時の記事です。

かつて「人なんて募集すればいくらでも集まる」といった価値観の方がいました。

ところが今は若者を中心として実際に「人がいない」のです。

こうなってしまった要因はどこにある?

こうなってしまった要因は、私たちが目先のことばかりにとらわれて、最も大切な「人」という部分を軽んじてきた結果だと思っております。

国も、企業も、学校も、本当に大切なものを見失ったままここまで来てしまったのではないかと思うのです。

この10年間を振り返ってみてもそれは顕著であり、それが深刻なデフレ経済を生み出してしまったのです。

だからこそ私たちは「いいものを安く」という我が国独特の価値観からの脱却が求められるのです。

商品・サービスを提供する側としてはもちろんのこと、消費者としても求められるのです。

いいものは高くて当然ですし、そうあるべきなのです。

そうしないとあちこちに歪みが生じてしまうのです。

いいものを安くを追求するあまり、私たちにとって最も大切な安心・安全が犠牲になってしまうことはあってはならないのです。

我が国の将来をつくっていく子供たちが減っていることは、我が国の存続の極めて大きな脅威です。

私たちは、国と企業が連携しながら「子供を安心して生んで育てられる環境づくり」を推進し、そのための若年者の給与のアップをし続けることが求められるでしょう。

そのために企業は価格競争から脱し、高い付加価値を提供するように経営努力をするべきなのです。

その中心にいるのは、企業にとってかけがえのない「人財」であることを力説したいと思います。

将来のことについてほぼ確実に言えることを踏まえて、私たちの価値観を変えなければなりません

将来のことは誰にもわかりませんが、ある程度確実性をもって予測することは可能です。

人の面では、以下の3つが言えます。

①若者は増えませせん。減っていく一方です。若者が安心して子供を産み育てられるよう、賃金を高めること
②後継者難で廃業する企業が増えます
③人財が差別化を実現している会社が求める人財像と学校・家庭・地域での教育とのギャップが広がっている
(AIに代替されない仕事は決して楽な仕事ではありません)

若者が増えないことについては、人口ピラミッドを見れば一目瞭然です。

人口減少とは、若者の減少なのです。

以下を参考としてください。

私たちは、「少子高齢化」というキーワードを漠然と捉えていたと思います。

実際に数値によって明らかにすることでいかに大きな脅威かがわかるのです。

例えば、静岡市において今年23歳になる若者は、6,352人しかいないのです。

これには驚く方も多いことでしょう。

また、若者は収入面でも厳しいです。

上記の記事は8年ほど前のものですが、今も現状は変わっていないと考えられます。

今も若年者の半分近くが親の収入をあてにしていることでしょう。

これで若者が安心して子供を産み、育てることができるでしょうか?

できないのです。

人への投資を積極的に

もうひとつ、人への投資を積極的に実施して欲しいと思います。

先日、再生をめざす民間ファンドへの出資が行われている記事が掲載されておりました。

とても素晴らしい取り組みです。

独立行政法人の中小企業基盤整備機構は、地方の中核企業の再生をめざす民間ファンドに60億円出資する。地方では高い技術力やサービスを持っていても、経営体制や経営者の高齢化が壁になるケースも多い。ファンドを通じた資金支援で、地方を活性化する。

出資するのは投資ファンドのニューホライズンキャピタル(東京・港)が運用する現在約150億円規模のファンド。ニューホライズンは中小企業の再生や事業承継などで投資した実績を持つ。特に地方で地元に根ざした取引ネットワークを持つ中核企業の支援に強いとされる。将来はファンドの運用規模を250億円まで拡大する。

中小機構は2017年7月末施行の「地域未来投資促進法」を踏まえ、地域活性化につなげる取り組みとして出資を決めた。60億円は同機構として最大規模(日本経済新聞 2018年5月2日)。

投資というと、技術やノウハウに対するものがメインですが、この既成概念を一度打ち破って欲しいと思います。

それは、「人への投資」を積極的にかつ、永続的に行うことです。

私たちは、なぜか人への投資がおろそかになりがちです。

まさに経営体制や経営者の高齢化が壁になっている企業において、積極的な「人財への投資」が必要になってくると思います。

前述した「若者が安心して子供を産み、育てられる環境づくり」を実現するためにも重要です。

また、経済産業省の分析では、現在127万社の中小企業が後継者不在の状態にあるそうです。

2025年には6割以上の経営者が70代を超えます。

それらのうちの5割は経常黒字の企業です。

後継者がいないという危機を回避するためにも人への投資をしていくべきだと考えます。

学校、家庭、地域での教育を「いい会社に入社し活躍することを見据えた」ものに

教育の世界(学校、家庭、地域)においてもやるべきことがあります。

上記の従業員29人以下の会社でも「人を大切にするいい会社」が存在することでしょう。

大手企業以上にダイナミックでやりがいのある会社も存在することでしょう。

ぜひ、若者には先入観を取り除いて欲しいと思いますし、そういった教育を先生方や親御さんにお願いしたいと思います。

そのためにも、教育においては最低限以下の3つをお願いしたいと思います。

①人として正しい部分を磨く教育
②仕事とは人間らしく生きる上で不可欠なものであることを教える教育
③知らない会社でもいい会社があることを知る教育

これからAIに取って変わられる仕事は増えていくことでしょう。

特に、就職活動をされる若者の中には、そこを意識して欲しいと思います。

そして、自分が希望する職種がAIに取って変わられませんか?

多くの方が勘違いをされておりますが、AIは「楽」になることではありません。

むしろ、人はより「考える」仕事にシフトしていくことが求められるのです。

何のために考えるかというと、そもそもの仕事の本質を追求するためです。

それは「人、世の中の役に立つ仕事」を考え、提供する事です。

そして、「人を大切にするいい会社」では人財が差別化を実現しています。

大変な仕事の先に大きなやりがいが待っているのです。

それが人として正しい行為なのではないでしょうか?

それらのことを踏まえた教育が必須です。

若者はせっかくいい会社入社してもそのギャップが大きいために辞めてしまうケースが後を絶ちません。

これは、「いい会社」で求められる人財像を意識した教育が弱いからだと実感しています。

また、いい会社の裾野を広げるためにも、知らない企業でもいい会社がたくさんあることを教えるべきです。

以上のことを実践すれば、従業員29人以下の会社でも人が採用しやすくなることでしょう。

続きはまた述べたいと思います。

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