至学館大の谷岡学長が栄和人レスリング部監督の解任を発表

  1. スポーツ

「全く反省できていないと思わざるを得ない。このチームを率いるにはふさわしくない」と谷岡学長

至学館大レスリング女子の栄和人監督が解任されました。

以前、この問題については以下の記事で示した通りですが、今回の結末は非常に残念だというのが正直な気持ちです。

以下、日本経済新聞の記事を引用いたします。

レスリング女子の伊調馨選手(ALSOK)らに対するパワーハラスメント行為が認定された栄和人氏について、至学館大の谷岡郁子学長は17日に記者会見し、レスリング部監督を解任すると発表した。谷岡学長は「全く反省できていないと思わざるを得ない。このチームを率いるにはふさわしくない」などと理由を述べた。

全日本選抜選手権開幕の14日に栄氏が謝罪会見を開き、至学館大監督として現場復帰した。谷岡学長は、栄氏が大会中に知人と昼食に出掛けたことなどを挙げ「選手とともに歩んでほしいと何度も言った。監督業を真剣にやろうと集中しているとは思えない状況だった」と説明した。

至学館大は栄氏の指導を受ける学生や卒業生らにカウンセラー立ち合いの下、聞き取り調査を実施し、過去の不適切な言動や運営が判明したという。谷岡学長は5月24日に理事会を開き、栄氏を減俸処分としたことも明らかにした。

谷岡学長は副学長の吉田沙保里選手には事前に伝えており「仕方がない」と納得したという。

2020年東京五輪に向けて、今後の体制はコーチ、選手らが相談して決めるが、吉田選手に監督就任を打診する可能性については「あり得ると思う」と否定しなかった(日本経済新聞 2018年6月18日)。

この解任劇には賛否両論あると思います。

「え?」と思われる方も多いでしょう。

栄和人前監督は14日に謝罪会見をしたばかりです。

以下、日本経済新聞の記事を引用します。

日本レスリング協会の前強化本部長で伊調馨選手らへのパワーハラスメント行為が認定された栄和人氏が14日、東京都世田谷区の駒沢体育館で記者会見し「伊調選手、田南部(力)コーチに深くおわびしたい。今後二度と起こさないように、常に他人に敬意を持って接したい」と神妙な面持ちで謝罪し、頭を下げた。伊調選手に面会して直接謝る意向も示した。

至学館大の監督として、同体育館で始まった全日本選抜選手権で現場復帰した。

公の場で話したのは、第三者委員会の報告書に基づき、日本協会が4月6日の緊急理事会でパワハラ行為を認定後では初めて。栄氏は同日付で強化本部長を辞任した。

第三者委員会や内閣府が指摘したパワハラ行為について「真摯に受け止める」としたうえで、「どういったことを言ったか覚えていないが、コミュニケーション不足によりこういう事態になった」と釈明した。

今後に向けては「指導者として日々精進したい。しっかり勉強しなければ」と話し、協会が設ける研修プログラムを受講すると説明した。

協会は理事会で栄氏を常務理事から解任する方針を決めている(日本経済新聞 2018年6月14日)。

栄前監督は、4月に日本レスリング協会の強化本部長も辞任

栄前監督は、日本レスリング協会の強化本部長も辞任しています。

2ヶ月ほど前に時計の針を戻してみましょう。

以下は2018年4月9日の日本経済新聞の記事です。

レスリング女子で五輪4連覇の伊調馨選手らへのパワーハラスメントが認定され、日本レスリング協会の強化本部長を辞任した栄和人氏が9日、代理人を通じて謝罪するコメントを発表した。
 
全文は以下の通り。

日本レスリング協会第三者委員会から、私の伊調馨氏及び田南部氏に対する行為の一部がパワーハラスメントに該当すると認定されたことにつき、私の不徳のいたすところと深く反省し、責任を痛感しております。

伊調馨氏、田南部氏をはじめとする関係各位に対し、深くおわびいたします。

一方、第三者委員会の調査結果として、私が伊調馨氏のオリンピック五連覇を阻止するというようなパワーハラスメント行為は認められなかったことは安堵しております。

私は、4月6日付で日本レスリング協会の強化本部長を辞任いたしましたが、これまで男女をとわずレスリング選手を応援してくださったレスリングファンの皆様に、心より感謝申し上げます。

私は、今回のことを深く反省し、今後も可能な範囲でレスリング界の発展を願い鋭意努力していきたく思っております(日本経済新聞 2018年4月9日)。

このような経緯がありながら、栄監督は最終的に至学館大の監督も解任されてしまいました。

被害者である伊調選手の精神的な苦痛も想像を絶するものがあったことでしょう。

当人同士では何ともならなかったからこそ、このような事態になってしまった訳です。

栄前監督も言いたいことはあると思いますが、一刻も早く誠意を見せる(伊調選手に直接謝る)しかない状況にあると感じました。

また、なぜこれまでそれをしていなかったのかも疑問です。

もし周りから何か言われていたとしても、やるべきことは伊調選手に面会して直接謝る(誠意を見せる)ことではなかったかと思います。

その行為自体が協会がより良くなる(体質改善)大きな一歩になると思うからです。

手塩にかけて育てた教え子が別のコーチの所に行った時のことをどう捉えるか

しかし、私は栄前監督の気持ちもわかる気がします。

自分が手塩にかけて育てた選手が他のコーチの元に行ってしまうことは、大きなショックとなったかもしれません。

みなさんも栄監督と同じ立場になって想像してみましょう。

手塩にかけて育てた教え子が別のコーチの所に行った時、どう考えるでしょうか?

〇プラスに捉える
〇マイナスに捉える

もちろん、プラスに捉えて快く送り出すことが「あるべき姿」です。

自分の指導方法に問題はなかったか謙虚に振り返ることも重要でしょう。

そしてカイゼンを図ることがより良い指導者になるためには必須です。

例え自分の感情にしこりがあったとしても「新しい環境ならばもっと飛躍できると思うからがんばれよ」と応援できるリーダーになりたいものです。

しかし、そのようなことができる人はどれだけいるでしょうか?

もしかすると、マイナスに捉えるケースの方が多いかもしれません。

「自分の指導方法は間違っていない」と思い込んでしまうこともあるでしょう。

「裏切られた」と思う気持ちも出てくるかもしれません。

そういったマイナスの感情が無意識のうちに出てきてしまったことによって、コミュニケーションが歪んでしまったのだと思います。

勢い余って(自分でコントロールできなくなって)、その時に湧いてきた感情のままに言葉を発してしまったのだと思います。
(何気ない一言を浴びせてしまったのだと思います。)

それが相手にとってはハラスメント(パワハラ)となったのではないかと想像しています。

私はリーダーも人である以上、「誰でもそうなる可能性が常にある」と考えるべきだと思います

人間誰しも感情があるからです。

そして、無意識ゆえに本人が気がついていない(自覚がない)ケースも多いこともポイントです。

自浄作用のある組織づくりが重要

パワハラもちょっとしたボタンの掛け違いで収集不可能な事態に陥ってしまいます。

パワハラがパワハラを生むような組織になっていることもあります。

そうならないためにも、リーダーは謙虚に「BAD NEWS FIRST!(問題点を見つけること)」を徹底し、傾聴力を発揮し、すぐにカイゼンすることが求められます。

それが自浄作用がある組織づくりの源です。

自分自身を謙虚に見つめ直し、かつ人に対しては傾聴力をもって接することができるリーダーならばパワハラも防げるのです。

そして、自分に明かな非がある場合、それを認めて相手に謝ることができるリーダーが尊敬されます。

だから、すぐに行動する事が大切です。

巧遅より拙速なのです。

しかし、そういったリーダーは少なく、「なぜ上司である自分が謝らなければならないのだ?」と考える人も多いのです。

独りよがりのプライドが邪魔をしてしまうのです。

それは組織をより良く機能させる上で非常に大きな足かせなのです。

ただ私たちが絶対に忘れてはならないもの

2016年のリオオリンピックにおいて、女子レスリング選手達が大活躍しました。

私はとても感動いたしました。

逆転に継ぐ逆転で、最後まで勝負を諦めない選手達のがんばりに大変勇気づけられました。

栄監督が多くの選手を金メダルに導いた実績は何ら色あせないと思います。

この実績は忘れてはならないでしょう。

そして私たちは教訓にするべきです。

栄監督(当時)の試合後のガッツポーズやバラエティ番組でのお茶目な姿から、パワハラという言葉は想像つきません。

しかし、どんなに素晴らしい人であっても問題点はあるのです。

私は問題点をカイゼンした暁には、現場に復帰して欲しいと思います。

問題点をカイゼンする方法は、シンプルです。

自分の感情よりも、個々の相手を尊重することです。

栄前監督の謝罪会見が建前ではなく本音であることを証明するためには、行動するしかありません。

つまり、誠意を見せる(伊調選手に謝る)と言うことです。

そして、伊調馨選手の目的を達成するために、全力でバックアップし応援するということです。

どんな感情があろうとも、「がんばれ!」と応援することが指導者やリーダーに求められる資質です。

また必要なスポーツマンシップです。

こうした問題をカイゼンして選手にプラスになるように

様々な問題が露呈しておりますが、2020年の東京オリンピックに向けていい機会にしていくしかありません。

伊調馨選手は5連覇を目指すのであるならば、本人の望む練習をサポートすることが大事です。

同じく、リオオリンピックで金メダルを獲得した登坂絵莉選手、土性沙羅選手、川井梨紗子選手たちは連覇がかかっています。

国際大会も大切ですが、国内の選考会もあります。

これからますます大切な時期に差し掛かります。

選手達に影響がないことを願っております。

サポートする周りの人たちがより良く変わっていくことが重要です。

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