中小企業診断士とはどんな資格か?足の裏の米粒・ご飯粒?

  1. 人と会社・企業

中小企業診断士ってどんな資格ですか

夏が近づいてきました。あと1ヶ月ほどで中小企業診断士試験がはじまります。

今日は多くの方に中小企業診断士を知ってもらうことと、できれば目指していただければというふたつの願いをこめてこの資格について述べたいと思います。

まず、中小企業診断士ってどんな資格でしょうか?

一般社団法人中小企業診断協会のホームページには以下のように記されています。

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。
中小企業診断士制度は、中小企業者が適切な経営の診断及び経営に関する助言を受けるに当たり、経営の診断及び経営に関する助言を行う者の選定を容易にするため、経済産業大臣が一定のレベル以上の能力を持った者を登録するための制度です。
中小企業基本法では、中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者(公的支援事業に限らず、民間で活躍する経営コンサルタント)として位置づけられています。

デジタル大辞泉では以下のように記されています。

中小企業支援法に基づき、中小企業経営の合理化を図る目的で、国がその資格を認定し、経済産業大臣が登録した経営コンサルタント。

ひと言でいうならば、『経営コンサルタントの国家資格』です。

私自身は経営という人間の究極の営みを支援するコンサルタントの国家資格だと考えています

私自身、(少々大げさに感じられるかもしれませんが)経営という人間の究極の営みを支援するコンサルタントの国家資格であると考えています。

そして、人を幸せにする国家資格だと思っています。

経営の支援という仕事は究極であると実感しているからです。

どんな企業も正しい経営を実践し、永続していかなければなりません。

誰でもどんな人でも(独立したり、会社に属したりしながら)働かなければなりません。

そういった会社、そして社員さん達を幸せにしていくための支援が経営コンサルタントの仕事です。

もっといえば、協力会社さんも、お客様も、地域の人たちも含めて幸せにしていく仕事です。

だから経営コンサルタントは究極の存在だと思っています。

その国家資格である中小企業診断士という資格も同様です。

私はこの資格に誇りを持っています。

そして、中小企業診断士はどなたでも取得できる経営コンサルタントの国家資格です。

これは私のような人間でもこの資格を持てているからこそ強く言えます。

中小企業診断士は独占業務がありません。どうしますか?

中小企業診断士は足の裏に付いた米粒だと揶揄されます。

足の裏に付いた米粒は、取っても食べることができません。

つまり、診断士を取得しても「取っても食えない」という意味です。

その要因のひとつに、独占業務が無いことがよく言われています。

簡単に言えば、法律で守られた業務がないということです。

それをどう思うかで中小企業診断士を取得して活躍できるか否かがわかってしまいます。

もし、「独占業務が無いから食えないかもしれない」と思っている方は、残念ですが向いていないかもしれません。

反対に、それがチャンスだと思う方は向いています。

私は「だからこそ魅力ある資格です」と言いきれます。

中小企業診断士は無限の可能性を秘めている・・・これは絶対的な価値だと感じています。

経営も人生も必ず危機が訪れます。
(反対に順風満帆な経営も人生もあり得ません)

どんなピンチでもチャンスに変えていくくらいの気持ちと行動がなければ、クライアントを幸せに導く(より良くしていく)ことなんかできません。

そのように思える方ならば、中小企業診断士の取得後もきっと活躍されることでしょう。

え?本当に?と思われる方がいたら、ぜひ資格を取得して欲しいと思います。

大丈夫です。

私もありがたいことにこれまで多くのクライアントに恵まれ、何とか食べさせてもらっているのですから。
(これまで弊社に寄せられたクライアントの声は宝です。)

中小企業診断士が足の裏の米粒なんてことは決してありません。

中小企業診断士はAIに取って代わらない資格?

中小企業診断士はAIに取って変わられないサムライ業だと言うことが昨年(2017年9月)の日本経済新聞に掲載されておりました。

これもこの資格の魅力のひとつだと思います。

以下、日本経済新聞の記事を引用いたします。

企業法務系の士(サムライ)業で業務の見直しが相次ぐ背景には、野村総合研究所が2年前に発表した衝撃的な研究結果がある。英オックスフォード大学との共同研究は、独占業務を持つこれらの業種の多くで「人工知能(AI)による代替可能性が高い」と指摘した。

同研究は「10~20年後に、日本の労働力人口の約49%が技術的に代替可能」とし、国内の601業種についてAIに取って代わられる可能性を分析した。弁護士は1.4%と低いものの、弁理士92.1%、司法書士78.0%、公認会計士85.9%、税理士92.5%など、難関とされるサムライ業でも確率が軒並み高くなっている。

野村総研は代替可能性が高い業種について「定型業務が多い」(調査を担当した岸浩稔主任コンサルタント)などと指摘。一方で中小企業診断士などは「経営者を説得する能力などが重要で、代替可能性は低い」(同)とした。

この結果に各業界の団体は反発。「弁理士は発明者と協力しつつ良い特許を作り上げるコツが大切。簡単にAIにはマネできない」(日本弁理士会の渡辺敬介会長)「会計監査は企業側との対話が求められる創造的な仕事」(日本公認会計士協会の手塚正彦常務理事)などと強調する。

安泰にみえる弁護士にも「交通事故や単純な法律相談などはAIに奪われる可能性がある」(日本弁護士連合会の中本和洋会長)との警戒感がある。一方、会計士協会の手塚氏は「業務の4割程度にAIを導入する余地がある」と指摘。各業種の側でも、AIを使って効率的に仕事をする重要性は意識されている(日本経済新聞 2017年9月25日)。

私自身、なるほどなと思える部分が多いです。

「経営者を説得する能力などが重要で」と書いてありますが、これは一体どういうことでしょうか。

いかに中小企業に寄り添えるか

私のこれまでのつたない経験から申し上げたいと思います。

これは私独自の考え方かもしれませんが、「会社を良くすることは必ずしも経営者の思う通りの姿にすることではないこともある」という現実があり、これが最も難しいものだと思っています。

社員さんのモチベーションも上がり、業績も過去最高益を出すくらい高まり、社員さんの給料や有給休暇取得率などの各種制度が機能するようになった会社は、客観的に見て「いい会社」です。

クライアント企業の社長や社員さんから感謝の言葉をいただいたときは最大のやりがいが得られます。

本当にありがたいことです。

ところが、中には社長が気に入らないと感じてしまうこともあるのです。

これがコンサルの難しさです。

「自分の思い通りに進まなければ気が済まない」という社長も少なからずいるのです。

だからと言って、『社長の言うとおり、思い通りの支援をすること』もまた本末転倒なのです。
(多くの方はこの部分に疑いを持ちません)

これらのバランスをいかにとり、正しい経営に舵を切っていくかが中小企業診断士の力の発揮どころだと思っています。

中小企業の社長は、孤独である場合も少なくありません。

常に社員さんに対して厳しいことを言っている社長はなおさらです。

中小企業診断士はそういった会社に対しても、いかに寄り添えるかが重要だと思います。

どの会社もコミュニケーションに問題があります。

毎日顔を合わせていると、相手を尊重する意識が少なくなります。

そういった状況に切り込んでいくのです。

また、どんなに立派な経営計画書を作成したとしても、実際に実施するのは社長と社員さんたちであることを忘れてはなりません。

いかに当事者のモチベーションを高めて愚直にPDCAサイクルを回してもらえるかがカギなのです。

それらができる方ならば診断士の資格が足の裏の米粒とは決してならないでしょう。

足の裏の米粒を取って食べるくらいの気持ちが大切だと思います

もし、クライアントの足の裏に米粒が付いてたらどうしますか?

そんな難問が現場では次々と出てきます。

そんなとき、私は「足の裏についた米粒でもどうやっておいしく食べるかを社員さん達と一緒に考えること」を実践しています。

さらに「足の裏に米粒がつく瞬間を見逃さないこと」も重要になります。

そして、そのプロセスは無限にあります。

これらもAIに取って変わられない部分だと思うのです。

AIに取って変わらないようにするためには、どんなにピンチに陥っても諦めないことではないかと思います。

中小企業診断士が諦めたら終わりなのです。

足の裏についた米粒にしてしまうのは自分自身・・・自分自身をより良く変えられるか

独立してはじめのうちは仕事を得ることがとても難しいです。

形に見えないサービスと何者かわからない自分を売るわけですから、それは当然です。

でもその体験こそがとても重要です。

「(人からの紹介をあてにするのではなく)自分で仕事を得ること」を体験しましょう。

私はこの部分が「足の裏に付いた米粒」にしないために最も大切なことだと思っています。

生きていけるかどうかのギリギリのところまで追い込まれるかもしれませんが、そこで自分を変えようと知恵を出し努力した経験が尊いのです。

それらは必ず後で役立ちます。

誰にも得られない一次情報だからこそ、クライアントにもフィードバックできるのです。

また、私はそれらの体験があるからこそ、自分を必要としてくれるクライアントのために全力を尽くすようになると思っています。

そこで簡単に仕事が得られたら、ありがたみがわからなくなってしまうのです。

「ありがたい」と思う気持ちは、コンサルタントというサービスの質に比例すると思っています。

反対から言うと、そういった体験をしている人は意外な程少ないのです。

経験する前から回避されたり、中途半端に努力して諦めてしまったりするからです。

それは非常に勿体ないことではないかと思います。

それを乗り越えるからこそ企業支援の本質が見えると思うからです。

中小企業診断士は完全なる実力主義の世界です。

その実力とは、どれだけクライアントを幸せにしてきたかです。

そのためには、まず自分自身をより良く変えることが求められます。

だから、足の裏についた米粒にしてしまうのは結局は自分自身なのです。

クライアントのために一人で何ができるかを徹底して考える

独立したときに真価が問われるのは1人でクライアントのために何ができるかです。

中小企業の社長は言います。

「キミは何ができるの?」

「中小企業診断士?それって何する人?」

これらの問いに答えるためには、社長を熱意をもって説得し、ギリギリのところで納得させ、仕事を受注し、成果を出すことが求められるのです。

中小企業の支援は人に寄り添っていかないとならない世界です。

それがたまらなく素晴らしいのです。

ところが、残念ながらそれらは中小企業診断士の試験範囲には含まれていません。

また、現実的なことを申し上げればこの資格がまだまだ知られていないこともありますが、肝心の中小企業の社長にとってはほとんど効力はありません。

むしろ、「机上の空論を述べるに過ぎない」という評価をされてしまうこともあります。

それらを行動で覆していかなければならないのです。

大きなコンサルファームに所属している方は気が付かないうちに上から目線になっていることもありますが、1人で何が出来るかを証明しないと中小企業の社長は認めてくれないことに気付きましょう。

そうではないことを証明するためには、自分がまず経営者となることです。

私が独立を勧めるいちばんの理由はそこにあります。

私はギリギリの世界の中でこそ感性が研ぎ澄まされ、コンサルティング能力が高まると思っています。

次のステップは、実際に社員を雇いましょう(正社員であること。税金や社会保険を払うことが大切だと思います)。

実際に部下を雇い、育成していかなければ企業支援の本質は見えてきません。

中小企業診断士は人生を楽しむことができる資格

ここまで読まれた方は「中小企業診断士は大変じゃないか」と思われるかもしれません。

誤解のないように申し上げますが、中小企業診断士はとても楽しい仕事です。

これまで多くのクライアントから褒められ、必要とされ、役に立っている事が実感できている私はとても幸せな人生なのです。
(しかし私はまだまだです。もっとがんばろうと思うのです。このままではいけないと常に思っています。)

もちろん、決して楽(らく)ではありません。

楽ではありませんが、本当に毎日が楽しくて楽しくて仕方がないのです。

「楽しむ」を追求すると、気が進まないことや嫌なこと、面倒なこと等の困難が含まれることに気がつきます。

人はそれらを回避しようとしますが、一歩踏み込むと、むしろそれらがあるからこそ楽しさも倍増することに気がつきます。

だからクライアントから喜ばれたときのやりがいもより大きなものとなるのです。

「楽しむ」を追求できる方ならば、中小企業診断士という資格はきっと宝物になるでしょう。

また、私がご縁をいただいている恩師はみな人生を楽しまれています。

良き恩師との出会いも重要です。

多くの方に中小企業診断士を知って欲しいですし目指して欲しいです

中小企業診断士は近年人気の資格に数えられておりますが、まだまだマイナーな資格だと思っています。

ぜひとも多くの方に知ってもらい、また目指して欲しいと思います。

もし取得したいとお考えの方にお伝えしたい秘訣はたったひとつです。

この資格を取りたいと「その気になること」です。

そして、近い将来クライアントに喜ばれていることをイメージすることです。

たくさん稼ぐイメージでも構いません。

現状に不満足な方ほど向いていると思います。

面白いのは、試験の点数とコンサルとしての能力は必ずしも一致しないということです。

私なんかは模試はもちろん、本番の試験の点数も全く良くありませんでしたが、ありがたいことにクライアントにも恵まれています。

クライアントへの情熱は試験の点数ではわからないものなのかもしれません。

そして、中小企業診断士を取得したらぜひとも独立して欲しいと思います。

自分のことしか考えていない方は診断士には向いていませんが、誰かのために役に立ちたいと思っている方ならば成功すると思います。

ぜひいい会社を増やして、いい世の中を実現していきましょう。

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