『いいものを安く』から脱却しましょう

日本経済新聞による2018年夏ボーナス調査・・・83万755円(4.2%増)

夏のボーナスが6年連続で増加。支給額がリーマンショック前の水準に迫る

日本経済新聞社さんによる今夏のボーナス調査の最終集計が公表されました。

全産業の平均支給額は前年比4.2%増の83万755円となりました。

調査対象は上場企業・大手企業が中心となっています。

今春の純利益の伸びを受け夏のボーナスは6年連続で増加しました。

支給額がリーマン・ショック前(2008年)の水準(83万1896円)に迫ったという点も特筆すべきでしょう。

以下、日本経済新聞の記事を引用いたします。

日本経済新聞社がまとめた2018年夏のボーナス調査(最終集計、6月29日時点)で全産業の平均支給額は4.2%増の83万755円だった。企業業績の拡大を受けて6年連続で増加し、支給額はリーマン・ショック前の08年(83万1896円)に迫った。製造業が4.62%増と2年ぶりにプラスに転じ、全体を押し上げた。

調査は上場企業などを対象に17年と比較可能な586社の数字をまとめた。上場企業の18年3月期の純利益は前の期比35%増と、2年連続で過去最高を更新した。業績連動で支給額を上積みした企業が目立つ。

回答社数の7割強を占める製造業の支給額は87万5276円だった。支給額ランキングは首位にディスコ、2位に東京エレクトロンといずれも半導体製造装置大手が入った。世界的な半導体需要を背景に装置販売が好調で、200万円台後半という思い切ったボーナス支給で社員に報いる。鉄鋼や化学、電機などの業種も増額した。

非製造業は2.44%増の70万3756円だった。前年を上回るのは5年連続だが、増加幅は1.91ポイント低下した。業種別ではほとんどが前年を上回ったが、その他小売業や陸運など人手不足が深刻な業種でも増加幅が鈍化したためだ。5月初旬にまとめた18年の賃金動向調査(最終集計)では、非製造業の賃上げ率が1997年以来、21年ぶりに製造業を上回っており、賃金の底上げを重視した格好だ。

公務員、民間とも夏のボーナスは6月末から7月初めにかけて支給されている。今春の賃上げの動きとともに、個人消費を下支えしそうだ。ただ、19年3月期の企業業績は円安一服などを受けて足踏みも予想され、支給増の流れが今後も続くかどうかは不透明だ(日本経済新聞 2018年7月11日)。

最終集計は同社が5月20日に発表した中間集計に近い結果となりました。
(2017年夏と比較して4.62%の増加で、支給額は82万9786円)

前年比増は6年連続で、支給額も4年連続で80万円を超えています。

支給ランキング首位のディスコさんは、4年連続の最高益となったことがボーナスにも反映されました。

今年の春にも好業績が予想されておりました。

半導体製造装置のディスコの業績が好調だ。2018年1~3月期は連結営業利益が前年同期に比べ1割増の115億円前後になったとみられる。この期間として過去最高となり、通期でも4年連続の最高益となる。アジアや北米など海外の半導体メーカーの需要が高水準で利益率の高い消耗品も伸びた(日本経済新聞 2018年4月11日)。

大手企業の夏ボーナスの状況は経団連が発表した調査結果も参考に

大手企業の方々は、先月経団連が発表した2018年夏のボーナスの1次集計結果も参考としてください。

これによりますと、大手企業の夏のボーナス平均額は96万7386円でした。

前年比6.71%増で、1959年の調査開始以来で最高の結果です。

日本経済新聞の調査結果よりも良好であることから、さすが我が国を牽引する企業の集まりだと言えるでしょう。

大変素晴らしいことですが、我が国全体の課題はこの好調さをいかに中小企業まで繁栄させるかです。

中小企業で働いている私たちは以下の結果を参考にしましょう

上記の調査結果を見て、多くの方が実感が得られないと思います。

これらの調査結果は大手企業のものであり、事業所数の割合からすると0.3%ですから当然のことです。

我が国は事業所の99.7%が中小企業です。

働く人の7割が中小企業に所属しています。

中小企業に絞ったボーナスの調査結果は数自体が少なく、目に触れる機会はとても少ないのが現状です。

しかし、大阪の大阪シティ信用金庫さんが長期間にわたって中小企業を対象とした調査結果を公表しております。

非常にありがたい調査結果です。

以下の記事に詳しく書いておりますのでぜひご覧になってください。

その他の統計との比較も行っております。

大手企業と中小企業のボーナスを比較すると50万円以上の開きがあります

2017年までとなりますが、厚生労働省による「毎月勤労統計調査」の夏ボーナス支給額について、企業規模別にグラフ化したものを以下に示します。

2018年(今夏)の結果が反映された「毎月勤労統計調査」が公表されるのはまだ先になるため確定しておりませんが、大手企業と中小企業のボーナスの差額は近年において最も大きくなることも考えられます。

懸念される材料のひとつとして、原材料と最終財の価格上昇率のギャップが考えられます。

2017年は原材料の価格上昇率が前年比22.0%であったのに対して、完成品を示す最終財の上昇率が0.5%だったのです(以下の記事に詳しく書かれておりますのでぜひご覧ください)。

これはどういうことなのか、考えてみましょう。

消費者の立場からすると価格が変わらないのはうれしいですが、働く側の立場からすると給料が高まらないのは厳しいです。それが長期間ならばなおさらです

私たち消費者の立場からすると、購入する商品の価格があまり変わらない方がうれしいでしょう。

しかし、働く側からすると、もしこれが給料が高まらない要因だとしたらいかがでしょうか?

22.0%も原材料費が上昇しているのにも関わらず、最終財の上昇率が0.5%というのは考えられないものです。

原材料費が上がっているのですから、店頭に並ぶ商品の価格も上昇することが「自然であり正しいこと」だと思います。

この22.0%の価格上昇分がどの部分で0.5%に圧縮されているのでしょうか?

極めて単純に言えば、21.5%の圧縮です。

原材料の調達業者から最終財の販売企業へと行き着く間に無数の「協力会社さん」が存在します。

もしかすると、協力会社さんの利益はここで失われているかもしれません。

それがボーナス(賃金)にも現れているとするならば、私たちはもっと本質的なことを考えなければいけないのではないかと思います。

私はこれらが少子化と人口減に影響を及ぼしているのではないかと考えております。

求められるのは「いいものを安く」という価値観からの脱却と「人を大切にする経営」の実践です

前述した大阪府の中小企業の夏ボーナスはこの20年間ほとんど変わっておりません。

この傾向は全国的にも変わらないと思っています。

繰り返しますが、我が国は働く人の7割が中小企業にいるのです。

中小企業で本来出るべき利益が圧縮されているとしたら、賃金は上がりません。

賃金が上がらなければ、私たちの暮らしは決して良くはならないのです。

私たちは一刻も早く「いいものを安く」の価値観からの脱却が求められると思います。

原材料価格の高騰分のせめて半分でも商品価格に上乗せするべきです。

大手企業のみなさんには、中小企業を多く含む協力会社を大切にしていただきたいと切に願っております。

大手企業こそ率先して「人を大切にする経営」を実践するべきだからです。

大丈夫でいきましょう!

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