有期雇用から無期雇用に転換する直前に雇い止め・・・バンダイを訴え

  1. 人と会社・企業

我が国全体で真剣に考えなければならない問題です

有期雇用契約の労働者は、平成25年4月1日以降は通算5年を経過すれば無期転換できる権利が発生します。

ところが権利を得る前に解雇されてしまったということで、男性が裁判を起こしました。

弁護士ドットコムの記事を紹介いたします。

有期雇用から無期雇用に転換する直前に雇い止めされたのは無効だとして、神奈川県在住の40代男性が、玩具メーカー大手・バンダイ(東京都台東区)を相手取り、従業員としての地位確認などを求めている裁判の第1回口頭弁論が8月20日、東京地裁で開かれた。バンダイ側は請求棄却を求めた。原告の男性は約12年間、有期雇用の契約社員として働いたが、労働契約法によって無期雇用となる寸前に雇い止めされたと主張、今年6月に提訴していた。

男性と代理人弁護士は口頭弁論後に、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。男性は「正直な気持ちとしては、くやしい。非正規というのは、法律すらまともに適用してもらえないのか。(会社が)涼しい顔して雇い止めするのは許せない」と怒りをにじませた(弁護士ドットコム 2018年8月20日)。

平成30年の今年は、平成25年4月1日以降と定められた有期雇用契約が5年を迎えます。

このタイミングで有期雇用から無期雇用になった方々もいるかと思います。

一方で本人が希望しているのにもかかわらず、こうしたことが起こってはなりません。

なぜこのようなことが起こったのでしょうか?

2018年4月1日に「無期転換申込権」の権利を得る予定だった

男性は2006年5月に有期雇用の契約社員として採用されました。

以降は1年契約が毎年更新され、約12年間にわたり本社で経費処理などの業務を担当していたそうです。

労働契約法の改正によって、平成25年4月1日以降は通算5年を経過すれば、有期雇用の労働者は無期転換できる権利が発生します。

これを「無期転換申込権」といいます。

この男性も2018年4月1日に「無期転換申込権」の権利を得る予定だったのです。

ところが、バンダイは2017年12月に男性に対して次回の契約を更新をしないと通告しました。

男性が引き続き働きたいと求めましたが、バンダイは2018年3月31日をもって契約を終了させました。

いわゆる、雇い止めです。

雇い止めとはデジタル大辞泉によりますと次のように記されています。

有期労働契約の期間満了時に事業主が契約の更新を拒否し、一方的に契約を終了させること。→派遣切り
[補説]労働者保護の観点から、使用者は有期契約労働者に対して、契約更新の有無やその判断基準を明示することや、契約を更新しない場合には事前予告することなどが義務づけられている。

そもそも「無期転換申込権」とはどんな権利か

厚生労働省のホームページによりますと、この権利の目的は次のように記されています。

このルールは、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、労働者の雇用の安定を図ることを目的としています。

通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象となります。

平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は、 通算契約期間に含まれない点に注意しましょう。

上記の男性は、今年の4月1日でちょうど5年が経過するはずだったのです。

次の図を参考としてください(出典:厚生労働省のホームページ)。

焦点となるのは、この申込みは、労働者の権利(無期転換申込権)であり、申込みをするかどうかは労働者の自由あるということです。

男性はその権利を行使したのです。

また、口頭でも申し込みは有効になります(厚生労働省のホームページ参照)。

申込みは、口頭で行っても法律上は有効です。しかし、口頭での申込みは、後日、申込みをし たかどうかの争いが生じやすいという問題がありますので、労働者の方は、できるだけ書面で申込 みを行うことをお勧めします。また、申込みを受けた事業主の方は、その事実を確認するための書面を労働者に交付しておくことをお勧めします。

さらに、「やむを得ない事由」がある場合でなければ解雇はできないと書かれています(厚生労働省のホームページ参照)。

「無期転換申込権」の申込みがなされると無期労働契約が成立するので、転換時点で使用者が雇用を終了させようとする揚合は、無期労働契約を解約(解雇)する必要がありますが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合」には、権利濫用に該当するものとして解雇は無効となります。
また、転換時点より前に使用者が有期契約労働者との契約関係を終了させようとする湯合は、これに 加えて、有期労働契約期間中の解雇となるので、「やむを得ない事由」がある場合でなければ解雇することはできません。

男性がとても不憫です。また、バンダイは大好きな会社だからこそがっかりしてしまいます。

ここまでの情報からの判断になりますが、この男性がとても不憫です。

男性にとっていちばんいい結果になって欲しいと願っております。

私はバンダイに対してとてもがっかりしています。

なぜなら、私自身がファンだからです。

機動戦士ガンダムやトラック野郎のプラモデルをはじめ子供の頃から身近で大好きなメーカーなのです。

そうしたファンの気持ちからしてもとても残念なのです。

どうしても割り切ることができません。

男性には大変失礼な言い方になってしまい申し訳ないですが、仕事ができないとか、組織において問題を起こしている訳ではないのです(そのような話は聞こえてきません)。

この方は少なからずバンダイの力になっていたのではないでしょうか。

だから12年も契約を更新してきたはずなのです。

大好きなメーカーにはなおさら求めたいですが、大手企業は「人を大切にする経営」を徹底して欲しいと願います。

それが我が国のリーディングカンパニーの社会的責任ではないかと思います。

人を大切にしない会社に明るい将来はありません。

同じく、人を大切にしない世の中に明るい将来があるとは思えません。

そろそろ私たちの国全体が「人を大切にすること」に目覚めるべきだと思います

正社員と非正規社員がひとつの会社に混在することが良くもあり、悪くもあります。

我が国の会社のほとんどは、ある部分でそのメリットを享受し、ある部分でデメリットを感じています。

働いている方々も同じです。

しかし、これらのことを含めて、私たちは目先のことにとらわれすぎているような気がしてなりません。

だから、このような問題も起きるのだと思います。

目先ではなく少し先のことや本質的なことを考えたら、進むべき方向はひとつなのではないでしょうか。

それは、我が国全体で人が幸せに働く会社づくりをするしかないと思います。

働く人はかけがえのない人財として会社から大切にされるべきです。

そのためにも働く人は、自分自身の能力・魅力を最大限に発揮することが求められます。

私たちの人生には、就職、結婚、出産、子育て、昇進等の様々なステージがあります。

しかし、それらはどの人にもどの家族にも訪れることであり、お互いさまなのです。

お互いさまだからこそ会社は助けあいの風土を構築することが必要なのです。

そういった社風があれば、正社員も非正規社員も区分する必要がなくなるのではないでしょうか?

全員正社員にできないか?そんな会社が世の中にある

実はそうした夢のような会社があるのです。

岐阜県にある未来工業さんは日本でいちばん社員さんが幸せだと言われており、約800名のスタッフさんがおります。

驚くべき事は、全員正社員であるということです。

その理由はなぜか考えてみましょう。

これまでも幾度となくこのブログでお話しさせていただきました。

私は、未来工業さんのような人を大切にする会社づくりを我が国全体で行うべきだと思っています。

多くの方が誤解しておりますが、社員さんは決して楽(らく)ではありません。

「大変だけど楽しい」のです。

人生をとことん楽しまれているのです。

だから、お客様にも感動を与え喜ばれるのです。

その気持ちに正規も非正規もないのです。

これが「人を大切にするいい会社」の真髄です。

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