ハラスメント(パワハラ・セクハラ・モラハラ)

社員が幸せで生産性も業績も高い会社の本質は共通しています

昨日に引き続き『人を大切にする経営学会第5回全国大会』の様子を紹介いたします

昨日開催された「人を大切にする経営学会第5回全国大会」の様子を述べたいと思います(全国大会は今日までです。今日も大変有意義な内容となっています)。

世の中が良くなっていくためには、人を大切にする経営を実践する会社が増えていくことが不可欠だと思っています。

私たちの世の中は、私たち「人」が主役です。

会社も社員さんという「人」が主役であるべきです。

そうなると、組織の生産性が高まり、高い業績をたたき出すことができるからです。

一人でも多くの方に「人を大切にする経営」を知ってもらい、実践して欲しいと願っております。

極々一部ではありますが、学会の様子をお伝えしたいと思います。

前野隆司慶應義塾大学教授の「働き方改革と幸福学」・・・社員さんが幸せに働く会社は生産性も高いことが証明されています

前野隆司慶應義塾大学教授の講演について簡単にお伝えしたいと思います。

講演のテーマは「働き方改革と幸福学」です。

前野教授は働き方改革の進め方について疑問を持っていました。

それは、働き方改革の目的で、社員さんの幸せが前面に出ていないという点です。

これは私も全く同感です。

社員さんが前向きにならなければ働き方改革は進まないのです。

そのために、社員さんが働き方改革を「何のために行うのか?」明確にすることが求められます。

前野教授の幸福学については雑誌アエラにも掲載されておりますのでぜひご覧ください。

以下に、aera.dotの記事を引用いたします。

「働き方改革」失敗の原因は“順番”が逆だから? 専門家が指摘

近年叫ばれている「働き方改革」だが、その効果を実感している人は少ないのでは。幸福学を研究している前野隆司・慶應義塾大学大学院教授によると、その原因は“順番”にあるという。

*  *  *
幸福学を研究している私のもとには最近、企業から「働き方改革がうまくいかない」という相談が数多く寄せられています。失敗の原因は、順番を間違えているからです。

多くの企業が陥りがちなのが、「残業時間を○時間減らせ」というトップからの指示で「業務を効率化せねば」→「創造性・生産性を上げろ」→「何かアイデアを出せ」というパターン。社員は「やらされ感」でいっぱいです。

「幸福の4因子」理論で言えば、人は自らの「やってみよう」という意思で仕事に取り組めば幸福度が上がる半面、やらされ感があると幸福度が下がります。そしてこの幸福度こそ、創造性や生産性を左右するということが、さまざまな研究でわかってきました。幸せな社員は不幸せな社員よりも創造性が3倍も高く、労働生産性は1.3倍高いというデータも出ています。

相談に来るような企業では、創造性や生産性の向上に「やらされ感」で取り組んでいるために、逆にそれらが著しく低下してしまっています。どんなに「頑張りが足りない」とプレッシャーをかけても、効果は出ないでしょう。

どうすればいいか。順番を逆にして、働く人の幸福度を高めることから始めるのです。徐々にチームの結束力とやりがいが増してくるでしょう。創造性や生産性も高まり、長時間労働もしなくてよくなる。幸せな社員は欠勤しない。皆が生き生きと働くようになる。まさにこれこそが「働き方改革」が目指す姿でしょう。幸福度ファーストで考えることが、働き方改革を成功させる一番の近道なのです(編集部・石臥薫子 ※AERA 2018年9月17日号より抜粋 )。

みなさんはどのように感じられますか?

生産性という視点から言えば、幸せな社員は不幸せな社員よりも創造性が3倍も高く、労働生産性は1.3倍高いというデータがでていることに着目して欲しいと思います。

これは、とてもうれしい証明です。

我が国において、「人を大切にする経営」を実践され、パールホワイト企業といわれている未来工業さんと伊那食品工業さんは、常に売上高対経常利益率を毎年10%以上たたき出しています。

一方、我が国企業の経常利益率の平均は、小規模企業1.19%、中堅企業2.42%、大手企業4.51%です(中小企業白書より)。

人を大切にする経営を実践してる会社は、その3倍以上の数値を達成しているのです。

なお、山田昭男相談役も塚越寛会長も「当事者意識を持って働く社員の働きは3培違う」と述べられています。

まさに人を大切にする経営は、きれいごとでも絵に描いた餅でもなく、実践することで社員さんの幸せと会社の永続の実現に繋がっていく正しい方法なのです。

幸せの定義が難しいからこそ幸福の4因子理論を参考にしてみましょう

私たちにとって「幸せ」という言葉はとても難しいものです。

様々な価値観があります。

私たちの「幸せ」について考えなければならないと思います。

前野教授が提唱する幸せの4つの因子は次の通りです。

①自己実現と成長の因子(やってみよう因子)
②つながりと感謝の因子(ありがとう因子)
③前向きと楽観の因子(なんとかなる因子)
④独立と自分らしさの因子(ありのままに因子)

前野教授は幸せというのは「お花畑にいるような感じと違う」といっていました。

全く同感です。

では、幸せの4つの因子と反対の言葉を考えましょう。

①の反対:やらされ感あふれる
②の反対:感謝しない、人のせいにする
③の反対:後ろ向き、悲観的
④の反対:自分らしさを持っていない

これらを考えてみて、思い出した言葉があります。

それは「計画的偶発性」という言葉です。

キャリアの8割は偶然ですが、それをもたらすために必要な要素が「幸せの4つの因子」を連想させます。

正しくがんばっている人は必ず報われます。

そういった社員さんが多い会社は生産性が高くなるのは必然です。

トップからこれらを実践することで会社の生産性は高まっていきます。

反対に、人を非難したり足を引っ張ろうとしたりする社員さんが多い会社は生産性が低いのは当然です。

トップがこれらの4つの因子を実行しなければ、社員さんは萎縮し「やらされ感」「指示待ち」のまま仕事をします。

生産性は低いままですが、リーダーは気がついていないことも多いです。

いかに社員さんがやらされ感から脱し、当事者意識を持って仕事をするかがキーポイントです。

次に、株式会社エイチ・エス・エーさんの田中社長の取り組みを紹介します。

田中社長のお話も大変感銘を受けました。

講演のテーマは「働く人が主役の会社を目指して」です。

株式会社エイチ・エス・エーさんは、日本国憲法を土台とした社員さん参加型の会社づくりをされています。

私たちは日本国憲法というとどこか強制的なイメージを持ちます。

そうした先入観を1度取り除き憲法を読んでみると本質的なことが書かれていることに気がつきます。

田中社長は社員さんにこれらを考えてもらい、見事に社員さん参加型の会社をつくりあげました。

まさに自主性であり、当事者意識です。

そもそも憲法というものはとても重要なものです。

しかし、圧倒的多数の方が全く意識しておりません。

考え方をひっくり返してみると、それは幸せに生きる上でとても勿体ないことなのです。

私もクライアントの社員さんや研修時に「国民の3大義務は何ですか?」とうかがう機会が増えてきました。

これは働くことに対する本質を見失ってしまっている方がとても多いからです。

日本国憲法 27条には「勤労」について次のように示されています。

すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

みなさんもこの意味を考えてみましょう。

私ははじめてこの文章を見たとき、とても深い意味があることに気がつきました。

なぜ「権利」がわざわざ書かれているのでしょうか?

ここに働く本質が隠されています。

そして、人を大切にする会社は、社員さんにとって勤労が権利となっています。

義務ではないのです。

それは人生を充実させることそのものだからです。

幸せに生きなければもったいないのです。

このことを社員さんが真剣に考えたとき、「人ごと感」「やらされ感」は薄まっていきます。

反対に、ここを真剣に考えないと社員さんは言われたことしかやらなくなってしまいます。

働く喜びを得ることは、社員さんの当然の権利なのです。

また、繰り返しますが、リーダーが事細かなところまで指示を出すと社員さんの「やらされ感」は大きくなります。

任せる姿勢がとても大切です。

自分たちでいい会社をつくるために。「いい会社ほど問題点が出てくる」を意識しましょう

未来工業さん、エイチ・エス・エーさんのお話は、社員さんが主役の会社づくりということで共通します。

自分たちでいい会社をつくっていくことがやりがいも生産性も高くなるのです。

自分たちでいい会社をつくっていくために必要なことは何でしょうか?

まずは、自分たちで問題点を見つけるということです。

いい会社ほど問題点が出てくるという話はこれまでもみなさんにしてきました。

「え?いい会社は問題点がないんじゃないの?」と思われる方は、ぜひとも反対に考えてください。

また、本物のいい会社の現場に足を運んで欲しいです。

そもそも、人は完璧ではありません。

1日仕事をすれば、必ず問題点がでてきます(もちろんいい点もでてきます)。

問題点をそのままにすることと、自ら見つけてカイゼンすることでは全く違います。

いい会社は問題点を「自ら積極的に」見つけてカイゼンしてうれしいことにする仕組みがぐるぐる回っています。

それらは大変なことですが、楽しいことなのです。

悪い会社は問題点を上司が指摘し、何でできないんだと罵倒し、カイゼンできたとしても褒めません。

それは言うまでもなくパワハラの温床になります。

だから、部下は問題点をいいませんし、誤魔化すようになってしまうのです。

それが積み重なった先に、昨今の様々な不祥事があるのです。

私たちはそろそろ本気でこのことを考えなければなりません。

もはや、人を大切にする経営は、どの会社も目指して行かなければならないものだと痛感しております。

きれいごとというよりも、会社を永続させるための現実的な戦略なのです。

この度の学会も大変勉強になりました。

最後になりましたが、関係者のみなさま誠にありがとうございました。

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