静岡の2018年8月の景気動向指数からあれこれ考える

  1. ワーク・ライフ・バランス 働き方改革

良否判断の分かれ目となる50は2カ月連続で上回りましたが

静岡県内の8月の景気動向指数は、2カ月ぶりに悪化したようです。

東海4県(静岡、愛知、岐阜、三重)の中でも最下位でした。

特に、中小企業で厳しい見方が目立ったようです。

中小企業では0.9ポイント低下の49.2でした。

以下、日本経済新聞の記事を引用いたします。

帝国データバンク静岡支店がまとめた静岡県内の8月の景気動向指数(DI)は、前月比0.9ポイント低下の50.2と、2カ月ぶりに悪化した。良否判断の分かれ目となる50は2カ月連続で上回った。中小企業で厳しい見方が強まった。

調査は8月20~31日に県内582社を対象に実施、291社から回答を得た。東海4県(静岡、愛知、岐阜、三重)のDIは0.2ポイント改善の51.8で、静岡は4県のうち最下位だった。

規模別では大企業が0.6ポイント低下の55.0で、中小企業が0.9ポイント低下の49.2。中小の中でも小規模企業の下げが目立つという。

業種別では製造業が0.8ポイント悪化の52.5、建設業が3.0ポイント悪化の52.4となったが、サービス業や小売業などは改善した(日本経済新聞 2018年9月27日)。

みなさんはどのような感想を持ちますか?

2ヶ月ぶりに悪化したとは言え、良否判断の分かれ目となる50を2カ月連続で上回ったことが救いでしょうか。

しかし、中小企業で厳しい見方が強まったのはとても気になります。

静岡の企業の景況感は、6月も悪化しました。

この時は、2017年11月以来良否判断の境目となる「50」を下回りました。

人手不足を悪化の要因にあげる声が多いことも大変気になるところです。

帝国データバンク静岡支店がまとめた静岡県内6月の景気動向指数(DI)は、前月比1.1ポイント悪化の49.6だった。3カ月ぶりに悪化し、景況の良否判断の境目となる「50」を下回った。50を割るのは2017年11月以来。人手不足を悪化の要因にあげる声が多く、県内景気は不透明感を増している(日本経済新聞 2018年7月17日)。

これまでと異なる要因・・・人手不足によるチャンスロスが大きい

中小企業が景況感を悪化させる要因は、これまでと異なる要素が加わりました。

消費の低迷ももちろんあります。

もうひとつ大切な要素として、人手不足によるものが加わったのです。

簡単に説明します。

どの会社でも仕事が増える見込みがあれば人を募集します。

新しく入社した人が仕事に慣れるまでの時間はあるにせよ、それによって業績を高めることが可能でした。

ところが、今は募集しても人が来ないのです。

人がこなければ、募集の際に賃金を高めます。

それで来れば良いですが、来ない場合もあるのです。

首都圏に方々には信じられないかもしれませんが、地方ではその傾向が顕著です。

人手不足によってチャンスロスが発生し、業績は伸びていかないのです。

そのギリギリの状態で、今度は原材料費が高まったとしましょう。

すると、それらは利益を圧縮するしかなくなります。

さらに業績は伸びていかないのです。

私はこの「人がいない」という現状に焦点を当てたいと思います。

人が少ないことを裏付ける6,352人という数字

6,352人とは、静岡市において今年23歳になる男性と女性の数です(静岡市企画課の資料より)。

政令指定都市でありながら、男性と女性でそれぞれ3,000人しかいないのです。

一方で、静岡市には事業所が38,191あります(平成26年経済センサスより)。

若者が不足するのは当然のことです。

人口ピラミッドをみる限り、この傾向は今後も続きます。

これを補うために短期と中長期でそれぞれ対策を講じることが求められます。

人手不足を補うのは、女性と高齢者と外国人の活用

これから若者はますます減っていきます。

それをどう補うかは、短期的には、女性と高齢者と外国人の活用になるでしょう。

先日も高齢者の就業者数が増えていることが日本経済新聞に掲載されていました。

それによりますと、2017年の高齢者の就業者数は5%増の807万人で過去最多だったということでした。

我が国の人口ピラミッドを見る限り、この傾向は今後も続くことでしょう。

働く高齢者が増えている。総務省が16日にまとめた統計では、2017年の高齢者の就業者数は5%増の807万人で過去最多だった。増加は14年連続だ。急速に進む高齢化と人手不足が背景にある。9月15日時点の70歳以上の人口は前年比100万人増の2618万人。総人口に占める割合は20.7%と初めて20%を超えた。65歳以上も44万人増の3557万人で、全体の28.1%だ。

65歳以上の人口に占める男女別の就業率は男性が31.8%、女性は16.3%で、いずれも6年連続で上昇した。高齢者の就業者数を産業別にみると卸売業・小売業が最も多く、農業・林業、製造業が続いた。就業者総数に占める高齢者の割合も12.4%と過去最高だ。地方や中小企業では人手不足が深刻で、働く高齢者の担う役割は大きい。

政府は雇用や年金制度の見直しで、意欲や能力のある人が長く働ける環境を整える。高齢雇用者の約4人に3人は非正規職員だ。親や配偶者などの介護をする高齢者は17年に197万2千人おり、このうち4人に1人は働いている。個人に合わせた働き方を支援する仕組みも求められる(日本経済新聞 2018年9月22日)。

これまでのノウハウを会社と社会に還元するために働かれることはとても重要です。

健康のためにもとても素晴らしいことです。

しかし、会社と国の永続を考えた場合、それだけでは抜本的な解決にはなりません。

高齢者に仕事を依頼することはあくまで補助的なものであるべきです。

そうでなければ、何のための定年かわかりません。

大事なのは次世代を担う若者を増やすということです。

女性の活躍推進こそ現地・現物・現認が必要

高齢者と共に女性の活躍もとても重要です。

かつて我が国では女性の就業率が30~40歳代の部分で顕著に落ち込んでいました。

いわゆる「M字カーブ」と呼ばれておりましたが、それが薄れてきました。

女性の就労が増えている。労働力としてみなされる女性の割合を示すグラフをみると、30~40歳代の部分が顕著に落ち込む「M字カーブ」と呼ばれる特徴が薄れ、米国や欧州各国などに似通ってきた。育児休業など企業側の制度整備が進んだことや働く意欲を持つ人が増えたことが大きいが、待機児童の解消はなお道半ばだ。働きやすさと労働の質を高めるさらなる工夫がいる。

デイサービス(通所介護)大手のツクイは従業員の75%が女性だ。働き手の確保のため介護施設内に託児所を設け、0~2歳児の子供が5人いる。ある従業員は「休憩時間をつかって子供の様子を見に行けるので安心」と語った。
(日本経済新聞 2017年9月9日)。

しかしながら、結婚したら退職したいと考えている女性は現在も決して少なくありません。

その理由は子育てです。

子供を持ちながら働く女性の多くは、経済的な理由で働かざるを得ないのです。

やりがいよりも、経済的な理由なのです。

だから、家から近い会社を探すのです。

でも、そこからやりがいを得て、見事に活躍されている女性社員さんもおります。

受け入れ側の企業としては、人を大切にするいい会社づくりが必須です。

こうした現実を踏まえて私たちは中長期の施策を考えていくべきではないでしょうか。

中小企業の景況感からここまで述べました

景況感が悪化した要因に「人手不足」をあげる声が多いことはこれまでと明らかに異なる流れです。

この流れは今後も加速するかもしれません。

それを防ぐために私たちがしていかなければならないことは、若者が子供を安心して育てられる会社を多くすることであり、さらに、そういった社会にしていくことだと考えます。

つまり、人を大切にするいい会社を増やすことです。

これが抜本的な改善になるのではないでしょうか?

私たちは国全体で「目先の経営」から脱しないとならないと思います。

この優先順位を間違えると、子供(若者)は増えていきません。

なお、下記は先進国の合計特殊出生率です。

我が国は低いのです。

人口をキープできる合計特殊出生率は2.07とされています。

ぜひとも考えていきましょう。

大丈夫でいきましょう!

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