日経産業新聞に味の素さんの働き方改革の取り組みが紹介されていました

  1. ワーク・ライフ・バランス 働き方改革

本社・支社だけでなく、製造現場なども含めた全社一体の働き方改革を進めているそうです

日経産業新聞に味の素さんの働き方改革の取り組みが紹介されていました。

とても素晴らしい記事だと感じました。

少々長くなってしまい恐縮ですが、以下引用いたします。

1日7時間労働の2020年度での実現を目指している味の素。本社・支社だけでなく、製造現場なども含めた全社一体の働き方改革を進めている。なかでも24時間止まることがない工場の従業員の勤務をどう変えていくかは大きな課題だ。工場勤務者の在宅勤務など従来にはない発想で改革に挑む同社の全国の拠点を訪ねた。

「思っていたより簡単にメンバーとコミュニケーションがとれました」。主力製造拠点である川崎事業所(川崎市)で生産監視や機器のメンテナンスなどを担当する岩舘祐貴さん(30)は、昨秋の初めての在宅勤務体験を振り返る。他の業務の依頼が舞い込むこともなく、「資料作成に集中できて作業もはかどった」。パソコンを使ってテレビ会議にも参加した。

絶え間なく生産が続く工場は現場でのシフト勤務などが多く、働き方が固定されがちだ。しかし、「実は資料作成などの機会も多い」と山本行史さん(42)は話す。例えば在庫や原料などの棚卸し作業。月末に在庫を確認するのは工場にいなければできないが、システムに数量を入力するのは自宅でもできる。

■週報やマニュアル作成は自宅で

ほかにも、週報や月報、作業マニュアルの作成など書類作成業務は思いのほか多い。岩舘さんや山本さんが所属する調味料素材課では、在宅で可能な作業を洗い出した。その結果、基本的には川崎事業所に勤務するすべての社員が一部の業務で在宅勤務することが可能になっているという。工場勤務者は職場でなければ仕事ができないという常識への挑戦だ。

シフトの時間に縛られない働き方も模索する。同課がつくる製品は様々な工程があり、原料投入から製品になるまで約1カ月かかる。シフトや担当に縛られているとトラブル時などに一部の人に負担が偏り、残業などをにつながることがある。

そこで課員のマルチスキル化を進めた。主力製造機器で約50項目、日々の業務で約70項目にのぼる技術を約20人全員が身につけた。各自の仕事の進捗状況も共有。複数の人が勤務している時間帯であれば、監視業務などを任せれば一部の人は早く帰宅することも可能になった。

味の素は「全員参加」を働き方改革の原則に据える。「外勤者や海外担当など一部を対象にして始めるから失敗する」と社長の西井孝明さん(58)は言い切る。「仕事はすべてがつながっており、一部が先行しても他の部署がついていけなければ意味がない」

所定労働時間を現在より15分短い7時間にするための取り組みも同様だ。「工場もライン業務だけが仕事ではない。会議などの時間をどう効率化するかが働き方改革のカギを握る」という西井社長の考えを率先して実践してきた九州事業所(佐賀市)も訪ねた。

「この装置は修理して間もないので、引き続き入念な点検をお願いします」。設備管理を統括する工務・原動グループの申し送り現場では、これから勤務する人たちが資料が映し出されたモニターをみつめ、スピーカーの声に耳を傾ける。

■所定労働時間を7時間に

申し送りは多くの生産現場で作業員の交代時に行われている。勤務を終えた担当者が次のシフトに入る人に注意点などを伝える。しかし、同グループの申し送りには勤務中の経過を説明する人はいない。

24時間稼働の工場は3交代制であれば8時間勤務が普通だ。休憩時間を1時間とすると、計算上は7時間勤務が成り立つ。しかし、申し送りなどの時間を考慮するとそう簡単にはいかない。

そこで活用したのが録音だ。担当者は勤務時間が終わりに近づくと申し送り事項をマイクでふき込む。ちょっとした空き時間をうまく活用することで負担を抑える。

グループ長の鴨志田佳正さん(41)は「慣れれば伝えるべきポイントもわかってくる」と話す。こういった工夫を続けることにより、同グループの17年度の総実労働時間は1人あたり1730時間と、16年度より110時間も減った。

九州事業所は15年度の1人平均の残業時間が313時間と、本・支社や研究所を含めた国内9拠点で唯一300時間を超えていた。「一時的に改善はするが、取り組みを継続できなかった」と製造部長の梅田卓嗣さん(55)は振り返る。不名誉な状態を解消できなければ、工場の存在意義そのものが問われる。梅田さんらは地道に従業員の意識改革を進めた。

「少し前まで午後8~9時の退社があたりまえだった。いまはどんなに遅くても午後6時を回ることはない」と発酵・バイオ素材係の大石隆広さん(44)は話す。17年度の九州事業所の残業時間は229時間に減少。味の素が新しい生産技術を導入する工場の1つに生まれ変わった。

改革に向けてICT(情報通信技術)も積極活用する。「異音・異臭なし」――。川崎事業所では従業員がマイクつきのイヤホンとスマートフォンを使って設備を点検していた。点検結果を紙に書くのではなく、スマホに話した内容を自動的に記録することで作業員の負担を軽くする。

味の素は労働時間の削減と並行して待遇改善も進めている。17年4月には従業員の月額給与を一律1万円引き上げた。残業削減で減った分の給与をカバーする狙いだ。改革が人件費削減にあると従業員が感じたら、現場は主体的に動かない。

同社の工場の実情を見て勤務する人たちの声を聞いた。そして、小さいようにも感じる改善の積み重ねが結局は現場の改革につながることを実感した(日経産業新聞 2018年9月28日)。

みなさんはどのように感じましたか?

製造現場の働き方改革のあり方が示されております。

以下、簡単ですがポイントについて述べたいと思います。

従来にない発想、常識に挑戦すること

味の素さんの工場勤務の「在宅勤務」は常識に挑戦した結果です。

工場勤務者は職場でなければ仕事ができないという常識を1度疑ったことで新たな働き方が見えたのです。

これはとても大切です。

私たちはついそれまでの思考の癖・先入観・常識にとらわれてしまいます。

すると何も変わらないまま年月だけが過ぎてしまうのです。

より良い将来をつくるためには、1度それらを捨てて、逆転の発想で物事を考えれば見えてくるものがあります。

その大切さに味の素さんは気付かれて進めているのだと思います。

意識改革を進めること

意識改革も上記と共通しますが、まずは何のために実施するのか明確にすることが大切です。

その目的のために常にカイゼンするのだという心構えが求められるのです。

カイゼンの元になるのは問題点であり、それらを自主的に見つけることがとても大切です。

しかしながら、多くの人にとってそれは苦手です。

その時に、しっかりと考えるべきなのです。

問題点を見て見ぬふりをしても将来は変わらないということを。

必ずどこかでさらに大きな問題となってしまうのです。

慣れるということ。積み重ねるということ

働き方改革には慣れることが重要です。

しかし、それぞれの取り組みは面倒なものかもしれません。

だからこそ、慣れることと積み重ねることが大事になってきます。

負担が減ってくるからです。

それらが社風となって定着してきます。

小さいようにも感じる改善の積み重ねが結局は現場の改革につながる

意識改革において大切なのは、そもそも何のために働き方改革を進めるのか一つ一つの取り組みに対して常に問いかけるということです。

例えば、4S(整理、整頓、清掃、清潔)も働き方改革の推進には不可欠ですが、そもそも「何のために進めるのか」という目的を明確にすることが大切です。

それらは「モノを探す時間を無くすため」に実施するのです。

そのムダがなくなれば生産性は高まるのです。

一つ一つは小さな取り組みでも積み重なると大きな成果になるのです。

なお、私たちが1年間にモノを探す時間は150時間とも言われています。

1日に換算(245日稼働)すると約36.73分がモノを探す時間なのです。

これは無駄な時間なのです。

待遇改善に繋げること

そもそも働き方改革の目的が人件費削減にあると社員さんが感じていたら進みません。

現場が主体的に動くことはないのです。

働き方改革は社員さんの待遇改善のためにあります。

さらに、社員さんがやりがいを感じるためにあります。

それらの取り組みの積み重ねによって生産性が高まっていくのです。

「全員参加」もキーワードです。

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