政府が社会全体でデジタル化を進めるための法整備に乗り出す

  1. ワーク・ライフ・バランス 働き方改革

デジタル化推進・・・まず議員立法で

政府は行政手続きや事業活動など社会全体でデジタル化を進めるための法整備に乗り出すようです。

デジタル化の理念や推進策をまとめた議員立法を今秋の臨時国会にも提出する予定です。

日本経済新聞の記事を引用いたします。

政府・与党は行政手続きや事業活動など社会全体でデジタル化を進めるための法整備に乗り出す。デジタル化の理念や推進策をまとめた議員立法を今秋の臨時国会にも提出。政府も行政手続きを電子化するための法案を準備する。データなどのデジタル化は米国や欧州、中国に比べ出遅れており、議員立法により政府と企業に対応を促す。

自民党のIT戦略特命委員会などが「デジタル化の促進に関する法案」の原案をまとめた。委員長の平井卓也氏は2日の内閣改造で科学技術相に就いた。月内に決まる新たな委員長らが公明党や野党と調整に入る。臨時国会に議員立法で提出し、早期の成立を目指す。

政府は6月に閣議決定した経済財政運営の基本方針(骨太の方針)で行政手続きのデジタル化の推進を盛り込んだ。今回、社会全体のデジタル化を目指す方針を議員立法で法律化し、官民に早急に取り組むよう促す。

議員立法の成立により、個人の認証や戸籍の確認にマイナンバーを活用できるようにするなど政府がデジタル化推進の関連法を提出しやすい環境を整える。議員立法の原案には「デジタル化の基本となる施策を定め、国、地方公共団体や民間事業者などの対応を促進する」と明記した。

国や自治体の手続きは原則、電子機器を活用するよう求める。ペーパーレスの推進により職員の生産性や住民の利便性の向上につなげる。

政府の後押しを背景に民間のデジタル化も促す。原案は企業同士の契約などを電子上だけで済ませるよう、国が必要な措置を講じると記した。企業は常に最新の技術を踏まえてシステムを改修し、国際競争力の強化に努めるとした。

官民が一体で進めるべきテーマでは(1)飲食店や小売店での決済の電子化(キャッシュレス化)(2)テレワークや在宅勤務などの働き方改革(3)学校や災害対策での電子機器の活用――などを挙げた。

与党の動きと連動し、政府は行政手続きを原則として電子申請に統一する「デジタルファースト法案」を来年の通常国会に提出する方針だ。スマートフォン(スマホ)で住所変更などの手続きを可能とし、住民票などの添付書類をなくす。

社会全体のデジタル化を進めるため、個人認証や戸籍事務などでマイナンバーの利用を拡大する「住民基本台帳法改正案」などを来年の通常国会に提出する予定だ。

官民でデジタル化を加速し、出遅れが指摘されるデータの管理や活用も促進する。政府は内閣官房の職員に国内の大学や研究機関、企業から専門家や技術者を積極的に登用する方針だ。

国際的なデジタルデータの管理や活用はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)と呼ばれる米巨大企業がリードし、中国は国家主導で進める。最先端の人工知能(AI)の開発などには膨大なデータが必要だ。日本企業にはGAFAのようなプラットフォーマーは存在せず、政府も個人情報を保護する観点から中国のようにデータを国家管理できない。
(日本経済新聞 2018年10月12日)。

みなさんはどのような感想を持ちますか?

私はデジタル化のメリットもあると思いますが、同様にデメリットもありますのでしっかり検討して欲しいと思っています。

官民が一体で進めるべきテーマとして、(1)飲食店や小売店での決済の電子化(キャッシュレス化)(2)テレワークや在宅勤務などの働き方改革(3)学校や災害対策での電子機器の活用などを挙げております。

これらについて述べてみたいと思います。

飲食店や小売店での決済の電子化(キャッシュレス化)について

官民が一体で進めるべきテーマとして、飲食店や小売店での決済の電子化(キャッシュレス化)があげられています。

中小企業支援の現場から申し上げると、私はこのメリットがまだ見えておりません。

大手飲食店、大手小売店ではカードを使って決済ができるのが「当たり前」となりました。

しかし、中小個店では頑なにカード決済を導入していない店も少なくないのです。

特に地方ではそうです。

その理由はなぜかわかりますか?

クレジットカードをお客様が使用すると、店側がカード会社に手数料を支払うということ

それは手数料の負担があるからです。

飲食店や小売店では、カードを使用すると4~5%の手数料がかかります。

この手数料を店側がカード会社に支払うのです。

もちろん、この手数料をお客様に請求することはできません。

規約違反となります。

この手数料は店の利益から支払われます。

カードを使用するお客様が多ければ多いほど店の利益が下がるのです。

このデメリットがある以上、手数料がかかるキャッシュレス化を進めることはできないのです。

たった4~5%くらいと思わないでください

どうかみなさん、たった4~5%くらいと思わないでください。

特に政治家の先生方にはわかって欲しいと思います。

この数字があるかないかで中小個店が生き延びるか否かが決まるのです。

中小企業は4~5%の利益を出すことも困難なのです。

ちなみに、我が国企業の経常利益率の平均は、小規模企業が1.19%、中堅企業が2.42%です(中小企業白書より)。

もちろん、お客様が追いかけてくる魅力的な個店はその限りではありません。

しかし、それは一部の個店なのです。

今のところ手数料がかかるキャッシュレス化が地方の個店にいい影響をもたらすことはない

地方で繁盛している中小個店(特に飲食店)の多くがカードを使えません。

現金決済です。

繰り返しますが、カードを使用したら手数料を支払うことで店の利益が下がるからです。

そんなことをするよりも、個店の魅力(味や接客等)を磨いた方が余程いいのです。

カードを使えなくてもあまりあるほどの魅力がありますからお客様は離れません。
(そもそも、魅力あふれる個店は、カードが使えないからと言って、お客様が離れていくような店ではないです。)

中小の個店のみなさんはぜひともそういった店作りを目指していきましょう。

私は今のところ手数料がかかるキャッシュレス化が地方の個店にいい影響をもたらすことはないと思っています。

さらに消費増税が加わったら

以上は来年10月に予定されている消費増税に反対する理由にも繋がります。

カードで4~5%の手数料がかかり、さらに消費税が2%も上がったら、中小個店はやっていけなくなります。

これらを一時的に無くす方策も検討されておりますが、それらはあくまでも一時的であり、将来を明るく照らすものではないと考えます。

仕入れ価格が22%も高騰しているのに販売価格が0.5%しか上げられないという現状があります(以下は2017年の状況です)。

増税は働く人の7割が所属してる中小企業の景気が過熱したらという条件を満たしてからです。

景気の良し悪しに関係なく財源が確保できるとうたわれている消費税は、国民の目からすると国民に優しくない税です。

景気が良くなっていないのに税負担が大きくなったら私たちの生活はさらに厳しくなるからです。

その負担は所得が全体的に低い傾向にある若者を直撃し、ひいては大きな影響を与えかねません。

こうした状況をわかって欲しいと願わずにはいられません。

その影響を最も受けるのは若者たち

キャッシュレス化や消費増税が果たして子供を産み育てる世代の若者たちにいい影響をもたらすでしょうか。

私たちは何か大切なものを忘れているような気がしてなりません。

その結果、私たちは子供が減り続ける世の中をつくってしまいました。

「子供はいつか増える」と漠然と思っている方がいたら、(私もそう思いたいですが)ぜひ改めて欲しいと思います。

「このままでは子供は減る一方」であることを認識して欲しいのです。

子供が減るということは将来の生産年齢人口が減るということです。
(それを補うために高齢者や女性、外国人の活用が急がれています。それらもとても大切ですが、もっと大切なことに目を向けましょう)

さらに加速すれば我が国の存続基盤が揺らいでしまうかもしれません。

気がついたときには取り返しがつかない状況になっているかもしれません。

すでに今がそうかもしれません。

デジタル化は結構ですが、『若い世代が子供を安心して産み、育てられる社会を実現する』という大前提から外れないようにして欲しいと願っております。

テレワークや在宅勤務などの働き方改革、学校や災害対策での電子機器の活用などももちろん大切ですが、それらも『若い世代が子供を安心して産み、育てられる社会を実現する』大前提があってこそだと思います。

未来をつくっていくのは若者です。

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