消費者物価指数には消費税が含まれています。今後2%に着目しましょう!

  1. ワーク・ライフ・バランス 働き方改革

物価が上昇していても経済にとっていいケースとは

消費者物価指数(生鮮食品を除く)が前年同月比で1%上昇したそうです。

フィリップス曲線と現在の我が国の失業率の状況から物価が上昇するという考察が述べられています。

日本経済新聞の記事を引用いたします。

総務省が19日発表した9月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で1.0%上昇した。上昇は21カ月連続で、1%台になったのは2月以来7カ月ぶりだ。市場では失業率が2%の低位に定着しつつあることで、企業が賃金を引き上げ、物価上昇圧力が強まっているとの見方が出てきた。

ソシエテ・ジェネラル証券によると、失業率とインフレ率の関係を示すフィリップス曲線の過去のデータは、失業率が2%台に定着すると、企業の賃金引き上げにつながり、物価が上昇することを示している。2.5%から2%への低下でその傾向が加速するという。

日本の完全失業率は2017年5月の3.0%を最後に、今年8月(2.4%)まで2%台が続く。最近は2.5%前後で推移し、企業の人手不足が深刻になっている。

同証券の会田卓司チーフエコノミストは「これまでは就業率の上昇が速すぎて、企業は賃金を上げなくても人を集められていた。今後は就業率上昇のペースが鈍り、賃金上昇が加速し、物価が上がる」と分析する。CPI上昇率は19年には「2%には届かないが、1%を十分超える水準になる」と予測する。

総務省の担当者は、10月にはたばこが値上げされ、原油価格上昇によるガソリン料金の値上げも想定されることから、今後も物価の上昇傾向は続くとの見方を示した。

携帯電話の料金引き下げなどが、日銀が掲げる2%の物価目標にとってマイナスに響くとの声もある。同証券は「瞬間的には物価を押し下げるが、消費者が使えるお金が増えることになる」と影響は小さいとみている(日本経済新聞 2018年10月19日)。

みなさんはどのような感想を持ちますか?

価格が上昇することに嫌悪感を示す方も多いかもしれません。

しかし、物価の上昇は必ずしも悪いことでは無く、むしろ経済成長(つまり所得のアップ)に不可欠なこととして捉えるべきです。

先日もお話ししましたが、景気がいいとは、私たちの収入がよく、かつ金まわりがいいことです。

物価が上昇しても経営努力によって企業の業績が向上し、社員さんや協力会社の社外社員さんの給与が上昇し、働く人たちの消費意欲が増大し、高くてもモノが売れるといったサイクルに入れば、景気がいいと言えるわけです。

しかし、現状はこのようなサイクルに入っておらず、むしろ反対の状態です(デフレ経済)。

また、上記の記事の中で消費増税について一言も示されておりませんが、消費者物価指数の上がり具合では中小企業の厳しさが見えてくるかもしれません。

消費者物価指数には消費税も含まれる

消費者物価指数には消費税が含まれます。

以下は統計局のホームページです。

【I 消費税の取り扱いについて】
I-1 消費者物価指数では、消費税はどのように扱われているのですか。
消費者物価指数は、世帯が消費する財・サービスの価格の変動を測定することを目的としていることから、財やサービスの購入と一体となって徴収される消費税分を含めた消費者が実際に支払う価格を用いて作成されています。
ILOの国際基準でも消費税分を含めることとなっています。

このことについても驚く方も多いと思います。

我が国の場合、消費者物価指数の中に消費税が含まれると、そもそも指標として成り立たせることが難しくなるでしょう。

消費税が3%の時と10%の時では、豊かさの実感がまるで違うからです。

過去との比較も単純にできなくなります。

もし2019年10月に消費増税が実施されるならば、2%以上は上がってもらわないと企業業績は減る

日銀の黒田総裁は2%の物価上昇を掲げています。

しかし、懐疑的な見方が出ているという報道が先月の26日にありました。

日銀内で2%の物価目標の達成に懐疑的な見方が増えている。黒田東彦総裁は25日の講演で金融政策について「効果と副作用の両方をバランスよく考慮していく」と述べた。7月の政策修正も「こうした考え方に即したもの」とした。目標の達成が見通せず、金融面の副作用への配慮を深めざるを得なくなっている。

日銀が5年前に強力な金融緩和を始めてから雇用や企業業績は大幅に改善したが物価は鈍いままだ。黒田総裁は「やや複雑な経済・物価の展開」と述べ、緩和だけでは物価が上がりづらい構造への苦悩をにじませた(日本経済新聞 2018年9月26日)。

多くの方が2%の物価上昇について「おかしいな」と思っているのではないでしょうか。

さらに一歩進めて、2019年10月に消費増税で2%アップしたケースを考えましょう。

実はこの時、物価上昇はそれ以上にならなければなりません。

それがもし達成されていなければ、私たちの生活は厳しくなることでしょう。

本来上昇するべき価格が「どこかで」圧縮されているのですから。

どこで圧縮するかというと、企業の利益です。

その結果、働く人の所得がさらに減る可能性があることを強く意識して欲しいのです。

2%以上の賃金上昇がなければ、実質的な可処分所得は減ります。

なお、昨年は原材料費が22%アップしたのに対して最終財のアップは0.5%でした。

我が国は未だ「いいものを安く」のまっただ中にあると考えられます。

このような状況が続くのならば、消費増税はしてはならないのです。

2%以上消費者物価指数が上がっていなければその圧縮分はどこにいくのか

企業(中小企業)の場合は利益が減るということです。

消費税込みで10,800円の商品・サービスは、来年10月の消費増税で11,000円になります。

しかし、すべての商品・サービスがこのようにならない点が問題なのです。

そこには『値引き』という商慣習がついてまわるからです。

『いいものを安く』を求めてしまう私たちがいるからです。

値引いた分は、確実に企業の利益を圧縮します。

しかしながら、消費税はいくら値引きしても関係なく支払わなければなりません。

はっきり言えば、それが消費税の限界なのです。

10,800円の商品を消費増税後も10,800円で売ったら、企業は200円弱(182円)の利益が失われるのです(もちろん、軽減税率制度の対象外の商品です)。

デフレ経済が進むほど協力会社は厳しくなる

これまでも、最終財の価格が上がらないように協力会社の相当の努力(コスト削減)があったことでしょう。

しかし、価格が0に向かっていく経済・経営には限界があるのです。

我が国の事業所の99.7%の中小企業です。

もし、このような状況の中小企業が多いとしたら、物価が上昇するはずがないのです。

私たちの収入はさらに厳しくなります。

どうすればいいのでしょうか

どうするかは、冒頭に示したとおりです。

物価が上昇した分、企業の業績が向上することです。

つまり、大手企業だけで無く、協力会社を含めた中小企業まで業績が高まることです。

「いいのもを安く」ではなく「いいものが高くても売れる」仕組み作りを考えることが真の企業努力であると思っています。

そこに働く人の知恵と工夫が活かされるべきです。

働くひとり一人の魅力・能力を十分に発揮させることです。

それにより、社員さんや協力会社の社外社員さんの給与が上昇し、働く人たちの消費意欲が増大し、高くてもモノが売れるといったサイクルに入れば、景気がいいと言えるわけです。

そうなるために何が必要か私たち目線で考えるべきです。

価格競争から脱するために、私たちは知恵を働かせるべきです。

今後の消費者物価指数に着目しましょう。

大丈夫でいきましょう!

弊社のクライアント(お客様)の声です。
弊社のお客様への接し方や
支援の雰囲気が伝われば幸いです。

お客様の声