金融機関が中小企業への融資に積極的になっています

  1. 人と会社・企業

マイナス金利がどのような影響を与えているか

金融機関が中小企業への融資に積極的になっているというNEWSがありました。

背景には、マイナス金利や景況感の改善があるようですが、貸し倒れのリスクをどのように捉えるかが焦点です。

ちなみに信用保証協会付きの融資は1991年度以来の低水準です。

一部、日本経済新聞の記事を引用いたします。

金融機関が中小企業への融資に積極的になっている。企業が債務を返済できなくなったときに肩代わりする信用保証協会の保証を付けた融資は、バブル期の1991年度以来の低水準。一方、銀行による設備資金融資は2008年のリーマン危機後の10年度を底にほぼ右肩上がりで増えている。マイナス金利や景況感の改善を背景に、貸し倒れのリスクを恐れずに融資している実態が浮かんだ。一部には危うさも垣間見える。

「うちは3カ月延滞していても融資します」。大手信用調査会社によると、ある関東の地方銀行は地元の信用金庫への返済が3カ月滞っていた中小企業に、信用保証なし融資での借り換えを持ちかけて実行した。3カ月以上延滞した貸付金は一般的に銀行内の信用格付けで不良債権にあたる「要管理先」に分類され、新規の融資はしにくい。

別の地銀は中小企業を対象に信用保証付きの他行借り入れを保証なしに切り替える融資を積極的に進めている。借り手の企業には、信用保証料を負担せずに済むため借り換える利点がある。

全国信用保証協会連合会によると、18年8月末の信用保証付き融資の残高は約21兆5700億円になった。21兆円台はバブル経済時の91年度以来の低水準。この10年でみると、リーマン危機直後の09年度(35兆8500億円)のピーク比で4割も減った。

一方でこの10年、設備投資の融資残高は10年度の約294兆円を底に増え続けている。18年6月末で約346兆円となり、10年度比で18%増えた。中小企業融資の全体が増えるなかで、信用保証付き融資が減っているのは、金融機関がリスクを積極的に取って融資を増やしている状況を示す。

みなさんはどのような感想を持ちますか?

中小企業への融資が積極的になることは大変素晴らしいことだと思います。

そうせざるを得なかったことが背景にあるかもしれません。

中小企業支援の現場から私感を述べていきたいと思います。

銀行が儲けるためには薄利多売の道しか無い?

金融機関のみなさんはマイナス金利になってからとても大変だと思います。

単純に利息が低い状態で、企業への貸し出しによって利益を出すためには「量」が求められます。

その結果「薄利多売」の状態にならざるを得なくなるのかもしれません。

一方、借りる側の企業は0.1%でも利息が低い方を求めます。

そこに信用保証協会の保証料が乗っかると、企業にとってはコストが増えます。

それを嫌う中小企業は少なくありません。

結果、金融機関としては多少のリスクがあっても信用保証協会なしに融資をせざるをえないのかもしれません。

信用保証協会が付いていないプロパー融資が増えるのも、こうした理由があると考えられます。

これからの金融機関に求められるのは何か

「けしからん!」と思われてしまうかもしれませんが、敢えて申し上げます。

私はリスクを追って(もちろん正しい手順を踏んで)中小企業に融資をしてくれる金融機関のみなさんは素晴らしいと思っています。

ぜひとも大切にしたいと思っています。

リスクに果敢に挑戦することはこれからの金融機関に必要なことだと思います。

そのためにも、金融機関は「リスクや面倒なことでも積極的に挑戦できる人財の育成」が急務だと感じております。

与信判断に関しては、計り知れない将来の可能性を見いだすことができる正確な目だと思っています。

定量情報の分析はAIに取って代わられます。

現在も多くの金融機関でその方向を意識されていると思いますが、金融機関は今後より一層AI化が図られ、単純な業務が少なくなっていきます。

実際に来年度の新入社員は大きく採用人員が減らされる見込みです。

AIができない仕事は何でしょうか?

そこに特化することが大きな付加価値を産むと考えられます。

つまり、お金を貸す+αの商品・サービスとしてのコンサルテーション機能やマッチング機能が求められるのです。

やがて訪れる不景気や後継者不在に備えて、しっかりと企業をサポートできるように準備していきましょう。

AIに頼り切ることも不安を覚えます

私はAIに頼り切ることも不安を覚えています。

特に与信判断ではAIを頼り切りにしないほうがいいのではなないかと考えています。

AIが企業の将来の可能性を正確に見切ることができるかどうか不安だからです。

たった一度の失敗によって可能性が閉ざされることがないようにお願いしたいと思います。

リスクに果敢に挑戦してきた企業の将来性を正確に判断できるかどうかです。

『計り知れない将来の可能性を見いだすことができる正確な判断』は、人がするべきだと思っています。

信用保証協会のあり方も今後変わるかもしれません

信用保証協会は金融機関の立場からすると必要不可欠です。

しかし、金融機関が保証協会を使わなくても中小企業への融資に積極的になっていることは、大きな矛盾です。

この先、景気が後退したときが心配になります。

その時に備えて、厳しくなる金融機関が増えた時に手をさしのべることができる新しい信用保証制度も必要ではないかと思います。

私はリスクに果敢に挑戦する人、企業が評価される世の中になって欲しいと思っています。

金融機関のみなさんは今その最大のチャンスにあるかもしれません。

大丈夫でいきましょう!

弊社の講演会・セミナーの特徴は
お客様の高い満足度です。
企業支援の事例や現場のノウハウが
フィードバックされるためです。

詳しくご覧ください