『いいものを安く』から脱却しましょう

NTTdocomoの値下げはうれしいかもしれませんが気になる点も

大手企業の値下げはうれしいかもしれませんが

NTTdocomoが2019年4~6月に通信料金を2~4割下げるとしています。
(菅官房長官の携帯料金の値下げについての発言が影響しているのか否かはわかりません。)

消費者の立場からすると通信料金の値下げは歓迎したくなりますが、注意が必要です。

むしろ私は歓迎したくない気持ちが強いです。

理由は単純です。

大手企業の値下げは、協力会社の努力によって実現しているからです。

それゆえ私は中小企業診断士として、中小企業支援の現場で生きる者として、ぜひともお願いしたいことがあります。

それは、値下げには協力会社を巻き込まないで欲しいというものです。

低価格化は、大手企業が単独で実践するならばいいかもしれません。

しかし、そういった大手企業は世の中にひとつとしてありません。

大手企業はグループ会社はもちろんのこと、資本的な繋がりのない協力会社も含めて多くの企業に支えられているのです。

コストカットは実際に誰がするのでしょうか

なぜ大手企業の低価格化に協力会社を巻き込まないで欲しいのかを次に示します。

大手企業が価格を下げるとどういったことが起こるでしょうか。

一般的に、商品・サービスの価格が下がることで、次のようなことが考えられます。

1.大手企業が値下げを決定する
2.価格競争が激化し、協力会社に対するコスト削減要請も激しくなる
3.協力会社はそれに応えるためにあらゆるコスト削減を実施。人件費も含まれるかもしれない。
4.人件費が削減された社員さんはモチベーションと消費意欲が下がる
5.モノが売れなくなり、市場にあふれる
6.デフレ経済が深刻化し、不況が続く

こんなことはあってはなりませんが、低価格化を推進することによって協力会社への行き過ぎたコストカット要請が加速してしまうかもしれません。

コストカットは一体どこで行われるのでしょうか?

協力会社への影響はゼロではないでしょう。

実際に2017年は次のようなことが起きています。

これは不自然なことなのです。

また、働き方改革も推進することが求められますが、低価格化はそれに反する取り組みになりはしないでしょうか?

そもそも私たちの国の生産性は欧米よりも低いのです。

一体なぜこのようなことが起きてしまうのか考える必要があるでしょう。

デフレが深刻化しないでしょうか

「いいモノを安く」の経済がさらに深刻化し、あらゆる業種で価格競争が激化したらどうなるでしょうか?

大手企業の協力会社に対するコストカット要請は至る所で行われることでしょう。

それによって、協力会社全体で給料据え置きやダウンを招いてしまうことがあれば、多くの人の消費意欲が減退します。

すると、商品が売れません。

また、企業が価格を下げて前年と同じ業績を残すには商品をたくさん売るしかなくなります。

企業はさらに安く、さらにたくさん商品を生産をしようと協力会社へ要請することでしょう。

加えて「価格が安くても品質がよくないから売れないのだ」と勘違いしてさらに高スペックの商品の生産を要求します。

安くて高品質の商品がますます市場にあふれるようになります。

それでもモノが売れないのならば企業はさらに価格を下げようとします。

ますますデフレが深刻化してしまわないでしょうか。

このスパイラルはなんとしても防がなければならないのです。

低価格化によって私たちの給料が減ることはあってはならない

大手企業の協力会社で働いている社員さんは、消費者であり国民です。

その方々の待遇(特に給与面)が下がれば消費意欲は減ることでしょう。

若者ならば結婚しようとする気持ちが薄れるかもしれません。

また若い夫婦ならば子供をつくろうとする意識も弱くなるかもしれません。

以下は、子供を理想の数にする(増やす)ためには、家計の収入が増えることがトップであるという統計です。

家計の収入が増えなければ、深刻化している人口減少に歯止めがきかなくなるかもしれません。

以下は2020年の人口ピラミッド(予測)です。

さらに消費増税がデフレを深刻化する?

2019年10月から予定されている消費増税はこれまでの8%から10%に変わろうとしています。

軽減税率という制度も考えられていますが、現場は混乱をきたしております。

一体何のために消費増税するのかすら見えなくなっていませんか?

そもそも、消費税を上げようとして物価を下げようとするのは不自然です。

本気でデフレ経済から脱却し、なおかつ税収を増やしたいのならば、むしろ反対のことをするべきではないでしょうか。

税収を増やすために減税をするべきでは

もっと根本を見て欲しいと国民の多くが思っています。

減税することで税収が増えるような施策に方向転換をして欲しいと願っております。

消費税は、景気の良し悪しに関係なく納めなければならないのです。

これは納税者側からするととんでもないことなのです。

景気が悪化したときに死活問題となるからです。

可処分所得が低ければ低いほど大きな負担になるのです。

景気が良ければ増税、悪ければ減税するといった原理原則を実践して欲しいと思います。

また、申し訳ないですが国民に増税を求めるならば、ムダをなくしてから実施して欲しいです。

それをせずして国民に負担を強いることは誰も納得しません。

最後になりますが、大手企業の値下げと消費増税によっていくつかの中小企業が窮地に追い込まれることはあってはなりません。

働く人の約7割が中小企業で働いています。

そうならないためにも、日頃から価格競争から脱する経営を実践していきましょう。

人財が差別化を実現する「人を大切にする会社」を増やしていきましょう。

大丈夫でいきましょう!

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