安いは正義?では給料が上がらないことは?・・・なぜデフレ経済が問題なのか

  1. ワーク・ライフ・バランス 働き方改革

安いは正義という言葉の違和感

時々目にしたり耳にしたりする「安いは正義」という言葉に私は大変な違和感を覚えます。

企業側がもしその言葉を使うとするならば、大切な条件があります。

安いは正義と言いきるのならば、自社で働く社員さんは無論のこと、協力会社で働く社員さんの給料を高めることが譲れない条件です。

反対に、それによってその会社で働く社員さんや協力会社で働く社員さんの給料が低くなってしまうなら正義ではありません。

完全に間違っています。

もはやそれは企業にとって最低限求められる社会的責任(CSR)です。

働く私たちは賃金を得る労働者であり、生活のためにお金を使う消費者でもあります。

しかし、本当に残念なのですが、現実的に私たちの賃金は1997年をピークに上がっていないのです。

我が国ではこのような状態が20年続いています。

20年続いている根拠は次の厚生労働省のデータ(毎月勤労統計調査)です。

その視点からすると「給料が上がっていかないから安いものを求めるのは当然のことだよ」となるのもわかります。

しかし、私は「働く人の給料が上がることが正義」だと思っています。

安いは正義ならば給料が上がらないことは?

私は「働く人の給料が上がることが正義」だと思っています。

給料が上がらなければ、私たちの未来も明るいはずがないのです。

もし私たちの子供はもちろん、孫や子孫が今とあまり変わらない給料だとしたらいかがですか?

子供は減る一方でしょう。

経済成長していない国に明るい未来はあるでしょうか?

それは「ない」でしょう。

少なくとも我が国ではこの20年給料が高まっていないことを受け止めるべきです。

さらに20年続けば孫の世代まで突入し、生産年齢人口はますます減少してしまうことでしょう。

それらを防ぐためにも「安いは正義」という価値観を国全体で変えていかなければならないと思います。

また、私は我が国がデフレであり続けることが国際社会に取り残されることにもなりはしないか懸念しております。

売上高は客数×客単価からなるということ

会社は永続を実現するために売上高をあげなければなりません。

その売上高を極めてシンプルに示すと、「客数×客単価」で示されます。

モノの価値が下がり客単価が減っていれば、客数を増やさなければなりません。

しかし、我が国は人口減少社会であり、特に地方では顕著です。

客数(人口)を増やすことと客単価を高めることと、どちらが実現可能性があるか考えれば私たちが行うべき事が何か見えてきます。

それは客単価を上げることであり、価格競争をしないことです。

それが真の経営努力です。

客数を増やすために、さらに激しい安売りをすることは理にかなっていないのです。

「いいものを安く」の追求で協力会社が犠牲になることがあってはならない

「いいものを安く」を展開している企業は薄利多売になりがちであり、多店舗展開をして業績を出しています。

その背後には、多数の協力会社があることを忘れてはなりません。

薄利多売の中で利益を出すためには、協力会社の協力が不可欠です。

その協力が理不尽なものであってはなりません。

2017年の我が国は、原材料費の高騰が22%であるのに対して最終財は0.5%アップしたに過ぎませんでした。

これには大変驚かされます。

もし協力会社の利益が大きく圧縮されるのであるならば、そこで働く社員さんの給料も高まるはずがないのです。

私たちは一刻も早くこの状況から脱することが求められます。

働き方改革を本気で進めるためにも。

私は「いいものを安く」をやり続ける限り、長時間労働が減らないと思っています。

長時間労働は絶対にしてはなりません。

働いている人の健康を害するからです。

残業時間の人件費は1.25~1.5倍がかかることで会社の利益率を下げるからです。

生産性は、アウトプット÷インプットであらわされます。

アウトプットは産出物になりますが、今の私たちにとっていちばん大切なのは「付加価値」です。

インプットは人や時間、機会等です。

「人を増やせばいいじゃないか」という方もいるかもしれませんが、もはや増えないのです。

特に地方では顕著です。

インプットに限りがあるのならば、アウトプットが大きくならない限り働き方改革は進みません。

だから、付加価値を増やすことを(つまり価格競争をしないこと)がとても重要なのです。

働き方改革を本気で進めるのならば、大手企業から率先して価格競争から脱する努力をするべきだと思います。

短時間労働で給料が上がっていくように経営努力するべきなのです。

なおかつ、自分たちの会社だけでなく、協力会社も含めて給料を高めるべきなのです。

国民全体の給料が底上げされていかなければ、少子化は防ぐことができないのです。

繰り返しますが、私たちの働ける時間に限りがあります。

そのことを念頭において働き方を変えていく必要があるのです。

安心・安全も犠牲になる。自分のことしか考えていない経営は間違っている

自分だけのことを考えていればいいとするならば、安いことは自分にとっては正義かもしれません。

しかし、価格が安くなったことによって安心・安全が犠牲になるとしたら、みなさんは許さないと思います。

ところが実際にはそうなっています。

「いいものを安く」つくるところに余裕はないのです。

安心・安全は無料ではありません。

そこを削ってしまうことは正義とは言えません。

それゆえ安く売るのではなく、例え高くてもお客様が満足する付加価値の提供を目指すことが大事なのです。

それが真の経営努力なのです。

価格競争は自分たちの首を絞めてしまいます。

「安いは正義」とどの会社も展開していたら私たちの給料があがらないどころか、安心・安全が犠牲になりかねないのです。

街中もにぎわいがいまひとつです

11月も中旬になりました。

先日は平日の夜の11時近くにバスに乗りましたが、なんとバスの乗客が数人でした。

このようなことははじめてのことでした。

そろそろ忘年会シーズンになるというのに街の賑わいはいまひとつです。

これが政令指定都市静岡市の街中の現状です。

まさかと思う方は、ぜひ平日の夜に静岡の街中をご覧ください。
(もちろん価格競争から脱しようと必死に経営努力を積み重ねて成果を出している個店もありますが、ごく一部です。)

こうした状況から脱するためにも私たちは「いいものを安く」のデフレ経済から脱却するべきです。

ひとつでも多くの企業が「給料が上がっていかない事態を打破するために、高売りをしていくんだよ」と変わっていくべきです。

実際にそういった会社が世の中にはあるのです。

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