経団連2018年冬ボーナスが過去最高の見込み。我が国を牽引する企業の社会的責任

  1. ワーク・ライフ・バランス 働き方改革

経団連の2018年冬のボーナスは過去最高を更新。4年連続で90万円台。

いよいよ年末のボーナスが迫ってきましたね。

経団連が2018年の冬のボーナスの第1回集計を発表しました。

今夏に引き続き過去最高を更新する勢いのようです。

以下、情報源として共同通信の記事を引用いたします。

経団連は16日、大手企業が支給する冬の賞与・一時金(ボーナス)の第1回集計を発表した。平均妥結額は昨冬に比べて3.49%増の95万6744円と過去最高を更新した。第1回集計としては4年連続で90万円台となった。

好調な企業業績を反映し、12業種のうち10業種で前年を上回った。経団連の担当者は「好業績の企業が多く、最終集計でも高水準となることが見込まれる」という。

製造業の平均妥結額は3.31%増の94万8013円。非製造業は妥結額が判明している企業が3社と少ないが、8.30%増の120万7875円(共同通信 2018年11月17日)。

みなさんはどのような感想を持ちますか?

大手企業に勤められている方、行政機関に勤めている方、中小企業に勤められている方で見解は異なることでしょう。

私は大変素晴らしいと思いますが、その気持ちは0.3%未満です。

我が国のためにも残り99.7%の満足度を高めなければなりません。

それは、中小企業も同じく過去最高にボーナスが出ることです。

経団連も大切ですが中小企業の実態をしっかり見て欲しい

もし「経団連に属する企業が過去最高にボーナスが出ているならば、我が国は好景気ではないか」と思う方がいたら、それを判断するには条件が不足していますので注意していただきたいと思います。

我が国をあらわすものは大手企業だけではありません。

中小企業があるのです。

しかもその割合が圧倒的に違うのです。

以下は、平成26年経済センサスによるものです。

大手企業:0.3%(1.1万社)
中小企業:99.7%(380.9万社)

我が国をあらわすためには、大手だけでなく中小企業がいかに大切かわかります。

「中小企業が過去最高にボーナスが出ているならば、我が国は好景気だ」と言えるのです。

経団連のデータは、大手企業の中の我が国を代表する企業のものです。

その割合は0.3%よりもさらに小さなものなのです。

大手企業の業績がいい要因は

大手企業の好業績の要因は政治や為替等の外部環境要因のことばかりが語られる傾向にあります。

確かに外部環境要因はあるかもしれませんが、私は好業績を支えたのは多くの協力会社であることを声を大にして伝えたいのです。

大手企業のみなさんの中には「何を言ってんだ」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、事実です。

実際に2017年は22%の原材料費の高騰に対して最終財の値段は0.5%しか上がっていません。

これは明らかに不自然ですが、それを可能にしたのは協力会社の多大なる貢献によるところが大きいのです。

ひとつの協力会社にはさらに多くの協力会社がいることでしょう。

かれらのがんばりなしに好業績が達成されたとは思えません。

協力会社は「ほぼ」統制可能な外部環境要因でありますが、実はとても大切な内部環境要因であるとも言えます。

反対にもし仮に、協力会社の「犠牲」の上に好業績が達成されている大手企業があるならば、それは直ちに是正すべきです。

「犠牲」というのは案外何気ない言葉によって強いられる

企業間取引の話をします。

元請企業は価格決定力があるのは当然のことです。

協力会社からの見積に対して最終的に判断するのは元請企業です。

元請企業は1円でもコストカットを進めようとしています。
(それを経営努力だと思っている方も少なくありません)

すると、以下のような何気ない言葉が担当者から出てきます。

「弊社の予算をオーバーしていますので・・・この金額の範囲で抑えられませんか?」

これらは企業間取引の際に普通に行われている価格交渉です。

しかし、捉え方によっては理不尽な「コストカット要請」になりかねません。

現実的に厳しい予算の物件には協力会社に「今回は泣いてもらう」こともあることでしょう。

しかし、それが毎回になれば協力会社は「犠牲」を強いられることになるのです。

利益が出ている物件については、しっかりと協力会社に対しても利益を還元すべきです。

犠牲で終わらせないためにも、大手企業の担当者はその見極めがとても大切になってくるでしょう。

だからこそ、大手企業の担当者は人間力のある方が求められるのです。

消費増税自体を見直して欲しい要因もここにある

企業間取引には当然消費税も含まれます。

しかし、これが本当にやっかいなのです。

商品価格に消費税が乗っかるとどうなるでしょうか?

大手企業の担当者からするとそれは「高い」と判断されます。

私が消費税の問題点として最も感じる部分は、中小企業が企業間取引をする際に価格交渉を厳しくさせるものだからです。

結果的に消費税分と同額の利益がカットされてしまうことも起こりうるのです。

みなさんも消費者の立場からすると同じ心境になるでしょう。

だから、流通業者が消費税を内税表記か外税表記かで揉めているのです。
(これはとても重要な議論です)

我が国の問題点

話をボーナスに戻します。

ボーナスの問題は、大手企業「だけ」がボーナスアップしていることです。

これまでも何回も述べてきましたが、私たち中小企業全体のボーナスが大手企業ほど高まることはほぼありません。

以下は、大阪シティ信用金庫さんによる中小企業の夏ボーナスについての大変貴重なデータですが、これによりますとボーナスの支給額は20年間変化なく、支給率についても60%前後であることがわかっています。

今夏の経団連発表のボーナスは次の通りです。

昨年は以下のような状況でした。

もちろん、中小企業単独でそれ以上のボーナスが出ているところもあります。

中には、大手企業以上の中小企業もあります。

残念ながらそれが少ないのが問題なのです。

だからこそ、そういった企業を増やしていくことが大切なのです。

そういった企業とは「人を大切にする会社」です。

価格競争から脱し、自分たちで価格が決められるように人財が差別化を図ることを徹底して行っています。

また協力会社を大切にしており、理不尽なコストカット要請をしません。

景気回復の実感がないのは当然のこと

中小企業で働く人は「景気回復の実感が全くない」という方が「圧倒的に」多いことでしょう。
(大手企業や行政機関で働く方々は別です。)

正確に言えば、中小企業にとって景気は極端に良くも悪くもなっていないということなのです。

私たちの給料は1997年をピークに高まっておりません(厚生労働省の「毎月勤労統計調査」)。

これから今冬のボーナスに関する情報が出てきます。

「我が国全体の景気が良くなっている」と判断するためには、我が国事業所の99.7%を占める中小企業の状況が好転することが不可欠です。

働く人の約7割が中小企業に属していますが、私たちのボーナスが明らかにアップしたことが明白になれば景気は回復していると言えるのです。

この現状を知らない方は理解していただければと思います。

怖いのは、この現状を知らないまま大手企業中心に施策をすすめてしまうことです。

それは大変危険です。

給料が上がっていない現状で増税があれば、私たちの生活は苦しくなる一方です。

いよいよ倒産する中小企業も増えることでしょう。

どうか協力会社を大切にして欲しい

この度の大手企業の好業績を支えているのは、数多ある協力会社(中小企業)です。

大手企業のみなさんには、どうか協力会社のみなさんを大切にして欲しいと願います。

つまり、この機会に利益還元を十分にして欲しいのです。

ボーナスは社員さんへの利益還元です。

社員さんの次は、どうか協力会社に利益を還元して欲しいと思います。

それは世の中のためです。

なぜなら、子供が増えていないからです。

人口減少を食い止めるには、子供を産むことができる若い世代が安心できるよう所得を増やすことです。

また今後、人手不足と後継者不在で協力会社が失われてしまうかもしれません。

これらは社会全体の問題であるからこそ大手企業が率先して取り組んで行くことが求められると思います。

それが社会的責任ではないでしょうか。

だから、我が国全体で「人を大切にするいい会社」を増やしていくことが大切なのです。

大切にする人とは、働く社員さんとその家族、協力会社、お客様、地域の人(高齢者や障がい者の方々)、株主です。

大丈夫でいきましょう!

弊社の講演会・セミナーの特徴は
お客様の高い満足度です。
企業支援の事例や現場のノウハウが
フィードバックされるためです。

詳しくご覧ください