ゴーン氏逮捕から・・・組織のトップは常に正しくあるべきですがなぜできなくなるのでしょう?

  1. 人と会社・企業

ゴーン氏の逮捕はクーデターか

昨日は日産自動車のゴーン会長が金融商品取引法違反の疑いで逮捕されました。

私たちはこの事件から学ぶべきだと考えます。

以下、この容疑が事実だとしたら、という前提で述べていきます。

この事件は、クーデターではないかという論調も目にします。

クーデターとはデジタル大辞泉によりますと次のように記されています。

既存の支配勢力の一部が非合法的な武力行使によって政権を奪うこと。支配階級内部での権力移動であり、体制そのものの変革を目的とする革命と区別する。

みなさんはどのように思われますか?

クーデターという言葉のイメージはあまりいいものではありません。

もちろん武力を行使したわけではありませんし、非合法的な力を行使したとならば大問題です。

現状においては「正しい手続きにより企業トップの不正を正そうとしている」とするべきだと思います。

支配階級内部での権力移動かどうかはこれから明確になることでしょう。

敢えて言うならば、体制そのものの変革を目的としている「革命」となることを強く願います。

ただし、それは働く社員さんとその家族、協力会社、お客様、地域の人(障がい者や高齢者)、株主のための革命であるべきです。

無論、自分たちのことだけを考えた革命ならば間違っています。

誰でもわかっていること・・・組織のトップは常に正しく。正論を追求するべき

原理原則となりますが、組織のトップはいかなる時もどんな事態になろうとも正しくあるべきであり、正論を追求し続けるべきです。

正論とはデジタル大辞泉によりますと次のように記されています。

道理にかなった正しい意見や議論。「正論を吐く」

では、道理とはなんでしょうか?(以下、デジタル大辞泉を引用)

[名・形動]
1 物事の正しいすじみち。また、人として行うべき正しい道。ことわり。「道理をわきまえる」「道理に外れた行為」
2 すじが通っていること。正論であること。また、そのさま。「言われてみれば道理な話」

企業のトップこそ「人として行うべき正しい道」を突き進むことが大切です。

カルロス・ゴーン氏の行ったとされる行動(容疑)は、そこから外れてしまったと言わざるを得ません。

なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか?

人は自分の思い通りに人生を突き進むと、人の道を踏み外していることに気がつかなくなる

世の中の多くのリーダーは、自分の思い通りに物事を進めようとします。

人を思い通りに動かそうとします。

長年にわたり「自分の思い通りに進める」と人はどうなってしまうでしょうか?

自分の思い通りに物事を突き進めることに慣れてしまうと、世の中の常識と乖離していった時に気がつかなくなってしまうのかもしれません。

その時に苦言を呈することができる側近がいることが理想ですが、多くの場合既に排除されてしまっているのです。

人が組織のリーダーになるまでには様々な過程がありますが、自分の思い通りに進めていると、まわりにイエスマンしかいないことが当たり前になってしまいます。

それを防ぐことがコーポレートガバナンス(企業統治)として不可欠な要素なのです。

これからは「自分の思い通りに進める」だけではなく、部下の意見を尊重することができるリーダーが求められます。

それには相当の人間力が求められます。

人間的に優れたリーダーは、部下の苦言を聴くことができます。

すなわち傾聴力です。

苦言を聴くことによって人間力が磨かれてきたと言っていいでしょう。

リーダーシップ論から簡単に

リーダーには人間的に優れた人が理想ですが、必ずしもそうではありません。

リーダーにはどのようなタイプがあるか、レヴィンのリーダシップ論を紹介したいと思います。

リーダーシップには次の3つのタイプがあります。

①専制型(独裁型)・・・すべてを自分で決定する
②放任型・・・部下に決めさせる
③民主型・・・話し合いで決める

日産自動車が倒産の危機にあると言われていた状況で求められたのは、どのタイプのリーダーだったでしょうか?

これは専制型のリーダーシップだったと思われます。

ゴーン氏はこのタイプのリーダーとして最適だったのではないかと推察します。

速やかに大胆なリストラ策を実行しました。

だから、短期で業績の回復(V字回復)を実現することができたのです。

ところがこのやり方は、中長期的には組織を構成するメンバーの不満が溜まりがちで、モチベーションや生産性が伸び切りません。

ゴーン氏は、業績が回復した時にこそ民主型のリーダーシップに自らをモデルチェンジしていくべきだったと思います。

部下からの苦言を聴くリーダーに変わることで、状況も変わっていたことでしょう。

もしかすると当初は民主型の要素もあったかもしれませんが、権力が集中することで専制型の要素が一段と強くなったのかもしれません。

いずれにしてもリーダーは裸の王様になってしまってはいけないのです。

敢えて言いたいこと。組織の常識を1度取り除きましょう。

ゴーン氏の事件は決して人ごとではありません。

敢えて申し上げますが、どんな企業にでも不正や不祥事のリスクが常に存在していると思います。

特に組織上のポイントとなるのは、未だに専制型のリーダーが多く認められという点です。

専制型のリーダーは次のような言動や行動が認められます。

「自分は絶対に正しい」
「部下は自分の言ったとおりに動くべきだ」

すると、部下である社員さんはどのような反応になるでしょうか?

次のような言葉が代表的です。

「上司(会社)に何を言っても変わらない」
「上司(会社)に意見を言ったら冷遇を受ける」

そのような状態の会社では、部下である社員さんが「諦めること」を防御策として取っています。

自主的に考えることを放棄します。

そうなると組織の不正が見過ごされてるような状態になりがちです。

このような会社に明るい未来はありません。

注意すべきは、それらを「組織の論理」「組織の常識」として捉えてしまう場合です。

そのような組織では生産性も高くありません。

「組織とはそういうものだ」と自らを納得させて思考を停止させてしまうことは、実は正しくないのです。

勇気を持ってそれらを1度取り除くことがとても重要です。

健全な組織は「BAD NEWS FIRST!」が機能しています

問題点を明確にしてカイゼンを図る組織をつくることしかないのです。

近頃では、不正の中にパワハラも含まれるようになりましたのでより一層の注意が必要です。

会社が一丸となって「いい会社」をつくっていこうとすることが最良にして必須の対策

2013年にTBSのドラマ「半沢直樹」が多くの人の心を掴みました。

あれだけ流行ったのは、多くの視聴者の心の中に「小さな半沢直樹」がいて共感したからだと思います。

つまり「正しいと思っていることを口にできない」人がいかに多かったかということだと思います。

しかしながら「実際にそんなことしたらクビになる」という意見も良く聞きました。

この現実もとてもよくわかります。

しかし、敢えて申し上げたいのですが、これこそが上記した「組織の論理」「組織の常識」等に縛られているからこそだと思っています。

この常識を勇気を持って1度取り除くことが求められると思います。

「正しくないものを正しくない」「おかしいものはおかしい」と言える組織こそ明るい将来があるからです。

それを見て見ぬふりをしてきたからこそ組織は腐敗してしまうのです。

組織の腐敗はトップの姿勢からですが、常にいい会社をつくっていこうとすることが唯一の防御策です。

そのためにリーダーの「あるべき姿」は何でしょうか?

リーダーの「あるべき姿」は、正しい信念(経営理念)に則して反対意見を言う側近や部下を大切にすることです。

この「あるべき姿」を自分の感情よりも常に優先することです。

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