パワハラ防止義務の適用は大企業で2020年4月にも。3年以内に中小企業も

  1. 社風・組織風土

中小企業も3年以内に義務化

パワハラの防止が義務化されるようです。

以下、情報源として日本経済新聞の記事を引用いたします。

厚生労働省は14日開いた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で、企業へのパワーハラスメントの防止義務を盛った女性活躍推進法などの改正案要綱を示し、了承された。防止義務の適用は大企業で公布日から1年以内とし、2020年4月にも始める。

3月にも法案を提出し、今国会での成立をめざす。中小企業は公布日から3年以内に義務化するとし、それまでは努力義務にとどめる。残業時間の上限規制など働き方改革関連法の対応に追われるため、経営側が中小への準備期間を求めていたことに配慮した。

改正案では企業にパワハラ防止の措置を講じるよう義務付ける。相談窓口の設置やパワハラをした人の処分規定を設けることなどを求める予定だ。セクシュアルハラスメントなどは防止義務があるが、パワハラは法律による規制がなかった。

パワハラは社会問題化している。労働局への労働相談ではパワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」の相談が17年度で約7万2千件に上る。厚労省の16年度の調査では、企業で働く人の3人に1人が「過去3年間にパワハラを受けたことがある」と回答している(日本経済新聞 2019年2月15日)。

みなさんはどのような感想を持ちますか?

パワハラ防止の義務化は一見すると脅威に見えるかもしれませんが、ぜひとも追い風にしていきましょう。

会社側のマネジメントをより一層進化させていくことは、いい会社づくりにおいても不可欠です。

リーダーやベテラン社員さんがより良く変わっていけば、それは会社の成長になるのです。

「変わらないこと」がいちばんいけません。

リーダーたちの一歩先に進んだ部下への接し方は、会社の成長に繋がるのです。

教育現場との連携が不可欠

パワハラが義務化することを受けて、私は教育現場との連携がより重要になってくると考えます。

パワハラは、会社などの社会に出て所属する組織のみに問題があるとは思えないからです。

教育の現場とは、学校教育、家庭教育、地域の教育の3つです。

教育現場は、会社で求められている人財がどういったものか常に意識する必要があります

特に重要なのは「躾(しつけ)」です。

現在は、社会に出てから「躾(しつけ)」を受けるようになってしまっています。

中小企業支援の現場からはっきり申し上げますが、それでは遅いのです。

躾は社会に出るまでに最低限身につけておくべき事です。

身につけていなければ、どんなに素晴らしい会社でも適応できないかもしれません。

いい会社であればあるほど躾を身につけておくことが求められるからです。

躾(しつけ)とは、社会生活への適応に必要な望ましい生活習慣を形成すること

躾という言葉はイメージが一人歩きしている印象を持ちます。

そのイメージはどちらかと言えばマイナスに感じる方も多いかもしれません。

躾とは百科事典マイペディアによりますと、次のように記されています。

社会生活への適応に必要な望ましい生活習慣を形成すること。田の植付けや着物を仕立てる際のあら縫い(仕付)の意から,子どもに幼児から礼儀・作法を教え込むことをいうようになり,〈躾〉の字が用いられるようになったとされる。もとは神の意にかなった労働の型や手順を習得させ,子どもを一人前にすることをさした。躾はその社会や文化に制約されるが,子どもを道徳的習熟に導く教育の過程であり,躾の仕方は人格形成に大きな影響をもつ。

躾は社会人として至極当然のことを示しています。

強制的なイメージも強いかもしれませんが、それは身につけなければ社会に出てから困るものだからです。

道徳的習熟があるからこそ仕事が楽しくなる

躾のポイントは次の4点です。

〇社会生活への適応に必要な望ましい生活習慣を形成すること
〇子供を一人前にすること
〇道徳的習熟に導く教育の過程
〇人格形成に大きな影響をもつ

上記の4つのポイントがあってこそ自主性が尊重されるべきなのです。

ところが、現在の教育は自主性が先にきて、躾が後回しになっているような気がしています。

誤解の無いことを願ってますが、それでは言われたことしかしない人になってしまうかもしれません。

言われたことしかしない人は仕事ができるとは言えません。

大切な躾が先送りされたままの状態で若者たちが社会に出てきてしまったら、結果的に苦労するのです。

また本来、自主性には責任が伴います。

どんな仕事にも責任があり、それを自主的に果たそうとするからこそ楽しくなっていくのです。

大変な仕事を楽しくしていくためには、躾(しつけ)がしっかりされていることが不可欠なのです。

こうした教育を受けた新人が入社してくることがパワハラを少なくすることにもなるはずです。

もちろん、リーダー達のマネジメントも進化することが必須です。

その人の家族に同じことが言えるか?できるか

パワハラに話を戻します。

厚生労働省によりますと、パワハラは次のように定義されています。

職場でのいじめ,いやがらせ。同一の職場で働く者に対し,職務上の地位や権限,人間関係などの職場内の優位性を背景として,適正な業務範囲をこえて,継続的に,精神的・身体的に苦痛を与えて人格と尊厳を侵害すること,または就労環境を悪化させたり雇用不安を与えること。

リーダーはパワハラに該当するようなことをしていても、自分の行いに気がついていないことも多いです。

それを防ぐために、次のことを抑えて欲しいと思います。

それは、『その人の家族に対して同じことが言えるか?できるか?』というものです。
(これは上司の指導がパワハラにならないようにするためにも重要な判断基準のひとつだと思います。)

例えば、以下のような発言はアウトです。

『どういう育てられ方をしたんだ?親の顔が見たいわ!』

こうした言葉は、躾(しつけ)られていない部下に対してリーダーがつい言ってしまうものです。

一昔前は、部下の奮起を促そうとしてこうした言葉を言うことも珍しくなかったかもしれません。

しかし、今の時代は言ってはいけないのです。

これが繰り返されれば、『継続的に,精神的・身体的に苦痛を与えて人格と尊厳を侵害すること』になるからです。

だからこそこちらからブレーキをかける必要があります。

それと同じことをその人の親の前では言えないのならば、言ってはいけないのです。

リーダーの気持ちも痛いほどわかるからこそ、マネジメントの進化と教育現場での躾を

しかし、躾(しつけ)が身についていない部下に対して、上記のような言葉を言ってしまうリーダーの気持ちも痛いほど分かります。

リーダーのみなさんはぜひ振り返ってみてください。

今思えば「しまった」と思うような言葉を投げかけてしまったことがあるかもしれません。

しかし、言っている側は気がつかないものなのです。

反対に、言われた側は覚えています。

100歩譲ってプラスの力に変わっていけばいいですが、今の時代ではほとんど効果はありません。

むしろ、屈辱や憎しみとなってしまうのです。

それがパワハラとして訴えられることにも繋がるのです。

だから、リーダーのマネジメントも進化することが必須です。

一方で、躾(しつけ)を社会人になるまでに身につけておくように教育現場の努力も不可欠であることを強く言いたいと思います。

トヨタは5Sとは言わず4Sです。

なお、トヨタでは5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)ではなく、4S(整理、整頓、清掃、清潔)と言います。

つまり、躾がありません。

入社したら1人の社会人として尊重されるべきだからです。

なおさら躾はそれまでに身につけておくことが求められるのです。

身についていなければ入社後に苦労するのです。

いい会社、一流の会社こそ躾はあらかじめ身につけておくことが求められるのです。

このことを教育現場(学校、家庭、地域)は常に意識して、子供たちを育成することが大切だと思います。

子供たちが大人になって路頭に迷わないためにも。

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