関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役から金品を受領

  1. 人と会社・企業

またまた大手企業による悲しくなる事件

関西電力の役員らが高浜原子力発電所が立地する福井県高浜町の元助役から金品を受領していたことが明らかになりました。

総額は3億2千万円にのぼるようです。

関西電力の岩根社長が記者会見をおこない、謝罪しました。

自身が辞任することはないようです。

情報源として日本経済新聞の記事を引用いたします。

関西電力の役員らが高浜原子力発電所が立地する福井県高浜町の元助役(今年3月に死去)から金品を受領していた問題で、関電は27日午前、大阪市内で記者会見し、元助役から八木誠会長や岩根茂樹社長ら20人が2011~18年に計3億2千万円相当の金品を受領していたと発表した。会見した岩根社長は「関係者に多大な心配やご迷惑をおかけし、お騒がせしたことを深くおわび申し上げる」と謝罪する一方で、自身の辞任は否定した。八木会長と岩根社長を報酬減とするなど社内処分したとしている。

関係者によると、元助役からの資金提供は、原発関連工事を担う地元の建設会社からの資金が原資だった可能性があるという。

岩根社長は全国の電力大手でつくる電気事業連合会会長を務めている。

受け取った20人には役員のほかに、同社OBや社員らも含まれる。20人が儀礼的なもの以外はすでに返却したという。

会見で、岩根社長は就任祝いとして記念品を受け取ったと明らかにした上で、「非常に高額なので後で返そうと思った」と強調。元助役については「地元の有力者であり、『受け取れない』と言った時に先方も厳しい態度で返却を拒んだ。関係悪化を恐れ、お預かりして、返せるときに返そうと判断した」と述べた。

関係者によると、元助役の男性は1977~87年、高浜町の助役を務めた。当時から関電と深い付き合いがあり、退職後も影響力を持っていたとされる。

税務当局は高浜原発や大飯原発(福井県おおい町)の関連工事を請け負う高浜町の建設会社を調査。この会社から工事受注に絡む手数料として元助役に約3億円の資金が流れていたことが確認されたという。

さらに元助役の税務調査で、関電幹部ら6人に現金を届けたりしていたことが判明した。総額は7年間で約1億8千万円に上るとみられる。関電によると、税務当局からは一部、所得税の対象に該当するものがあると指摘されたため、修正申告して納付を済ませたという。

関電は26日夜、社内に調査委員会を設置して確認を進めた結果、役員や社員の一部が「特定の人物から金品を渡され、一時的に各個人の管理下で返却の機会をうかがいながら保管していたが、現時点では返却を完了している」とするコメントを出していた(日本経済新聞 2019年9月27日)。

みなさんはどのような感想を持たれますか?

どの説明も非常に苦しい言い訳に聞こえます。

憤りを覚える方も多いことでしょう。

関電幹部らに流れていたお金は明らかに正当なものではありません。

高浜原発や大飯原発の関連工事を請け負った建設会社から工事受注に絡む手数料として元助役に約3億円もの資金が流れていたことも正当であるとは言えません。

お金に色はつけるべきではないですが、敢えて言うならばこれらは限りなく「汚い金」です。

賄賂と思われても仕方がないものでしょう。

賄賂とはブリタニカ国際大百科事典によりますと次のように記されています。

職務に関する不法な報酬。賄賂罪 (→贈賄罪 ) の手段とされるものをいう。金銭,物品の場合がほとんどであるが,人の欲望または需要を満足させるに足りる一切のものを含む。経済上の価値をもつ物であることは必要なく,一定の地位を与えること,情交の承諾,提供などもまた賄賂である。社交儀礼の範囲内での贈り物は賄賂とはならない。中元,歳暮,見舞い,餞別などが典型例であるが,価格が相応の程度をこえるもの,また少額でも職務に対する対価性が明白なものは賄賂性を帯びる。

驚くべきは岩根社長が辞任しないということです。

岩根社長は全国の電力大手でつくる電気事業連合会会長を務めているそうですが、力が集中しすぎることがコーポレートガバナンスが機能しなくなる大きな要因でもあることを理解するべきです。

ガバナンス機能を果たすためには苦言を呈することができる側近がいるかが問われますが、この状況から推察する限りいないのではないかと思われます。

修正申告して所得税を納付をしていることと返却を完了していることは矛盾する

上記の記事では、関西電力の幹部は「修正申告して所得税を納付をしている」そうです。

一方で、「一時的に各個人の管理下で返却の機会をうかがいながら保管していたが、現時点では返却を完了している」という説明もありました。

これらは矛盾する内容です。

この金額からくる所得税も莫大です。

2011~18年に受け取っていた訳ですから、遡って修正申告して所得税を納めたと考えられます。

それに伴う延滞税も莫大でしょう。

本当に返却する意思があるならば一刻も早くするべきでしたし、機会をうかがうほどの時間的余裕はなかったのではないでしょうか?

コーポレートガバナンスが機能しておらずコンプライアンス違反に繋がっている

関西電力は企業統治の面で大きな問題があることが露呈されました。

金品を受け取った幹部ら20人の誰もが「これは受け取ってはいけないものだ」と認識していたはずです。

しかし、そのための行動が徹底できなかったのです。

問題が発覚するまで一体何をやっていたのかと思われても仕方ありません。

元助役が地元の有力者であろうと、先方が厳しい態度で返却を拒もうと、関係悪化を恐れようと、全く関係ありません。

何よりもコンプライアンスの方が重要なのですから。

経営者は法令遵守することで会社はもちろん、何よりもかけがえのない人財である社員さんを守るのが仕事です。

それが揺らいでしまうのならば経営者としての資質を問うべきだと思います。

我が国を代表する企業だからこそ、厳しく追及されるべきです。

反対に、追及が甘くなることはおかしいことです。

リーダーは苦言を呈する側近を育て、耳が痛くなるようなことでも聴く力(傾聴力)が求められる

政治と金、原発利権、様々な問題が渦巻いています。

人の欲は果てしないものです。

こういった事件が発覚する度に悲しい気持ちになります。

だからこそ、コーポレートガバナンスやコンプライアンスが大切なのですが、我が国は言葉ばかりが先行しているような印象を持ちます。

全くもって我が国の大手企業はこれらが機能していないことを前提として捉えるべきです。

なぜこれらを機能させることが難しいのでしょうか。

これらを機能させるためには、リーダーが苦言を呈する側近を育てて大切にすることが鉄則です。

リーダーは耳が痛くなるようなことでも部下の意見を聴く力が求められます(傾聴力)。

リーダーに人間力が求められるのはこうした理由があるのです。

しかし、それができないリーダーが圧倒的に多いのも現実です。

自分の思い通りに人と組織を動かそうとするリーダーは、部下の意見を聴くことができません。

トップリーダーの周りがイエスマンばかりで固められている組織は大変危険です。

チェック機能は失われ、リーダーは裸の王様となり、改善の源となる問題点が見えなくなります。

これで組織の不祥事が起こらないはずがありません。

これらはどんな組織でも同じです。

中小企業においても、政治においても。

リーダーは苦言を呈する側近を育てると共に傾聴力を磨きましょう。

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