2019年7~9月中小企業の景況感は前期比1.9ポイント悪化・・・静岡県

  1. ワーク・ライフ・バランス 働き方改革

景気動向指数(DI)はマイナス11.6

2019年7~9月の静岡県内の中小企業景況調査が静岡県信用金庫協会によって実施されました。

これによりますと、景気動向指数(DI)はマイナス11.6で、前期(4~6月)に比べて1.9ポイント悪化したことが明らかになりました。

以下、情報源として日本経済新聞の記事を引用いたします。

静岡県信用金庫協会が実施した7~9月の静岡県内の中小企業景況調査によると、景気動向指数(DI)は4~6月比1.9ポイント悪化のマイナス11.6だった。不動産業がマイナスに転じ、製造業、卸売業、小売業のマイナス幅が拡大した。企業からは人手不足や、原材料・仕入れ価格の高騰に苦慮する声が上がった。

調査は県内9信金合同で1337社を対象に実施し、1323社から回答を得た。

地区別では東部が0.6ポイント上昇のマイナス16.3と改善した。一方、中部は4.2ポイント低下のマイナス7.6、西部は2.4ポイント低下のマイナス10.9だった。

業種別では不動産業がマイナス0.8と4~6月期の4.7から大幅に悪化した。前回調査より改善したのはサービス業と建設業にとどまった。

中部と西部で悪化した製造業では、人手不足や原材料価格の高騰、配送料の引き上げが企業を圧迫。加えて、米中貿易摩擦の影響で部品受注が減少しているという声が多く挙がった(日本経済新聞 2019年10月10日)。

みなさんはどのような感想を持たれますか?

気になるのは、人手不足と原材料価格の高騰についてです。

以下、これらについて簡単に述べていきたいと思います。

景況感が悪いのに人手不足?私たちの常識が変わっていることに注意し真の原因を追及する

私たちは、これまでの常識を変えなければならない状況になったと痛感いたします。

これまでは、「人手不足は好景気だから起こる」というのが常識でした。

不景気になれば人手が余るのが常識的な見解でした。

しかし、金券では業績が悪化する要因として「人手不足」が加わるようになったのです。

特にこの5年間の間でこの状況が急速に広まった実感があります。

なぜ人手不足によって業績が悪化するのでしょうか?

それは主に次の2点が確認できます。

〇こなせるはずの仕事量がこなせなくなるから

〇人員を確保するために給料を高めたため人件費が高騰したから

「こなせるだけの仕事量がこなせなくなる」という真の原因は、いかに安い金額の仕事を多く受注しているかということに行き着きます。

いい金額の仕事を受注していればそうはなりません。

人件費の高騰については、むしろ正しいことです。

それが商品価格に繁栄していないから経営を圧迫するようになってしまうのです。

また、最近では人手不足に悩む企業が採用サイト等に掲載しても全く反応がないというケースも常識化しました。

お金ばかりかかって仕方が無いという声も聞こえてきます。

原材料価格の高騰について

これも常識を変えないといけないと思います。

経済は成長していることが大前提となれば、原材料費が高くなることは自然なのです。

問題は、原材料費が高くなっても最終財が高くならないということなのです。

以下は2017年の結果ですが、原材料費が22%高騰しているのにもかかわらず、最終財の値上げは0.5%ということについて述べた記事です。(2018年の結果については不明のため調査中ですが、大きく改善されていることはないと思われます)

原材料費が上がったら、最終財も高めることが自然です。

必死の経営努力で最終財の価格高騰を抑えることは、ある意味不自然です。

そうなると、そこで働く方々の給料が高まらないからです。

売上高は、客数×客単価から成り立ちます。

価格という客単価が減ったら、客数を増やさなければ売上高を維持できません。

我が国は人口減少社会に突入しました。

客数を伸ばすことは非常に困難です。

そこで手を出してしまうのが価格競争です。

価格が安ければ客数が伸びるだろうという安易な考えでこの競争に参入する企業が未だ多いのです。

「いいモノを安く」の競争が激化した結果が今の我が国の現状です。

その結果、何が起きたでしょうか?

我が国は残念ながら賃金が高まっておりません。

厚生労働省の毎月勤労統計調査によりますと、2019年は8ヵ月連続で実質賃金が前年同月よりも減っている状態です。

さらに消費増税により先行きは明るくない

この様な状況の中で消費増税が10月から実施されました。

今後(10~12月)の景況感もさらに悪化することでしょう。

消費増税によって価格競争が再び激化することが懸念されます。

企業対企業の取引でも、企業対消費者の取引でも、消費税込みの価格に対して買う側が嫌悪感を示す可能性があれば、売る側は価格を安くせざるを得ない状況になるでしょう。

販売価格を安くしても、そこから消費税が10%ひかれることを忘れてはなりません。

10,000円の商品は消費税込みで11,000円となります。

買う側の価格交渉によって、売る側が1,000を「負けて」、販売価格が10,000円になったとします。

するとその内訳は、9,090円が売上で、910円が消費税となるのです。

簡単に言えば、合計で1,910円を損したことになってしまうのです。

これが怖いのです。

そのようなことが全国で繰り返されたとしたら、体力の内中小企業はたちまち立ちゆかなくなるでしょう。

また、企業対消費者の取引の場合、キャッシュレス化によってカードの手数料4~5%を販売側が支払わなければならなくなります(今はキャンペーンで無料かもしれませんがやがて有料になります)。

この状況を打破するためには、「いいモノを安く」の常識を変えるしかない

この状況を打破するためには、我が国に蔓延する「いいモノを安く」という価値観を変えていかなければなりません。

「いいモノを安く」のビジネスモデルは、たくさん売らなければ利益がでません。

体力のある大手企業は多店舗展開によって薄利多売のビジネスモデルが展開できますが、はっきり言ってそれは正しくありません。

それが大手企業独自の努力で実現しているのならばいいのですが、そのビジネスモデルにはあまたの協力会社が存在しているのです。

その多くが中小企業です。

協力会社は「いいモノを安く」の悪影響を直接受けてしまいます。

そもそも元請企業からの厳しいコストカット要請があったのに、今後さらに厳しくなる可能性があります。

中小企業は何をするべきでしょうか?

それは、価格競争から脱するために、差別化を実現することです。

どんなに価格が高くても、世の中が不景気でも、お客様から追いかけられる会社になるよう経営努力するべきです。

それを実現するのは会社にとってかけがえのない『人財』です。

協力会社の社員さんまで含めて、会社は関わる人を大切にすることが求められます。

「そんなことできるか!」と思った方はむしろチャンスだと思って欲しいです。

なかなかできないことだからこそ、差別化になるからです。

難しければ難しいほど差別化になるのです。

実際に世の中には「人を大切にする経営」を実践し、光り輝いている企業があります。

私たちはこの現実に目を向けて、明るい将来をつくっていくことが求められます。

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