目次(ページコンテンツ)
景気は確実に悪化している
内閣府は2019年12月の景気動向指数による景気の基調判断は「悪化」と発表しました。
悪化という判断は5ヶ月連続です。
悪化の判断がこれだけ続くのはリーマンショック以来です。
以下、日本経済新聞の記事を引用いたします。
経済活動の低迷を示す景気指標が増えている。内閣府が7日発表した2019年12月の景気動向指数による基調判断は5カ月連続の「悪化」だった。景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」との判断がこれだけ長引くのは、リーマン危機前後の08年6月~09年4月(11カ月連続)以来だ。先行きも新型肺炎の拡大で不透明感が強い。
12月は景気の現状を示す一致指数(CI、15年=100)が94.7だった。前月から横ばいで13年2月以来の低水準のままだ。一致指数の要素となる公表済みの7つの景気指標のうち、耐久消費財出荷指数や小売業販売額など4指標がマイナスに働いた。出荷は乗用車の低調が続く。家電や衣料品の販売も不振だった。消費増税前の駆け込みの反動減がまだ残るほか、暖冬で季節性商品の売れ行きが鈍い。
総務省が7日発表した12月の家計調査も個人消費の低迷を示す結果となった。2人以上の世帯の消費支出は物価変動の影響を除いた実質で前年同月比4.8%減少。下げ幅は前回の増税後3カ月目の14年6月(3.0%減)より大きい。品目別にみてもエアコンや温風ヒーター、コートなどの冬物の落ち込みが目立った。
日本経済が増税後にいったん失速することは市場も織り込み済みだ。内閣府が17日に公表する19年10~12月の国内総生産(GDP)は前期比年率3~4%ほど減るとの予測が多い。20年1月以降は増税の影響も和らいで持ち直しが進むとみられていたが、そのシナリオも中国で発生した新型肺炎の感染拡大でぐらつき始めた。
小売りや観光、宿泊などは中国人訪日客が減る分、直接の打撃を受ける。さらに中国国内で生産などの経済活動が長く停滞するようだと、グローバルに複雑に広がるサプライチェーン(供給網)を通じて日本の製造業もしわ寄せを受ける。製造業は米中貿易戦争の一時休戦が明るい材料だったが、再び暗雲が垂れこめる(日本経済新聞 2020年2月8日)。
みなさんはどのような感想を持たれますか?
景気は確実に悪化していますので、この判断自体に驚くことはありません。
驚くのは、各指標が悪化している状態が続いているのにも関わらず、政府の判断が「緩やかに景気は回復している」とする点でしょう。
賃金が減っている上での消費増税で景気の悪化は加速しました
内閣府の景気動向指数は8月から「悪化」という判断でした。
9月も「悪化」です。
それなのにも関わらず政府は10月に消費増税を実施したのです。
10月、11月、12月と「悪化」するのは当然のことです。
この責任は極めて重いでしょう。
悪化がリーマンショック並に続く可能性は十分あります。
その根拠となるものは、賃金が高まっていないことです。
そもそも賃金が前年同月よりも減っていて景気が回復するはずがありません。
その上で、消費増税を実施しているのです。
私たちがそれまで使えていたお金が確実に減りました。
当然、消費は減ります。
百貨店や自動車関連は特に大きな影響を受けています。
それなのにも関わらず、政府は「緩やかに景気は回復している」とう判断を維持しているのです。
これで本当に景気が良くなるのならば、完全にマジックです。
この深刻さを政治家の先生方は本当にわかっているのでしょうか?
東京オリンピックまであと5ヵ月ほどですが、ここまで「悪化」が続く可能性は十分あります。
政府はそれでも「景気は緩やかに回復している」という判断をするのでしょうか
なぜ政府は「悪化」の判断をいつもひっくり返すのでしょうか。
これまで4ヵ月連続で政府は「悪化」という基調判断を「景気は緩やかに回復している」にひっくり返してきました。
今回もそうするのでしょうか?
もしそうならば、もはやこれはマジックだと言えるでしょう。
根拠が見当たらないからです。
雇用からも、株価からも、景気がいいとは言えません。
もし政府が景気判断に関してこれらを拠り所とするならば、それは違うと思います。
苦言を呈する側近が現れることを望みます
組織が健全に保たれるためには、苦言を呈する側近の存在は不可欠です。
反対に、リーダーの周辺がイエスマンばかりになると、リーダーはどんどん裸の王様になっていきます。
今の政府にはどちらでしょうか?
先日の異例の判断にも驚かされました。
このような異例のことは本来あってはなりません。
今の政府には苦言を呈する人がいない可能性が考えられます。
そうなると、今回の基調判断も「緩やかな回復基調」を維持する可能性が高いでしょう。
これは国民のためになりません。
政府にはどうか国民の声に耳を傾けて欲しいと願っております。
耳に痛いことを言う側近が現れることを期待します。
大丈夫でいきましょう!