トヨタが2021年3月期の業績予想を上方修正・・・いちばんの要因は働く人たちが強くなったこと

  1. ワーク・ライフ・バランス 働き方改革

「前を向いて頑張ってくれている人たちに、この決算発表で感謝を伝えたかった」・・・豊田章男社長

トヨタ自動車が2021年3月期の第2四半期決算を発表しました。

第2四半期の実績として、販売台数が401万台、営業利益が5199億円になったということです。

通期の見通しとしては、販売台数860万台、営業利益1兆3000億円という予想となりました。

今年の5月の本決算時の発表では、全世界販売800万台、今期の営業利益5,000億円という見通しでしたから、大幅な上方修正と言えそうです。

なお、中間決算で豊田章男社長が出席するのは異例のことです。

豊田社長はその理由として、「コロナ危機であること」、「前を向いて頑張ってくれている人たちに、この決算発表で感謝を伝えたかったこと」を挙げています。

私自身、豊田章男社長のメッセージは極めて大切なものであると実感しました。

ぜひ、共有していきましょう(出典:トヨタイムズ https://toyotatimes.jp/)。

一番の要因は、トヨタで働く人たちが強くなったこと

予想以上に業績が上向いた要因について豊田章男社長は、「一番は、トヨタで働く人たちが強くなったことだ」と述べました。

この6カ月の頑張りはもちろん、これまでの11年間、トヨタで働く人の取り組みによって少しずつ会社が強くなってきたとしました。

さらに、豊田章男社長は「現場の力」を要因としてあげました。

豊田社長が「自動車が日本経済のけん引役になろう」と方向性を示したことに対して、現場がその方向に向かい動き続けたのです。

生産現場(工場)では、マスクやフェイスシールドの生産を自主的に行い、また非稼働日には全員でカイゼンに取り組んだことで、生産性が大きく向上したそうです。

販売現場では、オンラインを駆使しつつ、お客様との関係づくりを続けたそうです。

このように、お客様のための1台を生産も販売も必死になってつくり出し、提供したことが急速な販売回復につながったとしました。

また、私自身、これはトヨタの社風でもある「危機感」がそうさせたのだと思っています。

トヨタのフィロソフィー・・・幸せを量産するという使命

豊田章男社長はフィロソフィーについても述べ、トヨタの原点を忘れてはならないと繰り返しました。

その原点は豊田喜一郎氏がトヨタを創業した時の想いにあり、「自動車で日本の人々を豊かにする」というものです。

そして、自動車産業は「100年に一度の大変革の時代」を迎えており、先が見えないからこそ「私たちがどこから来たのか」原点を確認する必要があると述べました。

「トヨタとは何か?」について、を豊田章男社長は「円錐形」を見せて説明しました。

この円錐形は、60年以上前に創業者の豊田喜一郎氏から受け継がれた経営陣によってまとめられたものです。

時の経営陣は「トヨタとは何か?」を常に問いかけていました。

以上のことから、豊田章男社長はトヨタの使命について「幸せを量産する」ことであると述べました。

また、このような時こそ、自分以外の誰かのために、世の中のために、未来のために、仕事をしていきたいと結びました。

これらの「仕事」に対するこの想いは、私たちも持つべきものだと思います。

そもそも、仕事も会社も誰かを幸せにするためにあるのですから・・・。

円錐形に示されていた「協力工場」と「経営は人である」

上記のフィロソフィーで豊田社長が示した「トヨタとは何か?」の円錐形には今に続くトヨタイズムが書かれています。

どれもとても大切なことですが、特に着目したいのは「協力工場」と「経営は人である」の2点です。

このことについて簡単に述べたいと思います。

トヨタは「協力工場」をとても大切にしています

トヨタは協力工場をとても大切にしています。

「協力工場を切るならば、お前の腹を切れ」なのです(そのくらい大切にしていたことをトヨタで40年以上働かれた弊社の顧問から教えていただきました)。

また、協力工場に対する研修も大変充実しています。

これもトヨタの原点です。

また、協力工場においてもコスト削減は命題ですが、理不尽なコストカット要請は絶対にあってはなりません。

最終決算で利益が確実になった際には、協力工場のみなさまにも還元を何卒お願いいたします。

本来のトヨタならば心配ありませんが・・・。

また、協力工場を大切にする姿勢は他の大手メーカーも実践していただきたいと願っています。

コロナの脅威が続いている今こそ。

トヨタの「経営は人である」について

「経営は人である」という哲学はまさにトヨタそのものです。

トヨタは製造業ですので、言い換えれば「ものづくりは人づくり」となります。

一例として、リーダーはどのような人になっていくべきか示します。

リーダーは「問題に気付く部下や苦言を呈する部下を大切にすること」が求められます。

良品をつくるためには、現場や製品の問題点を素早く吸い上げ、改善することが必須です。

言い換えれば、改善の源は「悪い情報(BAD NEWS)」です。

どんなに素晴らしい工場でも、1日仕事をすれば必ず問題が出てきます。

そのために、リーダーは現場から「問題(BAD NEWS)」が素早く上がってくるように、自らの傾聴力を磨かなければなりません。

「悪い情報」をあげてきた部下を叱責するようなリーダーには、問題点があがってこなくなります。

生産現場での問題点がひた隠しにされます。

そのような組織に、いい製品がつくれるはずがないのです。

人としての本質を大切に

さて、最後になりますが、これらのことは我が国のあらゆる組織でも共有し、実践するべきことだと強く思います。

このコロナ禍において、本当に大切なものが何か見失っている組織は少なくないと思うからです。

本質を見失い、目先のことばかりこだわった結果、正しいことを正しいと言えないような組織がどれほど増えたでしょうか?

さらに、都合の悪いことがひた隠しにされるような組織、改ざんを平気で行うような組織も残念ながら存在するでしょう。

そのような組織に明るい将来は絶対にありません。

本当に大切なものとは「人」です。

もしかしたら「何を青臭いことをいっているんだ?」と言われる方もいるかもしれません。

しかし、その青臭いことを愚直に実践した会社が高い業績を叩きだしてているのです。

これは結果です。

ぜひとも進めていくべきです。

大丈夫でいきましょう!

弊社の講演会・セミナーの特徴は
お客様の高い満足度です。
企業支援の事例や現場のノウハウが
フィードバックされるためです。

詳しくご覧ください