「いいものを安く、大量に」の経営を実践している会社にホワイト企業はあるか

  1. ワーク・ライフ・バランス 働き方改革

長年、正社員の残業時間を削除する等の勤務記録を改ざん

非常に悲しいNEWSが入ってきました。

「ホワイト企業」とメディアで取り上げられていた「富士そば」が、長年、正社員の残業時間を削除する等の勤務記録の改ざんがおこなわれていることが判明したのです。

富士そばの現役店長らの告発によって明らかになりました。

以下、弁護士ドットコムの記事を一部引用いたします。

「従業員をなるべく大切に扱う」「従業員は、会社で最も重要な財産、いわば”人財”」。

富士そば創業者でダイタンホールディングス会長の丹道夫氏は、経営哲学を語った著書『「富士そば」は、なぜアルバイトにもボーナスを出すのか』(集英社新書)の中でこう述べている。また同書の中で「利益はみんなに分配するもの」と繰り返す。

しかし、富士そばの現役店長らで作る「富士そば労働組合」の告発により、長年、正社員の残業時間を削除する勤務記録の改ざんがおこなわれていることが判明した。組合側は、これにより「未払い残業代がある」とも主張している。

11月に組合が開いた会見では、店長らが「労働時間が月300時間を超えて、うつ病と睡眠障害になった」「長時間労働を続けて、偏頭痛や吐き気、全身の湿疹が出るようになった」など驚くような実態を次々と語った。

飲食業界屈指の「ホワイト企業」とメディアにも盛んに取り上げられていた富士そばで、一体何が起こっていたのだろうか(2020年12月25日 弁護士ドットコム)。

また、弁護士ドットコムによると、社員8人が本日(12月25日)、未払い残業代など計約9000万円の支払いを求める訴えを起こしたそうです。

富士そばの創業者が言う「従業員をなるべく大切に扱う」「従業員は、会社で最も重要な財産、いわば”人財”」は正しいことです。

これがすべての社員さんに対して実践されていなかったことは残念でなりません。

どんなに業績がよく見えようとも、社員さんのモチベーションは誤魔化すことはできないのです。

「富士そば」が真のホワイト企業となっていただきたいという願いを込めて、以下、述べたいと思います。

「いいものを安く、大量に」の経営を実践している会社でホワイト企業は極めて困難

私の拙い経験上申し上げます。

私は「いいものを安く、大量に」のビジネスモデルを展開している会社で、ホワイト企業となっているケースをただの1社も知りません。

「うまい、安い、早い」でも結構ですが、こうしたビジネスモデルは多店舗展開しなければ利益が出ません。

いわゆる「薄利多売」をせざるを得ないのです。

この経営を実践している会社で、ホワイト企業となることは極めて困難です。

極めて困難というより、不可能と言っていいでしょう。

理由は単純です。

「いいものを安く」かつ「大量に」を実現するためには、必ずどこかにしわ寄せが生じるからです。

そのしわ寄せの矛先が次の2点に向かっていれば大問題です。

〇社員さんの給料を低くする(社員さんが犠牲になる。今回はこのケースですね。)

〇協力会社さんに対する理不尽なコストカット要請(協力会社さんが犠牲になる)

本来、いいものをつくるにはコストと手間がかかります。

人件費も原材料費もかかって当然なのです。

今回のケースで言えば、残業代を誤魔化さなければ薄利多売のビジネスモデルが実現できなかったのではないでしょうか?

私が存じ上げているホワイト企業は絶対に価格競争をしません

「いいものを安く」がすっかり我が国の企業のお家芸のようになってしまいました。

これは企業の経営努力として間違っています。

なぜなら、誰かが犠牲になるからです。

これぞ私たち国民の実質賃金が高まらない元凶だと思っています。

ひいては、我が国の経済成長を妨げる間違った価値観であり、人口減少や後継者問題といった大問題にも繋がっていると考えています。

私たちは、企業としても、消費者としても、そろそろ目を覚ますべきだと思います。

企業は「いいものを安く」の経営から脱却するべきですし、消費者の立場としても「いいものを安く」を求めないようにするべきだと思います。

安いものは悪くて当然ですし、いいものはそれなりの値段がするのが自然なのです。

なお、私が存じ上げているホワイト企業は価格競争をしません。

そして、薄利多売のビジネスモデルを絶対にしません。

それをしたら、社員さんを大切にすることができないからです。

共通するのは「人財」が差別化を実現し、どんなに価格が高くてもお客様から支持されるような経営努力を積み重ねている点です。

販売面での真の経営努力は1円でも高く売ることなのです。

社員さんが知恵を出したものを付加価値として商品価格に含めるべきなのです。

だからこそ、社員さんの給料を高めることができるのです。

そして、協力会社さんに対しても理不尽なコストカット要請をしません。

だから協力会社さんの社員さんの給料も守られるのです。

そのような会社を増やしていくことが我が国に必要だと考えます。

最後になりますが、「富士そば」が真のホワイト企業となることを心から願っています。

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