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資本金1億円以下の企業は法人税法における定義では中小企業
毎日新聞社が資本金を現在の41億5千万円から1億円に減額するそうです。
資本金1億円以下の企業は法人税法における定義では中小企業の扱いとなります。
中小企業の税優遇措置を受けることが狙いでしょうか?
以下、情報源として共同通信の記事を引用いたします。
毎日新聞社は21日、資本金を現在の41億5千万円から1億円に減額すると明らかにした。3月1日付の予定。資本金1億円以下の企業は税法上、中小企業の扱いとなり、税優遇措置を受けることができる。
毎日新聞は「グループ全体への適切な税制の適用を通じて、財務内容の健全性を維持するとともに、今後の資本政策の柔軟性および機動性の確保を図る」ためと説明している。
資本金から取り崩した40億5千万円は「その他資本剰余金」に振り替える。純資産総額や発行済み株式総数に変更はなく、財務基盤や紙面の発行にも影響はないという。
今月15日に開いた臨時株主総会で承認された(共同通信 2021年1月21日)。
この決断は賛否両論あることでしょう。
みなさんはどのような感想を持たれますか?
私は不自然な印象を持ちました。
また、このようなことが臨時株主総会で承認されたことに驚きました。
この決定に対して社員さんも動揺があるかもしれません。
どうかいい形で会社が発展していくことを願っています。
社員さんの人数はおよそ2,000人・・・中小企業と呼ぶには違和感が
上記のとおり、資本金1億円以下の企業は法人税法における定義では中小企業の扱いとなります。
しかし、ウィキペディアによりますと、毎日新聞社には2,000人以上の社員さんがいます(2018年)。
社員さんの人数からすると、中小企業とは言うには抵抗があります。
なお、中小企業基本法では次の条件に該当する企業が中小企業となります。
製造業・・・資本金3億円以下又は従業員数300人以下
卸売業・・・資本金1億円以下又は従業員数100人以下
小売業・・・資本金5,000万円以下又は従業員数50人以下
サービス業・・・資本金5,000万円以下又は従業員数100人以下
そして、我が国の事業所の99.7%が中小企業です。
中小企業で働いている方の数は、働く人全体の約7割を占めます。
毎日新聞社はこの定義からすると、中小企業に該当しません。
新聞業はサービス業になりますので、「資本金5,000万円以下又は従業員数100人以下」であることが求められます。
菅政権は中小企業の定義について変えることを検討
昨年の秋、菅政権は中小企業の定義について変えることを検討するというニュースがありました。
どうか中小企業にとってプラスになるものであって欲しいと願うばかりです。
私は定義を撤廃するようなことがあれば、反対します。
より良くするために、見直すことはするべきだと思います。
上記のとおり、中小企業の定義は資本金と従業員数で分けられ、どちらが「以下」になることが条件です。
定義を見直す際、「又は」ではなく「かつ」にすることも検討してみてはいかがでしょうか?
また、税制上の定義を見直し、中小企業基本法との統一をするべきではないかと考えます。
世の中に中小企業の情報は驚くほど少ない
最後に、少々脱線いたしますが、この定義の必要性について私が感じていることのひとつに、「中小企業の実態を把握するため」というものがあります。
世の中に中小企業の情報は驚くほど少ないです。
例えば、ボーナスの調査結果もそうですが、純粋に中小企業だけの調査結果というのはなかなかないのです。
世の中に出ている統計データの多くが多少なりとも大手企業が入っているのです。
そえゆえ、平均値が大きく変わってきます。
中小企業で働く方がそれらの数値を見たときに、乖離していると実感する人も少なくないのです。
働く人の約7割が属している中小企業の実態を正確に示すことがいい国づくりに欠かせないと考えます。
大丈夫でいきましょう!